朝5:00
これは、転生前の私がいつも起きていた時間だ。
朝5:00に起きないと、通勤ラッシュに遭い、会社に遅れてしまう。
逆に4:00に起きると早過ぎて始発の電車が一時間以上来ず、駅で待つ事になる。
更に、私が働いていた会社は、始業時間が7:30で、就業時間が21:00だ。
給料は高い、業績も良い。だが、社員の気持ちは後回しにされる。所謂、ブラック企業だ。
そんな会社で働いていると、自然とこんな生活習慣になってしまう。
今は、ミュウとして転生し、仕事は無いが、起きる時間は変わらない。
横を見ると、ユズリハという美少女がベッドで寝ていた。
ユズリハは、私を救ってくれた大恩人だ。
更に、私が今住まわせてもらっている屋敷のお嬢様だ。
彼女には、専属の執事である、サラという女執事がほぼ付いている。
サラは、とてもクールで、トレーナーとしても、とても強いだろう。
朝5:00に起きたから、何もやる事が無く、暇だったので、
窓から外に出て、ある人物の部屋を探し始める。
そして、その人物を見つけ出し、窓を開け、侵入する。
その人物は綺麗な白い髪で、背丈は167cm程で、痩せ型の男性。
名はシルハ。ユズリハの兄だ。
彼は財閥のトップであり、頭の回転も早く、運動神経もそこそこ良い。
彼にも専属の執事が付く。名をクロノと言う。
クロノは女性好きで、女性が近くにいると、態度が変わり、テンションが上がる。
信用は出来るが、謎が多い人物でもある。
窓から侵入した私はシルハの部屋を探索してみるが、
本棚、TV、机、椅子、ベッド、PC、エアコン、箪笥くらいしか無く、
最低限生活出来そうな物ばかりの部屋だった。
ベッドをよく見ると、目覚まし時計があり、針は5:05を指していた。
余りにも暇だったので、シルハに悪戯してやろうと考えた。
私は思い付いたら、すぐに行動するタイプだから、さっそく目覚まし時計を弄る。
アラームの時間を1分後にセットし、その時間まで目覚まし時計をシルハに近づける。
そして、1分が経ち、目覚まし時計は勢いよく部屋に鳴り響く。
(!?)
余りにも音が大きいので、目覚まし時計を落としてしまい、シルハに直撃してしまう。
「・・・ッ!痛いです・・・。」
シルハが起き、私に向かって言ってきた。
(こっちだって耳が痛いんですよ!自業自得ですけどね!)
シルハは欠伸をして、目が覚めた様だ。
「ミュウは何故ここに?」
そう聞かれて、返答しようと思ったけど、私は理解はできるが、日本語を話せない。
とりあえず、窓を開けて庭を指差した。
「庭に行きたいのかい?」
「ミュー」(うん)と言って頷く。
「分かった。少し準備する。」
そう言うと、シルハは1分30秒以内に着替えた。
「ミュウは窓から出た方がいい。僕はクロノと一緒に行く。」
私は窓から外に出て、庭に向かい、数分庭を見て周り、シルハを待った。
「ミュウ、待たせたね。」
「おはようございます。ミュウ。」
声が聞こえ、振り返ると、シルハとクロノがいた。
私はニコッと笑顔を作り、手を振った。
すると、クロノが口を開いた。
「ミュウ、君は、怪我をする前に何かに追われたりしていたかい?」
追われる?私が?特に心当たりは無いけどなぁ・・・
取り敢えず、首を傾げる。
「?」
「そうか。記憶が無いのなら仕方無いですね。」
「シルハ様が、ミュウは人間みたいだと言っていましたが、元人間なのですか?」
「お前・・・僕も気になっていたが、その質問は無いだろ・・・」
「そうですか?では質問を変えましょうか。」
クロノは少し考えてすぐ質問をしてきた。
「ミュウは何処から来たんですか?」
私は何処から来たのか・・・日本と言うのが一番だが、ここは国では無く地方で
分けられているので、ここが日本なのかも分からない。形は同じなのに・・・。
でも、言葉は通じるし、普通に日本語で話していますよね・・・。
私はクロノの胸ポケットからペンを取り出した。
そして、紙を要求する様に空中に書く真似をする。
「書くのですか。紙を用意しますね。少々お待ちを・・・」
クロノはそう言うと、一瞬にして消え、一瞬にして現れた。
「お待たせしました。」
手には、バインダーと紙が3枚程挟んであった。
「お前、いつもそんな動きするけど、お前は本当に人間か?」
「私は人間ですよ。スーパーマサラ人と言う様な者です。」
「スーパーマサラ・・・何だそれ・・・」
「何でもないです。気にしない方が良いですよ。」
「あぁ・・・うん・・・。ミュウ、先程の質問の答えを書いてくれ。」
私はバインダーをサイコキネシスで浮かばせて、文字を書き始めた。
だが、私が書いた文字は日本語でも無く、変な文字だった。
何故か日本語を書いたはずなのだが、違う文字に変換されていた。
「これは・・・アンノーン文字・・・!?」
アンノーン文字。その名の通り、アンノーンの形で出来た文字だ。
私は困惑していた。自分が書いた文字が日本語で無く、アンノーン文字。
日本の事を忘れてしまったのかと思う程に、頭が可笑しくなったかと思う程だ。
「アンノーン文字なら、解読出来る装置があったはずです。」
「それは良かった。早速解読しようか。」
私は再びシルハの部屋に来た。
クロノとシルハは私が書いたアンノーン文字を解読しようとしている。
本当なら口で伝えたいのに、出る言葉は全て「ミュウ」だ。
こんなのは会話ですら無い。
数分待っていると、装置が鳴る。
『エラーが発生しました。解読を終了します。』
「エラーだと?今までこんな事は無かった筈だぞ。」
「故障にしては、傷一つ無し。データは安定しています。」
「新しいアンノーン文字という事か?」
「その可能性が高いかと・・・。」
え・・・。私は新しい文字を作り出してしまった・・・?
脳では日本語を、手ではアンノーン文字をという謎な操作かな?
取り敢えず、人との会話は無理な様だ。
「そういえば・・・。」
「どうした?クロノ、何か良い案があるのか?」
「はい。何処かにいると思われる、
人間とポケモンの言葉を理解出来るニャースがいるそうですよ。」
あれ・・・?それってロケット団のニャースしか思い浮かばないのですが・・・。
というか、何故クロノさんがそれを知っているんだ・・・?
まさか転生者?でも、何故執事をやっているの・・・?
でも、ただ情報が入ってきたりとか・・・ありそうですね・・・。
クロノさんを転生者と決め付けるのは良くないですね・・・。
「そのニャースは人の言葉を話せるのか?」
「はい。知能は、人間並みのニャースです。」
「成る程、それは良い事を聞いた。早速そのニャースを連れてこようか。」
「お待ちください。今は止めましょうか。」
「何故だ?」
「せっかくの休日で実家に帰り、ユズリハ様に会えたのに、
一日で出るのは私的な意見ですが、失礼かと思われます。」
「ふむ・・・仕方ないですね。」
クロノさんはロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースの
2人と1匹のグルを知ってるのかな?
なら、サトシというアニメの主人公もいるのかな?
まぁ、いても会いたくは無いですね~・・・。