吉良吉影は潮流へ 〜Another One Bites the Past(過去に食らいつけ)〜   作:Mr.アップルパイ

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17.再会

「面会は終わりましたか?」

 

「……」

 

看護婦がスーツを着た男に問いかけるが、彼はそれを無視して病院を出る。

その足取りは妙に軽い。

また、表情もまるで宿題が終わった後の学生のようにすっきりとしている。

 

(ジョセフ・ジョースターが私の時代で生きているということは、元々の歴史ではヤツは柱の男達とやらを倒しているはずだ……

少し干渉してしまったが、今私がいなくなったって歴史が変わる訳でもないだろう………………おっと、考え事をしていたら道を間違えていたな……この通りを右だな)

 

吉良は自分がいなくても問題はないと、自分に言い聞かせた。

それに、仮にジョセフが柱の男達を倒せなくとも、自分に危機が迫れば1人であろうと対処出来る。

東方仗助だって、完全勝利とは言えずとも十分脅威ではなくなった。

あれほどのピンチをくぐりぬけた自分なら、柱の男などという得体の知れない生物も恐らく返り討ちにできるだろう。

 

彼は、本気で、そう思っていた。

 

そんな、普段ならするはずのない短絡的な思考を彼にさせたのは、旅半ばにして波紋を失ったジョセフへの苛立ちか。

或いは、未来へ帰る手段を見つけたというのに実際に帰る方法を思いつかないことへの焦りか。

はたまた、この世界で生きれば今までよりも自由にその性癖(・・)を発揮できるということへの安堵か。

 

いいや、違うだろう。

 

 

(………………妙だ…………。

なんだかさっきから違和感を感じるな………)

 

それは、彼がずっと感じていた違和感。

 

彼は辺りを見渡すが、なんら問題はない。

怪しい人物も、おかしな現象も感じられず、むしろ見慣れすぎていて変に思えてくるくらいだ。

すれ違う人がみなこちらを見るので彼は視線を戻した。

 

(いつも通りの見慣れた風景…………ただの思い過ごしか)

 

そう考えながら自宅のドアノブに手を掛けたところで、彼はやっと異変に気づいた。

 

「いいや、おかしいッ!

今、私はニューヨーク、それも何十年も前にいたはずだッ!

『自宅のドアノブに手をかける』って事自体、ありえないじゃあないか!

見慣れた風景だってあるはずがないッ!」

 

彼は気がつくと自宅の前にいた。

何十年も過ごしてきた町を歩いて、無意識のうちに自宅へ向かっていた。

そして、自宅には当然のように()はいた。

 

「……うちに何か用かね?」

 

「────!」

 

そこに立っていたのは背の低い中年の男。

ほかの人間からすればただの風景であるその男も、吉良にとっては見覚えのある存在であった。

 

「吉良…………吉廣ッ!」

 

「……なんじゃ?わしを知っておるのか……?」

 

 

 

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