幼馴染みだけど疎遠だった北条加蓮と久々に再会したら、アイドルになっていた。 作:高波
「え~それでは次は予算係~」
北条加蓮は会議を聞き流しながら考え事をしていた。
もちろん悩みの種は、ちょうど一つ机を挟んだ横にいる幼馴染みのことだ。
向こうは黒板を見つめてこっちは気にも留めていない、いやちらちらと見ているので気になってはいるようだ。
「次、見回り係~。」
「あ、じゃあやります。」
と、その幼馴染みが手を挙げた。ここを逃すわけにはいかない。
「あ、私もやります!」
教室の中にざわめきが広がる。
「え~私北条さんと一緒がよかった…」
案の定反対の声が出る。ここはどうにか…
「私が回ればみんなの士気も上がるだろうし、いいですよね?先生。」
「あ、ああ。まあお前が希望するならいいが。」
とりあえず誤魔化すことができた。
加蓮は心の中でガッツポーズを決めた。
――――――――――
俺は今困惑している。加蓮が俺と同じ係に立候補したのだ。
幼馴染みだったとはいえ二年も会ってない。正直向こうは向こうで友達を作って人気者らしいし俺とはあんまり交流しないことになるだろうなと思っていたのだけれど。
まあ本人の言った通り全体の士気向上を狙った…いや、あいつに限ってそれはないか。だとしたら何を企んでる…?
気になりつつも今日はこれで会議は終わりらしい。とりあえず係だけを決めて明日係ごとに集合とのこと。
今は四時半か…ここから帰りがどんどん遅くなっていくんだろうなあ…ちゃんと寝れるかな。
「とりあえず荷物をまとめてさっさと帰ろうかな…さっきみたいに人が多くても困るし…」
少し暗くなった外に出る。今日の夕飯何作るかなあ…何か余りもんあったっけか…
「ねえ」
時間も時間だし今から買いに行くわけにもいかんしなあ…確かカレーのルーが半分余ってるはずだしカレーでいいか。具材は…
「ねえってば」
それにしても文化祭。なかなか自由な時間はなさそうだけど疲れを溜めたくはないんだよな…
それにしても何で加蓮はわざわざ俺の係に立候補したんだ?
「………」
「あいたたたた!」
何だ急に、と思ったら悩みの種、北条加蓮の姿があった。
「なんですか…かれ…北条さん」
つい敬語になってしまった。二年ぶりだし向こうは人気者になってるしでちょっと緊張する。
「加蓮」
「え?」
「なんで敬語なのよ。前みたいに加蓮でいいのに」
「いやだってなんか北条さん人気者みたいだし…」
「加蓮」
「あ…か、加蓮人気者みたいだからさ、なんでか知らないけど」
「なんでって…知らないの?」
なぜだか加蓮はちょっと怒った顔。
「何を?……てか怒ってる?」
「怒ってない。自分で調べれば?」
いや怒ってるでしょ…。
「それより」
「はい」
「なんでずっと避けてたの?」
「いやさっきも言ったけど加蓮だって友達も出来ただろうしそっちのほうが大事かなって…」
「何言ってんの!?あんたとのことも大事に決まってるじゃん…」
より一層怒らせてしまったみたいだ…何かおかしなこと言ったかな…。
というかさりげなく勘違いするセリフを言うんじゃないよ…。
「悪い…いや俺としては加蓮と一緒にいれるんだったらそれはそれでいいんだけど」
「そ、そう、ならいいけど」
今度は声がちょっとだけ上擦っていた。
無愛想な返しではあったけど、加蓮はなぜか機嫌がよくなったみたいだ。
全く、よく言われていることだけど女の子の考えていることはよくわからないな。
「そういや、モン○ンってまだ続けてるのか?最近据え置きの新作が出るらしいけど」
「やってるよ?XXはとりあえず一通り」
中学時代、入院生活中加蓮の数少ない楽しみだったのが、ゲームだ。
元々あまりゲームをするタイプではなかったけど、俺が持ち込んだ○DSでハマってよく遊ぶようになった。
「今ベータ版やってるんだっけ?」
「そうそう。加蓮はP○4持ってないの?」
「んーやりたいはやりたいんだけどね。どうしても携帯機じゃないと時間が取れないんだよ」
「なるほどね。一応俺は○S4買ってるからやってるけど、面白いよ。」
「じゃあやらせてよ」
「貸すってこと?さすがにPS○は運びづらいから休日なら」
「いや、そうじゃなくて」
「え?」
「今から行くのよ、あんたの家に」
ちょっ、え?加蓮さんそれマジで言うてます?
なかなか早く更新できないものですね。
あとはしっかり加蓮の個性を出していきたい。頑張ります。