車を運転して数時間、
右窓から見えるのは海、
海、
海、
そして助手席にはセバスチャン、
後ろにはジルとリリーとプリンツ、
初めは海を見てはしゃいでいたリリーも今はプリンツの膝枕で寝ている、
ジル「長いわね、」
プリンツ「そうですね、かれこれ2時間ほど走っています、」
ジル「クリス、何か音楽かけて、」
クリス「わかった、」
そう言って俺はオーディオに手を伸ばした、
CDとカセットか、
俺はCDの再生ボタンを押した、
ラララララカチャ、
後方からジルの手が伸びて曲が止められた、
ジル「却下よ、何か嫌な予感がしたわ、」
セバスチャン「その根拠は?」
ジル「女の勘よ、」
勘で止められる音楽、
クリス「ジルは何かCD持ってないのか?」
ジル「2枚あるわよ、」
そう言って俺に渡してくる、
俺はその内の一枚を入れる、
タララタララタララタララタッタタータタタター、
ん?
なんだ、
この白い柔道着を着た厳ついアイツが出てきそうな曲は、
遊びの道に魂込めたひとりの男が今日も行く、
やはりか!
せがた三四郎(PXZ2)か!
ジル「結婚式の帰り際にせがたが俺の魂のこもった一曲だって言って私に渡してきたのよ、」
せがた三四郎、
せがた三四郎、
なんだ、
脳裏にせがた三四郎がドアップになっていってくるんだが、
セガサターンシロ!
俺は無言でCDを止めた、
何故だか止めたくなった、
このまま聞いていたらせがた三四郎がいつのまにか来そうな気がした、
セバスチャン「ジル、このCD後でくれないか?」
ジル「いいわよ、職場でこれは聞けないもの、」
聞くなよ、
絶対に聞くなよ、
俺は他人のふりしているからな、
それとセバスチャン、
その曲気に入ったのか?
リリーの前で聴いたら引かれるぞ、
プリンツも若干引いている、
入れはせがた三四郎のCDを出してセバスチャンに渡して俺はもう一枚のCDを入れる、
これは激帝か、
切り裂いた闇が吠え、震える帝都に、
プリンツ「何かやる気が出る歌ですね、」
そうだな、
自衛隊のパレードでこの曲が使われる事が多々あったからな、
走れ!光速の!帝国華撃団!
唸れ!衝撃の!帝国華撃団!
これなら行けるな、
だがリリーを起こさないだろうか、
リリー「せがたーさんしろー、」
プリンツ「・・・」
バックミラー越しだがプリンツが苦笑いしているぞ、
それはないだろリリー、
寝ているはずだが、
気まずい雰囲気の中俺は車を走らせた、
それから何時間も経ったのか、
激帝Ⅱ、
御旗のもとに、
激帝〜最終章〜、
地上の戦士、
それらを聴きながら走っていた、
セバスチャンが激帝の鼻歌を歌うまでそれを聴き続けた、
そして着いた、
クリス「ここだな、」
セバスチャン「間違いないと思うが、」
俺は窓越しで鎮守府を見る、
外装はスティーブの所と同じだ、
それに、
窓から覗く視線がある、
現在だいたい15時過ぎ、
できれば戦いたくないが、
クリス「様子を見られている、馬鹿正直に入ると確実に砲撃が来る、」
ジル「それなら裏から入ろうかしら、」
クリス「裏口もきっと何か仕掛けがある可能性がある、ここは向こうの思惑通りに馬鹿正直に入ろうか、」
セバスチャン「何か作戦があるのか?」
クリス「ない、向こうが撃ってきたらこちらも撃つ、幸いスティーブの所の明石がゴム弾を作ってくれた、ハンドガンで応戦するんだ、」
俺は懐からゴム弾のマガジンを6つ取り出す、
セバスチャン「乗る気はしないんだが、暴力から解放されたのにこう暴徒を鎮圧するような真似をするなんて、」
クリス「向こうが撃ってこなければ使わないで済む、話し合いの余地があればいいが、」
ジル「かわいそうだけどこのままではこの鎮守府の艦娘の評判が悪くなるわ、そしてスティーブにその事が耳に入ればなんらかの処分が下される、」
クリス「そうなる前に鎮圧して話し合いの場を設ける、最低限のそうしないといけない、」
セバスチャン「わかった、やろう、」
セバスチャンはマガジンを2つ取りサプレッサー付きハンドガンに装填する、
ジル「出てくるのは戦艦の子と空母の子よね、」
クリス「おそらくだが、霧島は俺に任せてくれないか、アイツに格闘戦を挑んで倒す、」
ジル「わかったわ、大怪我だけは避けてよね、」
ジルはマガジンを2つ取りグロッグに装填する、
俺もサムライエッジに装填する、
セバスチャン「リリー、ここでプリンツと一緒にいてくれ、」
リリー「私も行く!私だけ残るのやだ!」
プリンツ「セバスチャンさん、リリーさんは前の戦いの時にずっと心配していました、パパが怪我していないか、パパが迷子になっていないか、パパが無茶していないかって、」
迷子はないだろう、
プリンツ「今回はリリーさんを連れて行ってくれませんか?もちろん私はリリーさんを守ります、」
セバスチャンは悩み、
そして、
セバスチャン「わかった、ただし俺らの後ろにいること、それが条件だ、」
リリー「うん!」
セバスチャン「プリンツ、リリーを頼んだ、危ないと思ったらリリーを連れて逃げてくれ、」
プリンツ「わかりました、」
俺たちは車を降りる、
俺が先頭に立ち後ろにジル、
セバスチャン、
プリンツ、
リリーの順に並んでいる、
クリス「扉を開ける、扉の左右に立ってくれ、砲撃がいきなり来てもいいようにしたい、」
俺の言葉に頷き左右に分かれる、
俺は扉を少し押して開ける、
その時、
ドーン
扉が爆発音とともの吹き飛ぶ、
クリス「move!」
俺が先に入り撃つ、
「がっ!?」
誰かが倒れた、
長門ようだ、
どうやら脳天にあたり気絶したようだ、
リリー「パパ!あっち!」
リリーがセバスチャンを呼ぶ声が聞こえた、
セバスチャンはそっちを見ると艦載機が飛んでくる、
セバスチャンはそれを撃ち墜とそうとしたが、
リリー「しんくーはどーけーん!」
まさかのリリーが波動拳を出して艦載機を落とす、
セバスチャンは驚きながらも艦載機が飛んで来た方向に向けて撃つ、
「ギャァ!」
誰かが倒れた、
だが後だ、
俺は長門が倒れた方向を見ると、
誰かが物陰に隠れたのを確認した、
クリス「ジル!俺は奥に行く!セバスチャン達を頼んだ!」
ジル「了解!私達はこっちを見に行くわ!制圧でき次第ここで合流!」
俺は前に進んだ、
曲がり角、
そこで出てくる女性、
至近距離のため殴りかかる女性、
俺はそれを受け止める、
力は長門ほどではないが一般女性より強い、
俺は女性の顔をチラリと確認する、
霧島の特徴は眼鏡をかけている、
頭脳派に見えるが武闘派でもある、
その女性は眼鏡をかけている、
霧島確定、
俺は霧島にフックをする、
霧島はそれを避けて再び殴りかかってくる、
俺は受け止めて殴り返す、
霧島の顔に命中してよろける、
霧島「このっ!」
霧島が艦装を構えるが、
接近戦の時に下手に銃撃戦をすると負ける、
俺は霧島に近づいてアッパーを行う、
霧島は顔が上に向く、
俺は更にリバースナックルを行う、
霧島は吹き飛び気絶する、
制圧完了、
向こうから銃撃が聞こえない、
向こうも終わったようだ、
俺は霧島を抱えて戻る、
戻るとジルが小さい子を抱えていてセバスチャンが袴を着た女性を背負っている、
プリンツも誰かを抱えている、
ジル「終わったようね、」
クリス「あぁ、後は大淀を探して事情を説明する予定だ、」
セバスチャン「できればこの状態で先頭はしたくないな、」
「戦闘の心配はありません、」
突然声がした、
俺の向かって行った道から女性が2人歩いて来た、
クリス「大淀か?」
大淀「はい、それと護衛として神通さんもいます、」
横にいた女性神通がお辞儀をする、
大淀「すいませんでした、」
大淀が突然頭を下げる、
大淀「今日新しい提督が来ることは聞いていました、ですがここにいるみんなにそれを伝えてもいい顔しないと思い黙っていました、ですが長門さんがそれを見たようでこのようなことになりました、」
クリス「頭をあげてくれ、それくらいは気にしない、事前にこうなるかもと言われていたからな、」
大淀「そう言ってくれるとありがたいです、元師様の手紙では艦娘と素手で殴り合えると書かれていましたが長門さんはそれを読まなかったんだと思います、」
頭をあげる大淀、
ジル「話の途中で申し訳ないけどそろそろ移動してもいいかしら、この子達をどこかで休ませたいんだけど、」
大淀「でしたら執務室に行きましょう、そこでベットやソファがあります、」
クリス「助かる、」
そう言えばセバスチャンがさっきから話してないな、
クリス「セバスチャン、どうした、さっきから黙っていて、」
セバスチャン「クリス、さっきから話しているのは日本語か?」
クリス「そうだ、」
セバスチャン「俺とリリーは日本語を話せないんだが、」
盲点だった、
俺とジルは日本にいたことがあるから日本語はマスターしたが2人は日本とは無縁な生活をしていたな、
クリス「プリンツ、すまないが2人が日本語を覚えるまで通訳を頼む、」
プリンツ「わかりました、」
これでひとまず安心か、
クリス「セバスチャン、リリー、日常会話できるくらいは日本語を覚えてくれ、出撃の命令とか難しい言葉は俺とジルがしておく、」
セバスチャン「な、なんとかしよう、」
リリー「頑張る!」
なぜか不安だ、
クリス「大淀、すまない、案内をしてくれ、」
大淀「わかりました、」
そうして俺らは執務室に向かった、