仕事やら家の都合で、パソコンに触れる暇が無く、
やっと触れて書いたと思ったら、データが消え、
色々と問題が起こり、遅れてしました。
まだ一息つけそうに無いくらいやる事があるので、
遅れてしまうかもしれませんが、決して失踪はしません。
ですので、こんな調子ですが、応援してくださると、とても有り難いです。
いつも通り、誤字等がありましたら、報告お願いします。
3月20日 旅立ちの前日(昼)
「ミュウ、貴方は明日の旅には連れていけないの。」
え・・・?
突然掛けられた言葉に、私は戸惑った。
「ミュウ、連れて行きたいのは山々だけど、貴方は連れては行けないわ。」
何故・・・
そうは思ったが、考えてみれば簡単な事だ。
私が一緒にいると、ユズリハ達を危険な目に合わせてしまう。
私は、他の組織に狙われている身だと思われているからだ。
そんなのは理解はしていた。
でも、いきなり言われたので、ショックであった。
「私は明日の明け方にヘリコプターでホウエン地方のミシロタウンへ向かうわ。
それまでに、ミュウ、貴方は安全な場所へ逃げなさい。」
ユズリハは悲しい顔をしていた。
悲しい顔は見たくない。
ユズリハを1分抱きしめてから、手を離し、窓から庭に出た。
~庭~
「やはり、庭に居ると心地良い気分になる。」
庭から知っている声が聞こえた。
「そうですね。ですが、風邪を引かないように早めに戻りましょう。」
この声も知っている。
ユズリハの兄であるシルハとその専属執事であるクロノだ。
「ん?ミュウ、どうしました?」
名前を呼ばれてビクッとする。
気付かれていたらしい。
仕方ないので、シルハとクロノの前に来た。
だが、いつもの調子ではいられない。
先程の事で、私は頭を冷やしたいのだ。
「ミュウどうした?いつもより調子が悪いぞ?」
「そうですね…。いつもより落ち込んでいる様ですね。」
そうですよ…。
いつもの調子は出せません…。
「ん…?そういう事か…。
とうとう聞いてしまったのか。あの話を。」
「あの話とは…?」
「明日の旅立ちの事だ。」
ビクッ…
相変わらず鋭いですね…
「明日の明け方にユズリハはホウエン地方に行くんだ。
向こうは、アクア団のアジトがあるからミュウは連れて行けない。
ミュウは組織に狙われている可能性が高いからね。」
「成る程。ミュウは連れて行けないと言われて、落ち込んでいるのですね。
確かに分かります。親に『お前は入れない場所だから』と言われて、
車で待っているか、家で待っているみたいな感じですね。行けなくて悔しいですよね」
私は、涙は流さないと決めていたけど、耐え切れず涙を流してしまう。
「やはり、ミュウにも感情があるようだ。
人間も悲しい時には泣くものだ。しかし、困ったものだな…。」
「ミュウ、こちらを使ってください。」
そうクロノは言ってこっちに向かってハンカチを渡してくれた。
私はそのハンカチで涙を拭い、ペコリと頭を下げる。
「良いですよ。ポケモンにハンカチを渡すの自体初めての事ですので。」
そして数分後。
「ミュウ、お前はユズリハとホウエン地方へ行きなさい。
ユズリハの護衛としてならミュウが一番適役だ。」
でも、ユズリハの護衛ってサラさんじゃないですか…
そう思っていると、
「それとだ。クロノ、お前もついて行け。」
「どういう事ですか?僕はシルハ様の専属執事ですよ?
僕が離れたら、誰が身を守るのですか?誰が身支度をするのですか?」
「そんなのはいくらでも用意出来る。
お前程有能な奴は居ないが、仕えている者は全て訓練された者だ。」
「はぁ…。」
「何だ?不満か?」
「不満ではなく、不安なのです。
何処の馬の骨か分からん奴に地位をくれてやるなど…、失礼言葉が過ぎました。」
「では、クロノ、これは命令だ。
ユズリハとサラさんをミュウと一緒に警護し、怪我を負わせるな。」
「それはっ…!」
「お前に拒否権は無い。これは命令だ。逆らうな。
次断るような言葉を吐くのであれば…分かるな?」
「はい…。」
「僕は今から父上に事情を説明しに行く。
クロノ、付いて来てくれ。僕は父上とは1対1で話すのは苦手だ。」
「畏まりました。お供いたします。」
そうして、クロノとシルハは屋敷に戻って行った。
数時間後 20:30
私とクロノはシルハの部屋に呼ばれた。
そして、明日の予定を立てた。
次の日 旅立の日 4時30分 ヘリポートにて
「あれ?クロノさんも行くの?私とサラさんだけで良いのに。」
「すみません、ユズリハお嬢様。シルハ様の命令により一緒に旅をさせて頂きます。
安心してください。不届き者には指一本触れさせないくらいな警護しますので。」
「分かりました。ところで、そのバッグは?」
「こちらは、お金と料理を作る為の物等です。
すぐ出発らしいので、そろそろ乗りましょうか。」
「はーい。ではシルハ兄様行ってきます!」
「あぁ。気を付けろよ。何かあったら僕に電話しなさい。
サラさんもユズリハの護衛任せましたよ。クロノもな。」
「「はい!」」(サラ&クロノ)
そしてヘリコプターは飛んでいく。
ヘリコプターに乗って数分後
「ねぇ、クロノさん?そのバッグ少し動いてませんか?」(ユズリハ)
「へ…ヘリコプターが少し揺れたのでしょう。」(クロノ)
「いえ、ヘリコプターは安定していますよ。」(サラ)
「気になるっ!開けちゃえ!」(ユズリハ)
「待って!待ってくださいいい!!」(クロノ)
バッグのファスナーが完全に開いた。
「何で…何で此処にいるの…貴方は来ない筈なのに…」(ユズリハ)
「あー…見られてしまった…」(クロノ)
「どういう事ですか!?クロノさん!」(ユズリハ)
「分かりました。事情を説明しますので、少し冷静になってください。」(クロノ)
クロノは全ての事情をユズリハとサラにだけに伝えた。
ミュウはバッグの中でまだ寝ていた。
「…そういう事なら早く言ってくださいよ…。」(ユズリハ)
「申し訳御座いません。ですが、これはミュウ自身も決めた事です。」(クロノ)
「分かりました…。連れて行くしかないですね。」(サラ)
そうして、このままホウエン地方へ向かうのであった。