離別世界線のみさここのイメソンを書き起こしました
夢を見ていた。
『美咲! 待ってたわ!』
『はいはい、今日はなんですかー』
昔の、高校生の頃の夢だった。私の人生の中で、1番大事な、楽しかった期間。それはきっと、いつも側に彼女がいたから。
あの頃の私達は、あんなに仲よかったのに。あんなに遊び回ったのに。
それはもう、過去の思い出に変わってしまっていた。
「おはようございます、こころ様。本日の予定ですが……」
黒服の人達が、いつも通り今日の予定を教えてくれる。いつもならすぐ覚えられるが、今日はさっきまで見ていた夢の所為で、あまり聞いていなかった。
最近はあまり見なくなっていた、高校生の頃の夢。もう卒業して何年も経っているのに、色褪せてくれない思い出だ。
美咲とは、いつも楽しい事を探して過ごしていた。笑いあって、ふざけあって、気づけばいつも一緒だった。一緒に居てくれた。今日はどんな楽しいことが見つかるのか、そればかりいつも考えていた。
『美咲! 一緒に帰りましょう! 楽しいことがきっと見つかるわ!』
『わかった、わかったから引っ張らないでくださいこころさん……』
私達が友達だなんて、確かめることに意味はなかった。
だって、毎日一緒に過ごすことが、それを証明してたのだから。
そう、思っていた。
『こころはさー、進路とかどうすんの?』
『もちろん世界を笑顔にしに行くわ!』
『……そう、なんだ』
だから美咲も一緒に行きましょう、と言おうとしたところで。
『あたしは、普通の大学生になって、普通に生きるから。……応援してるよ』
はっきりと、拒絶された。ついていけない、と言われたようで、ショックだった。
ねぇ、私達あんなに仲よかったわよね? 美咲はそんなんじゃなかったのかしら?
笑い転げた日々を、どこに隠せばやりきれるっていうの?
私は、この後もずっと、あなたと笑いたいのに。
結局、美咲は宣言通り普通の大学に進学して、普通の大学生になった。そして私は、世界を笑顔にするために日本を出た。
それぞれの環境で今日だって、あなたはもっと、前よりもっと、輝いた道を駆け抜けてるんでしょう? 美咲のことだから、きっと色々言いながらも、うまくやっているのだろう。
美咲が笑っていれてるならそれでいいけど。
ちょっぴり寂しい、なんて思ってしまうのは我儘かしらね?
どんなに美咲と距離ができて、忘れられるようなことがあっても。
一緒に過ごした時間だけは、あなたと私を繋げてるから。
だから平気、そう思っていたのに。
あの頃の夢を見る度、涙が出る。あなたのことを思い出す度、胸が痛む。
でも私がどれだけ涙を流しても、あなたはずっと思い出の中でしかなくて。
ねえ美咲、私知らなかったわ。
共に築いた絆も、こんなにも容易く崩れてゆくなんて。
ねえ美咲、私勘違いしてたわ。
美咲がどんなに過去をたどっても、私はずっと奥に埋まってるの?
一生一緒だなんて、勝手に保障されてるんだと思ってたのに。
ねえ美咲、私に教えてちょうだい。
美咲と笑い転げた日々を、どこに隠せばやりきれるの?
ねえ美咲、私ね。
またあなたと、笑いたい。