幼馴染みだけど疎遠だった北条加蓮と久々に再会したら、アイドルになっていた。 作:高波
「そいじゃモン○ンやるか」
「そだねー」
俺がソファに座り、自然と加蓮が横に座る。
ほんとにこれ心臓に悪いからやめてほしいな…。
「とりあえず最初からでいいか?データも余ってるし」
「うん。ストーリーも楽しみたいしね」
モン○ンのストーリーが始まる。
確か最初は船の中。古龍に襲われるところからスタートだ。
「グラフィック綺麗だねー」
「まあ一応P○4 Proだからな。モニタも新調してるし」
ストーリーがどんどん進んでいく。
「おー」
加蓮も結構楽しめてるみたいだ。
誰でもゲームのストーリーを進めてるときはワクワクするよな。
船から脱出して、巨大な古龍の上を歩くところから操作は始まる。
「んーと、大体3○Sと操作は同じなんだね」
「そうだな。L2R2があるぐらいだ」
古龍の上から竜を使って脱出し、向かった先は新大陸。
ここのムービーが…、
「綺麗…」
ディスプレイを見つめる加蓮に向っておまきれと声をかけてやりたいところだけど、まあ本当に言ったら気持ち悪がられるか。
やっぱり操作感は変わらないのか、順調に進めていく。このままHR解放ぐらいまで一気にやっちゃいそうだな…。
「加蓮ー適度に休憩しろよー」
「んー」
やっぱり集中しているみたいだ。適度に時間空けてから声かけるか。
「………あ」
ソファはホテルのベッドに匹敵するレベルで眠くなると思う。
寝過ごしてたみたいだ。
時計を見ると時間は八時。結構遅い時間になってしまった。
ディスプレイに目をやると、画面上のキャラクターは動いていない。
「…すぅ」
「…お前も寝てるのか」
恐ろしや、ソファの睡魔。
しかも気づいてなかったけど俺の肩に頭が乗っかっている。
これ、よく考えたら結構恥ずかしいシチュエーションじゃね?
「おい、起きろ。もう八時だぞ」
「ん…」
寝顔がかわいい。
「ん…ゆーくん…」
いきなり加蓮の口から俺の名前が出てきてドキッとした。
昔の夢でも見てるんだろうか。
とにかく、起こさないようにそーっと寝かせて、毛布を掛ける。
「さてと…今日は何作ろうか」
―――――――――――
「ん…」
北条加蓮は料理の音で目を覚ました。
寝心地のいいソファの上。記憶にない毛布がかかっている。
「そうだ、時間…」
時計の針はちょうど九時を指している。
「ん、起きたか。もう晩飯できるぞー」
キッチンから聞き慣れた幼馴染みの声が聞こえてくる。
ようやく加蓮は現実に戻ってきた。
「(モンハンやったまま寝過ごして…それで毛布まで掛けられて…)」
我ながら情けない。
それと同時に、彼の優しさも再認識した。
「………晩飯?」
「おう、もう出来てるぞ。今日はペペロンチーノをベーコンと野菜で適当に作った」
「「いただきます」」
「今日はどうするんだ?帰るなら送っていくけど」
「んー泊まってくー」
「い、いや着替えは?」
「私服で寝れるし、明日土曜日だし」
「あ、そうか」
自然に彼の家に泊まることを選択しているのもどうかとは思う。
「(まあ時間的にも厳しいしね…)」
―――――――――――――
加蓮が俺の家に泊まるのは二回目。
ちょっとずつ慣れてきた。いや慣れていいもんではないんだろうけど。
「風呂どうする?」
「先入っていいよ、私長いし」
「ん、いや先にどうぞ」
「ありがと」
まあ、こういう生活も楽しいもんだ。
普段一人暮らしで、寂しいって程ではないけど静かだからな。
「あ、そうだ」
「ん?」
「覗かないでね?」
「覗きません」
さすがにそれは社会的に死ぬ。
「ほんと?」
「……覗きません」
「………覗いてくれてもいいのに」
「え、なんて?」
「な、なんでもない!」
勢いよく扉を閉めて、加蓮は浴室に入った。
女の子、それもアイドルが自分の家で風呂に入っていると思うと、ドキドキする。
覗きにいかないように精神統一をしてから、俺は加蓮を待つ間モンハンをすることにした。
――――――――――――――
「あーのぼせそう…」
好きな人とひとつ屋根の下。
前泊まった時はこういう気持ちにならなかったのだが。
「まああの時は寝てたからね…」
長くなるとは言ったけど、早く上がりたい気分になった加蓮だった。
夫婦ですね。