この素晴らしい世界に輪廻眼を!   作:イタチ丸

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めっちゃ早く書けた……w(いつもこの位早く書け)
急いで書いたって訳ではないのですが、もし誤字脱字があれば何なりとお申し付けください!
それではどうぞ!


第12話 親友との再会

カズマside

 

「あ、貴女は……?」

 

今、俺の目には翼の生えた天使のような美女が映っている。

冬将軍は美女に気づき、矛先を向けた。

だが、彼女は精霊相手に一切動じていなかった。

 

「これが冬の精霊、冬将軍。火遁も飲み込むほどの頑丈な鎧兜……かなり焦っていたようね、長門」

 

え、何で長門の名前を知ってるんだ……?

彼女は自分の体を紙へと変化させ、それを冬将軍へと張り付けた。

拘束しているのだろう。当の冬将軍は苦しそうにもがいている。

 

「生き物というのは、必ず何処かしらに弱点があるもの。例え、それが精霊やアンデットモンスターであっても……」

 

この人、何で冬将軍相手にこんな余裕なんだ……?

もう倒したような雰囲気出してるし……俺がそう疑問に思った瞬間

 

 

 

ドドドドォォォーン!!!

 

 

 

「「「!?!?」」」

 

急に冬将軍が爆発し出した。

先程から何が何やら分からなくなってきた。この人は一体何者なのだろうか……。

やがて冬将軍はその場にバタリと倒れていった。

 

「ちょっ、あんた何者なの…?急に出て来たと思ったらあいつを瞬殺しちゃうし…」

 

「話はその後。それよりも、誰か早く長門に治癒魔法をかけてあげて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと辺りは真っ白な神殿という、見覚えのある場所だった。

そうか、俺は死んだのか。

倒せたと思って油断した俺の自業自得だが、こればかりは仕方がない……。

そして、目の前には見覚えのある女神様の姿があった。

 

「長門さん、ようこそ死後の世界へ。残念ながら貴方の第2の人生は終わりを告げました」

 

「聞き覚えのある台詞だな」

 

「そうですね。死んでしまいましたから」

 

「それにしても、皆にみっともない姿を晒してしまったな……」

 

一斬りで死んだという俺にとっては何とも情け無い醜態を晒してしまったことに深い溜息をつく。

だが、エリスは憂いを帯びた表情で首を振ると、

 

「何も恥じることなどありません。貴方の仲間を守る勇姿はとても立派でしたよ……」

 

言いながら、エリスは悲しげに目を閉じた。

彼女の悲しそうな顔を見ていると、切ないというか申し訳ないというか、そんな感情が芽生えてくる。

 

「せめて私の力で、次は平和な世界で、裕福な家庭に生まれ、不自由なく暮らせるように。幸せな人生が送れるような場所に転生させてあげましょう」

 

そうか、死んだら天国で暮らすか、一から人生をやり直すかのどちらかだったな。

短い間だったが、ほんの少しだけ楽しむことは出来たと思う。

奴らと会えなくなるのは心残りだが、仕方ない……。

 

「……ああ、頼む」

 

俺の言葉に、エリスが哀しそうに目を伏せる。

そして俺に右手をかざし……。

 

 

 

『さあ帰ってきなさいナガト!こんな所で何をあっさり殺されてんの!あんたがいなきゃ私達何も出来ないんだから、死ぬにはまだ早いわよ!』

 

突然聞こえてきたアクアの声。

脳に大音量で響いてきたので、頭部が激痛を走った。

 

「なっ!?この声は、アクア先輩!?随分先輩に似たプリーストだなと思っていたら、まさか本物!?」

 

エリスは目を見開き、虚空を見つめて声を張り上げていた。

 

『ちょっとナガト、聞こえる?あんたの身体にリザレクションって魔法をかけたから、もうこっちに帰って来れるわよ。今、あんたの目の前に女神がいるでしょう?その子にこちらへの門を出してもらいなさい』

 

成る程、アクアの蘇生魔法か。

そういえば、デュラハンに斬られた冒険者達を蘇生させていたらしいな。

 

「ちょちょ、ちょっと待ってください!ダメですダメです、申し訳ありませんが、長門さんは既に一度生き返っていますから、天界規定によりこれ以上の蘇生は出来ません!アクア先輩と繋がっているあなたじゃないと、向こうに声が届かないので、そう伝えては頂けませんか?」

 

そうなのか…?天界規定であればアクアはこういうの把握しているんじゃないのか?

俺はエリスの助言通りにアクアに伝えた。

 

『はあー?誰よそんなバカな事言ってる女神は!』

 

「エリスって女神だが……」

 

『エリス!?この世界でちょっと国教として崇拝されてるからって、調子こいてお金の位にまでなった、上げ底エリス!?ちょっとナガト、あんた何かスティールみたいな術持ってるでしょ?エリスがそれ以上ゴタゴタ言うのなら、それであいつの胸パッド取り上げてやり』

 

「わ、分かりました!特例で!特例でやりますから!あと、長門さんはそんなことしません!!」

 

アクアの喚き声を遮ると、エリスは顔を赤らめて指をパチンと鳴らした。

それを合図に、俺の前に白い門が現れる。

因みに、俺はスティールのような物を取り上げる術は持ってはいない。

 

「さあ、これで現世と繋がりました……全く、こんな事は普通はないんですよ?本来なら、魔法で生き返るのは王様だろうがどんな人だろうが一回までですから」

 

「い、色々とすまなかったな。アクアからは俺が何とか言っておくよ」

 

「……あの、長門さん」

 

エリスは真剣な表情……ではなく、僅かに顔を赤らめながら俺に話しかける。

 

「長門さんは、えっと、その……む、胸パッドを取り上げたりするような如何わしいこと、しませんよね?」

 

「……良く分からないが、少なくとも俺にとって無意味なことはしないつもりだ」

 

「……良かった」

 

今まで、ずっと哀しげな目をしていたその女神は、やがて悪戯っ子のように片目を瞑り、少しだけ嬉しそうに囁いた。

 

「この事は、内緒ですよ?」

 

「あ、ああ……」

 

俺はエリスの言葉に疑問を浮かべながら、門を押し開けた……。

 

「……あ〜あ、疲れた。でも、長門さんが思っていた以上に優しい人で良かった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識が戻っていく……。

俺は頭の上に気配を感じ、そちらに視線をやる。

 

「…あ、やっと起きた?ったくあの子は、相変わらず頭固いんだから……。あ、冬将軍はあの人に仕留めてもらったから、もういないわ」

 

「ん、そうか。俺達の手助けをしてくれて感謝す……っ!?」

 

俺達を救ってくれた命の恩人に礼をしようと当人の方を向くと、俺は目を見開いた。

 

「ふふ……良い仲間を持ったわね、長門」

 

「小南……なのか?」

 

「ナガト、誰ですかその人。妙にナガトのことを知り尽くしてるみたいな発言に聞こえるんですけど」

 

めぐみんが口を尖らせながら俺に問いかける。

……何故怒っているんだ?

 

「かつての親友の小南だ。まさか、お前もこの世界に来ていたなんて……!」

 

命の恩人というのは、生前の親友である小南だったのだ。

親友の再会に、俺は喜びを隠しきれなかった。

 

「にしても、やはり知り合いだったのか。何故長門殿の名前知ってるんだろうと思っていたんだが……長門殿のこんな表情、初めてかもしれないな」

 

「……おいめぐみん、何でそんな機嫌悪いんだよ」

 

「べっつにー?まあ、ナガトの知り合いならそれで良いんですが」

 

「ははーん。お前、ナガトに異性の知り合いがいることに嫉妬してるんだなぁ?まあ、そういうお年頃だもんなー」

 

「……おい、その言葉もう一度言ってみろ」

 

後ろでカズマとめぐみんが喧嘩しているが……。まあ自然に治まるだろう。

とにかく、この世界の冬は、食料に乏しい過酷な環境の中、それでも生き抜こうとするモンスター達にのみ、活動が許される季節。

以前よりもクエストは簡単にはこなせないという事だ。

取り敢えず、今日はこのまま街に帰って、ゆっくりと話でもするか……。

 

「……あっ」

 

「どうした小南?」

 

「クリス置いてきてしまったわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ、寒いぃぃぃ……ったく、何で分身なんて使って逃げるかなぁ……!何処行ったのーーーー!?コーーーーナーーーーンーーーー!!!」

 

 




いかがだったでしょうか?
ついに小南と再会出来たので、長門の周りがどんどん賑やかになっていきますね!
書き終える前に一度読み直しをするのですが、この作品のエリス可愛くないですか?(原作も可愛いけど)
何で長門にエロいことしないか聞いてきたんだろう…(笑)

次回に関しては屋敷回か、その前にオリ回を入れるか検討中です。
よろしければ感想・評価・お気に入り等よろしくお願いします!

それでは!

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