奴を完全に倒しきった後、
俺たちは鎮守府に帰還した、
帰還した後は皆は宴のムードだった、
そうだな、
あんな化け物を倒した後だ、
多少は羽目を外しても大丈夫だろう、
俺はAW50を整備しつつ海を眺めていた、
時折セバスチャンやジル、
スティーブやロドリゴが来て食べ物を置いていく、
口に入れるたびにその美味しさが口の中に広がる、
流石間宮と伊良子だな、
その2人は現在フル稼働で働いている、
円香は料理の配膳で走っている、
そうして今日という日が終わった、
翌日、
俺は演習場に来ていた、
昨日の戦いでわかった事、
老いには勝てないことだ、
格闘の威力が落ちていた、
俺も今は44だ、
奴との戦いは10年以上前だ、
全盛期はとうに過ぎた、
三島平八(PXZ)のように若返りの薬でもない限り全盛期には戻れない、
タバコも余程のことがない限り吸わない、
酒もあまり飲まない、
それでも今から体力が落ちていく、
そんな俺が以前倒した敵にも遅れを取りかける、
いかんな、
俺は銃を地面に下ろしてまずは走り出す、
最低限の事はやらないといけない、
出来る限り維持できるように、
次はシャドウボクシングといこうか、
以前長門に目を瞑るなと言われたな、
俺は目の前にノーマンがいると仮定して格闘を行う、
攻撃を避ける、
それに合わせて殴りアッパーを行う、
だが俺のイメージだ、
俺の都合のいいように動く、
これでは訓練にならんな、
そう思っていると、
「またここで訓練をしているのか、」
長門の声だ、
俺は振り返ると、
クリス「・・・長門だよな、」
長門「そうだがどうした?」
クリス「服が変わっている、」
長門「あぁこれか、改二という改修されたんだ、」
クリス「改二?」
聞いたことのない言葉だ、
長門「簡単に言うと進化だな、先日の戦いで熟練度が上がり遂に近代化改修できたわけだ、能力も前の私と違い格段に強くなっている筈だ、」
クリス「そうなのか、だがそれでなぜ服装が変わる?」
長門「それは分からん、それに他にも髪色が少し変わったり肌の色が変わる奴もいる、服装くらいで驚いていたらきりが無いぞ、」
艦娘に関して新しい事がわかった、
長門「クリスは訓練か?」
クリス「そうだ、昨日の戦いで自分が全盛期よりも弱くなっている事がわかったからだ、」
長門「老いだな、我々艦娘にはあまり縁のない事だが、」
クリス「らしいな、ノーマンは10年前に倒した相手だ、だが遅れをとった、力も弱くなったとわかった、改めて歳を取ったとわかったんだ、」
長門「辛いな、一度倒した敵に苦戦することは、」
クリス「だがそんな事は言ってられない、今後B.O.Wは手強くなっていく、老いを理由に戦えなくなってはいけない、」
長門「偉いな、私は老いが来ない身だ、クリスの悩みは分からない、だがお前はそれでも戦おうとしている、私は偉いと思う、」
俺は思わず笑う、
クリス「悪くないな、こうやって励まされるのは、」
こうやって励まされるのはいつぶりだ?
今までは俺が励ます側だった、
新鮮だな、
クリス「長門、すまないが俺と格闘戦のみの模擬戦をしてくれないか?」
長門「いいだろう、この前はうやむやになっていたがこれで決着をつけよう、進化したビッグ7の力をその身に叩き込んでやる、」
なんだビッグ7って、
長門「艦装を取ってくる、クリスも取ってくるんだ、」
長門がそう言って出て行った、
俺も明石の所から艦装を取りに行った、
遅れた、
明石が長門と戦うと知って興味を持ち出した、
幸い今回は純粋な格闘戦、
銃砲撃戦はない事伝えるも見ておきたいと言われる、
その為遅れた、
艦装を履き海に立つ俺、
長門はすでに腕を組みながら立っていた、
腰には砲撃用の砲台が付いている、
長門「弾は抜いてある、それに艦装は私の体の一部のようなものだ、気にせず来るんだ、」
クリス「後で動きにくいと言うなよ、」
明石「2人とも、準備はいいかな?」
明石の言葉に俺は定位置に着いた、
明石「合図は私がするね、レディー、」
互いに睨み合う俺と長門、
明石「ファイトッ!」
明石の言葉に俺が動き出す、
長門に駆け寄る、
長門は腕を組んだまま動かない、
カウンター狙いか?
俺は長門に向かってストレートを放つ、
長門はその時動いた、
体を少し横にずらしてストレートを避けて俺の腹部に蹴りをする、
もろに喰らった俺はよろめく、
力が強くなっている、
これが近代化改修か、
だが負けられない、
俺は長門に近寄りアッパーを行う、
長門はそれをやすやすと受け止める、
だが俺は長門に蹴りを行う、
それも止められる、
長門は腕を思いっきり上に上げて俺を放り投げる、
俺はバランスを整えて着水する、
長門が動き出した、
俺に向かって殴りかかって来る、
その鋭さは目より鋭い、
俺はそれを避けて長門の腹部に殴りかかる、
長門は俺の拳を受けても平然としている、
装甲というやつも強化されたのか?
長門の膝が俺に向かって来る、
俺はそれを避けて殴りかかる、
長門は蹴りを俺に向ける、
俺の拳が蹴りにより阻まれる、
更に長門は俺に向けて回し蹴りを行う、
俺は脇腹に当たり吹き飛ぶ、
俺の格闘技とジルやシェバの格闘技を加えたような攻撃、
強い力と柔軟性を合わせた技、
俺は再び駆け寄る、
長門の蹴りが俺の顔に来る、
俺はそれを受け止めて強く掴む、
そして俺自身を軸に長門を回して投げる、
長門はバランスを整えて着水する、
俺は近寄る、
長門の顔にジャブをする、
長門はそれを顔に受けるも平然としている、
俺は次にアッパーを顎に向ける、
長門はそれを食らうも平然としている、
俺は長門の顔に何度もストレートを食らわす、
長門は平然としている、
長門が俺のストレートを掴み逆に顔に殴られ返される、
俺は後方に文字通り吹き飛ぶ、
何度も海の上で跳ねて転がる、
まさかここまで力の差があるのか、
俺は立ち上がる、
どうしたものか、
全く効かないとなるときついな、
ウェスカーとは違うもそれと同等の強さだ、
俺は長門に駆け寄り殴る、
長門はそれを受け止める、
だが俺は長門の手を掴み長門も俺の手を掴む、
そして長門が腰の艦装で俺を殴ってきた、
まさかそこでこいつが来るのか、
俺はバランスを崩してしまい手を離す、
長門は手をしっかりと握り自分を軸に俺を回し始める、
そして手が離されて俺は吹き飛ぶ、
俺が行なった時より遠くに飛ばされる、
俺は海の上を転がり立ち上がる、
俺は再び長門に向かう、
長門は俺に向かって来る、
速い、
あの時より速い、
長門が殴りにかかる、
俺はそれを避けて長門の腹部にストレートを放つ、
初めて長門の苦痛の顔を見た、
威力が高いと流石に痛みが来るか、
長門は蹴りをしてくる、
その蹴りは俺の腹部に直撃する、
かなりくるな、
俺は腹部を抑えてしまう、
長門は回し蹴りをしてくる、
俺が身を低くして避けた後長門に向けてアッパーを行う、
長門の腹部にアッパーが当たり長門はよろめく、
カウンター狙いだと気づかれてしまう、
俺は長門に向かい蹴りを行う、
だが場所は足に、
長門はバランスを崩す、
俺はバランスを崩した長門に向けてストレートを放つ、
長門の顔に当たるもやはり平気な顔をされる、
長門は俺に向けてジャブをする、
俺はそれを受け止めるも反動が強く腕を痛める、
長門は更に蹴りをしてくる、
俺はそれを後退して避ける、
だが長門はすぐに俺との間合いを詰めて俺の顔にストレートを放つ、
俺はそれをくらい倒れる、
俺は起き上がろうとするだが力が入らない、
長門「すごいな、力が増した私の拳を喰らっても立ち上がろうとしている、だが勝負は見えているはずだ、まさかカウンターの威力がこれほどとは思わなかったがそれ以外は以前のようにはいかないだろう、」
長門の言うことはわかる、
向こうは力が数段上がっている、
それに比べて俺は何も変わっていない、
だが、
俺はふらつきながら立ち上がる、
クリス「それでも俺は諦めない、俺は死ぬかこの世からウィルスや寄生虫やらカビが消えるまで何度でも立ち上がる、そう決めた、」
B.S.A.Aを立ち上げたのは何のためだ、
生物兵器でテロを起こす奴らと戦うため、
長門「そう来ないとな、行くぞクリス!」
長門が来る、
俺は足をしっかりと海につけて長門を見る、
長門が殴って来る、
俺はそれを避けて長門の顔にストレートをする、
長門はそれをくらい後方によろめく、
俺は更に攻める、
長門も体制と整えて殴りかかって来る、
長門は俺の拳を食らうも俺に攻撃して来る、
顔や胸、
腹を殴り殴られる、
何度も何度も、
何度か意識を失いかけるも気合いで意識を取り戻す、
鼻から出る血が海に落ちて溶ける、
そして、
俺は倒れた、
長門に向かって、
長門が俺を受け止めた、
長門「勝負は決まったな、」
上から長門に声が聞こえる、
クリス「あぁ、俺の完敗だ、」
紛れもなく俺の負けだ、
もう立つことも出来ない、
長門「こんな風になるまでよく戦った、進化した私に喰らい付いた、私に苦痛を与えた、お前が最初で最期だ、誇りを持て、お前は今後厄介なB.O.Wと戦って行く、ここでの敗北を糧にして前に進むがいい、だが私以外で負けることは許さん、クリス、今後お前は私以外に負けるな、必ず勝ち続けろ、」
長門は俺の肩に手を回して俺の手を肩に回した、
長門「明石、医務室の準備だ、念にために精密検査もしてくれ、」
明石「わかったわ、」
明石の声を最後に俺は意識を失った、
目を覚ますと真っ白な天井が目に入る、
「目が覚めたようだな、」
声がした、
俺は声のした方向を見ると長門がいた、
長門「大した回復力だな、さすが隊長と呼ばれている男だ、」
クリス「ここは医務室か?」
長門「そうだ、気絶したのは覚えているな、」
クリス「あぁ、どれくらい時間が経った?」
長門「もうそろそろ夕食の時間だ、それと明石からだが骨や臓器に異常は無いが打撲痕が目立つから今日一日絶対安静だと言っていた、」
あれで骨に異常はないのか、
俺の体も化け物じみてきたな、
長門「ジルやセバスチャンが見舞いに来ていた、後で礼を言っておくんだ、」
クリス「わかった、今日はありがとうな、」
長門「私もいい経験をした、人と艦娘、力の差があろうともあれだけいい戦いが出来た、それに砲撃を放つだけが戦いではない、その事がよくわかった、」
長門が扉の前に移動して、
長門「私はもう行こう、明石も呼んでくる、それまで安静にしておくんだ、それに皆に起きたこと伝えて来る、」
そう言って長門は出て行った、
この後みんなから心配したの声が上がるだろう、
だがそれも悪くない、
そう思っていると入り口が騒がしくなった、
やれやれ、
俺は笑ってしまった、
次でやっと出発できるかも、