この素晴らしい世界に輪廻眼を!   作:イタチ丸

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果たして続きを待ってくれた方はいるんだろうか…。
1人でも待機してくれる方がいることを祈って、再開したいと思います。
ちなみに、再開する理由は謎にモチベが上がったから。


第13話 魔道具店の訪問

俺は小南と共に、ある所でくつろいでいた。

パーティメンバーには「少し用事を済ませてくる」と適当に伝えてしまったが…あいつらのことだ、特に何も起こらないだろう。多分。

 

「まさかお二人がご友人だったなんて…」

 

ある所というのは小さな、マジックアイテムを扱う魔道具店。

そこでくつろぐ俺達に茶を出したのは店主、リッチーのウィズ。

客に茶を出す魔道具店なんてどこにあるんだと突っ込みたいところだが、道具目当てでなく、ただウィズと3人で会話するために来た俺達も人の事言えないので黙っておく。

 

「まあな、流石の俺も驚きを隠せなかったよ。それより、小南はウィズと知り合いなのか?」

 

「ダンジョンに行きたがるクリスの目を盗んで良くここに来てる。正直、ギルドに来てからほとんどダンジョン攻略だから飽き飽きしてるの…」

 

まあ、彼女は盗賊だからな。ダンジョンに埋まってる宝物を余計に求めているんだろう。互いの気持ちも分からなくもない。

 

「ーー俺達も俺達でパーティのバランスが悪すぎるからな、悪い部分に偏り過ぎている」

 

特に問題としては、安定した火力。

一発の火力であるなら、めぐみんで十分だ。

めぐみんの最大瞬間火力においては他のウィザードの追随を許さないが、とにもかくにも一発のみだ。

カズマも初めて会った時よりかは剣の使い方が様になってきたが、スキル不足や最弱職の冒険者であることを考えると、目標に到達するには少しばかり時間がかかるのかもしれない。

となると、俺が皆をサポートしていかなければならない。

…自来也先生のように稽古をつけるのもありだろうか?

 

「(こんな真面目で強そうなお二人でも、不満の一つはあるんですねぇ…)」

 

その時、ドアについている小さな鐘が、カランカランと涼しげな音を立てた。

 

「いらっしゃ……ああっ!?」

 

入店の挨拶を告げようとするが、何か危険を感じたかのような突拍子もない声を出していた。

 

「あああっ!?出たわねこのクソアンデット!あんた、こんなところで店なんて出してたの!?女神であるこの私が馬小屋で寝泊まりしてるってのに、あんたはお店の経営者ってわけ!?リッチーのくせに生意気よ!こんな店、神の名の下に燃やしていだいっ!?」

 

店に入るなり、いきなり俺の注意を忘れて暴れだした自称女神と、その頭を、タガーの柄で軽く殴る少年の姿があった。

どうにも見覚えがある、というより見覚えしかなかった。

 

「ようウィズ、久しぶり。約束通り来たぞ…ってあれ、長門こんな所にいたのか。それに小南さんも」

 

「ああ、少しここでくつろいでいた。それより、カズマはどうしてここに?」

 

「前にウィズとリッチーのスキルを教えてくれるって約束してて、スキルポイントに余裕が出来たからさ。せっかくだから教えてもらおうかなって」

 

「はああああ!?!?」

 

カズマの言葉に何故かアクアが怒りを露わにしていた。

 

「ちょっと、何考えてんのよカズマっ!リッチーのスキル?リッチーのスキルですって!?以前この女に名刺貰ってた時、一体何を話してるんだろうって思ったら!リッチーの持つスキルなんてろくでもない物ばっかりよ!そんな物覚えるなんてとんでもないわ!いい?リッチーってのはね、薄暗くてジメジメしたところが大好きな、いってみればなめくじの親戚みたいな連中なの」

 

「うぅ…小南さ〜ん!この人酷いです〜!!」

 

「はぁ…」

 

アクアのあんまりな決めつけにウィズが涙ぐみ、それを小南が呆れ気味に頭を撫でて慰めている。

 

「いや、なめくじの親戚でも従兄弟でもいいんだけどさ。リッチーのスキルなんて普通は覚えられないだろ?そんなスキルを覚えられたら結構な戦力になるんじゃないかと思ってな?お前だって、長門がいなかったらどうにもならない事ぐらいは分かるだろ?」

 

 

「むう…。女神としては、私の従者がリッチーのスキルなんて覚えることを見過ごす訳にはいかない所なんですけど…」

 

俺の言葉に、アクアがぶつぶつ言いながらも渋々と引き下がる。

そのアクアの呟きを聞き、ウィズが不安そうな顔で恐る恐る尋ねてきた。

 

「『女神としては』…?その、以前私を簡単にターンアンデットで消し去りかけたりしたのは…。ひょっとして、本物の女神様だったりするんですか?」

 

…ヤバイな。

 

流石にリッチーにもなれば、アクアが本物の女神だと分かるのか。

俺の方は未だに、アクアが女神だって事に疑問を持っているのだが。

 

「まあね。あなたはよそに言い触らしたりはしないでしょうから言っておくけど。私はアクア。そう、アクシズ教団で崇められている女神、アクアよ。控えなさいリッチー!」

 

「ヒイッ!?」

 

ウィズがこれ以上に無いぐらい怯えた顔で小南が座っている椅子にしがみついた。

リッチーにとって、やはり神って存在は天敵に出くわしたようなものなのだろうか。

 

「…ねえ長門。その子って本当に女神なの?」

 

「俺も疑っているのだが、彼女の怯えようからしてそうかもしれない…多分」

 

「まあでもウィズ、そんな怯えなくてもいいぞ。アンデットと女神なんて水と油みたいな関係なんだろうけどもさ」

 

そうカズマが宥めるが、当人は

 

「い、いえその…。アクシズ教団の人は頭のおかしい人が多く、関わり合いにならない方がいいというのが世間の常識なので、アクシズ教団の元締めの女神様と聞いて…」

 

「何ですってぇっ!?」

 

「ごごごご、ごめんなさいっ!」

 

「「「(話が進まない…)」」」

 

猛るアクアを引き剥がし、小南に相手してもらえと追い払うと、アクアは素直に対面になるように座り、小南の紙手裏剣を使った手品を興味津々に見ていた。

 

「そう言えば、私、最近知ったのですが。カズマさん達があのベルディアさんを倒されたそうで。あの方は幹部の中でも剣の腕に関しては相当なものだったはずなのですが、スゴイですねえ」

 

「いや、あれはほとんど長門が……ってあれ?あのベルディアさんって、なんかベルディアを知ってたみたいな口ぶりだな。あれか?同じアンデット仲間だから繋がりでもあったのか?」

 

俺のそんな疑問に、ウィズが世間話でもする様な気軽さで。

 

「ああ、言ってませんでしたっけ。私、魔王軍の幹部の一人ですから」

 

にこにこしながら、そんな事を。

………。

 

「確保ーっ!!」

 

小南の手品を見ていたアクアが、ウィズに向かって襲いかかった!

 

「待ってーっ!アクア様、お願いします、話を聞いてください!」

 

取り押さえられたウィズが、アクアにのしかかられたまま悲鳴を上げる。

アクアが、いい仕事をしたとばかりに頬の汗を拭い、

 

「やったわねカズマ、ナガト!これで借金なんてチャラよチャラ!それどころかお釣りがくるわ!宿を借りるどころか家だって買えちゃうわよ!」

 

嬉々とした表情でそんな事を言ってきた。

 

「…小南は知っていたのか?」

 

「勿論、聞いていたわ。でも、彼女はただ魔王城を守る結界の維持のために頼まれただけらしいの。ねえ、ウィズ?」

 

「そ、そうなんです!だから、勿論今まで人に危害を加えたことはないですし、幹部って言っても、なんちゃって幹部ですから!そもそも賞金も掛かっていませんからぁ!!」

 

小南とウィズの言葉に、カズマとアクアは顔を見合わせていた。

 

「…良く分かんないけど、念のために退治しておくわね」

 

「待ってくださいアクア様ーっ!!」

 

アクアに取り押さえられながら喚くウィズ。

俺は魔法の詠唱を始めたアクアに、まあ待てと手を突き出し。

 

「えっと、何だ?つまりゲームとかによくある、幹部を全部倒すと魔王の城への道が開けるとか。そんな感じか?で、ウィズは、その結界とやらの維持だけ請け負ってると」

 

「げーむとやらは知りませんが、そういう事です!魔王さんに頼まれたんです、人里でお店を経営しながらのんびり暮らすのは止めないから、幹部として結界の維持だけ頼めないかって!魔王の幹部が人里でお店やってるなんて思わないだろうから、人間に倒されないだけでも十分助かるって!」

 

「つまり、あんたが生きてるだけで人類は魔王城に攻め込めないし、私達には十分迷惑って事ね。カズマ、ナガト、コナン、退治しときましょう」

 

アクアの言葉にウィズが泣き出す。

 

「待って!待ってください、アクア様の力なら幹部の二、三人ぐらいで維持する結界なら破れるはずです!魔王の幹部は元々八人。私を倒したところで、後六人も幹部がいたなら流石のアクア様でも結界破りはできません、魔王城に攻め込むには、私を浄化したとしても、どのみちまだまだ幹部を倒さないといけませんし!せめて、アクア様が結界を破れる程度に幹部が減るまで、生かしておいてください…!私にはまだやるべき事があるんです…」

 

取り押さえられたまま泣き出すウィズに、流石のアクアも微妙な表情を浮かべ、チラチラとカズマを伺う。

 

「…俺に決めろってのか。ええっと、まあ、俺は良いと思うんだが、長門は?」

 

「俺も同意見だ。どのみち、今ウィズを浄化したって、その結界とやらがどうにかなる訳でもないんだろう?それに、本来なら幹部全員を倒さないと結界とやらは解けないはずが、アクアがいれば、幹部を全員倒さなくても結界が破れるなら、ウィズ以外の幹部が誰かに倒されるまで、気長に待った方がいい。どうにも危害を加えるような奴には見えないからな」

 

「でも、良いの?その幹部は一応ウィズの知り合いなんでしょう?特に恨みとかは無いの?」

 

小南の疑問にウィズがちょっとだけ悩み、

 

「…ベルディアさんとは、特に仲が良かったとか、そんな事も無かったですからね…。私が歩いていると、よく足元に自分の首を転がしてきて、スカートの中を覗こうとする人でした。幹部の中で私と仲の良かった方は一人しかいませんし、その方は…、まあ簡単に死ぬような方でも無いですから。…それに」

 

そう言った後、ウィズは。

 

「私は今でも、心だけは人間のつもりですしね」

 

と、ちょっとだけ寂しげに笑った。

 

「(この子……)」

 

対して小南は、そんなウィズの姿に何か思いついたかのように優しく微笑んでいた。




如何でしたでしょうか?
原作だとこれより前にダンジョン探索だったりカズマが別パーティでクエストに行ったりする話があるのですが、特に重要性ないからいいかなと思って省きました。

前書きで言った通り、このすばの映画が公開されてからモチベが急に上がったもので(まだ見てない)、他の作品でも何度も言っちゃってるんですが、更新頻度を1秒でも上げていこうと努力しますんで、ぜひ応援のほど宜しくお願いします!

それではまた次回!

9/2 感想欄にて第5話と全く同じ描写を使ってしまったため、修正致しました。ご迷惑をおかけしました。
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