吉良吉影は潮流へ 〜Another One Bites the Past(過去に食らいつけ)〜 作:Mr.アップルパイ
「ACT 3 FREEZE!!」
「なぁ!?」
吉良の腕が重力に負け、沈む。
「ぐ、ぐぅ………押すぞ……押してやるッ!」
「ありがとう、康一君。
「ぐべぇっ!?」
承太郎の出したスタンドがまるで時でも止めたかのような速さで────否、止めているのだが───吉良の体を吹き飛ばした。
「ゆ、指がァ………折れッ」
「お前の負けだ、吉良吉影」
「うわああァァァァ」
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「ッ!?」
(夢か………縁起の悪い夢だ。
……ここは?)
吉良が目を覚ましたのはとある車の中。
手足を縄で縛られており、隣にはあの少女、前の座席では二人の男が談笑していた。
「あの女、どれくらいで売れるかなぁ?」
「うへへへ、きっと高いぞ?10万ドルはくだらん」
「マジかよ!ひゃっほー!ところであの男の方は?」
「あー連れて来ちまったけど、あの傷じゃあ強制労働も厳しそうだな…とりあえず応急手当てはしておいたが。
売れなさそうならあの女の拉致はそいつになすりつけちまおうぜ」
「さすが!お前ってやっぱり頭良いなァ!」
常人なら恐怖で狂ってしまいそうな状況だが、吉良は全く動じない。
(ちィ、このカスが………おかげで殺さないといけなくなってしまったじゃないか。
『シアーハートアタック』!!)
彼の分身の左手の甲からなにかがでてくる。
それは青い戦車のような形で、手の甲にはそれと同じ形の型の凹みがある。
……キュルキュル………
髑髏の顔を模したそれは少しずつ距離を詰めて行く。
不快な音を立てながら、熱源に向かって進み続けるのだ。
………キュルキュル………
「おい、なんか変な音しねえか?」
「変な音?いや、それよりも肩が重……うわッ!?」
『コッチヲミロオオオオオッ』
「な、なんだぁぁ!?」
青戦車は男の1人に近づけば近づくほど肥大化し、男の肩に乗った直後、まるで落雷のような爆音を上げながら爆発した。
ズガァァァァァァァン!
運転者のいなくなった車が横転する。
車から放り出された吉良の目の前には、驚き顔の茶髪の男が立っていた。
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「おいおい、なんだ?大丈夫か?ほら、手ェ貸すぜ?」
車から放り出され、満身創痍の吉良に男が手を伸ばす。
「………いいや、結構。(ち、この女を早く始末しなければならないのに、こんな大通りに…)
吉良たちは今、ニューヨークの大通りの真ん中にいるのだった。
そして、突如爆発し横転した車と中から出て来た傷だらけの人間に注目が集まるのも、また至極当然なことと言えただろう。
目立ちたくない吉良にとっては最悪な状況だ。
「結構って事はねーだろうよォ?その体じゃ歩くのも大変そうだ。
俺のばーちゃんが傷の手当てが上手ぇのよ。ほら、まずはウチに来いよ。
そのねーちゃんもついでに手当てしてもらっとくからよ?」
「いや、本当にいいんだ。
構わないでくれないか?私はこれで………」
「失礼だぞーッ!」
「そうだそうだ!ケガ人は黙って好意に甘えろよッ!」
(くそ、野次馬が………行くしかないのか?)
どう見ても吉良が失礼なこの状態に、物音に反応して集まってきた野次馬たちも怒りのボルテージが上がっている様子だ。
仕方ないと吉良が覚悟を決めた時、目の前の男が声を張り上げた。
「おめーら!うるせえんだよーッ!
確かに俺の誘いを断るのはムカつくが、てめえらがどうこう言う筋合いはねーだろッ!
そうやって周りからガヤガヤ言うのは、傲慢ってヤツだぜ〜?」
「うっ、悪い、ジョセフ…いや、ジョジョ………」
男に気圧された野次馬たちが目に見えて勢いをなくす。
おそらく知り合いなのだろう、彼らは揃って茶髪の男のことを「ジョジョ」と呼んだ。
そして、誰も野次を飛ばさなくなったのを確認して、男は再び吉良に問い掛ける。
「一応もう一回聞いとくぜ?
一緒に来るかい?別に悪いふうにはしね〜よ?
まあどうしてもいやだってんなら無理には誘わないけどな」
「(ここまで言われてなお断るってのは不自然か……)……ああ、では世話になるよ。
これからよろしく頼む」
吉良が微笑みながら手を差し出すと男は嬉しそうにその手を握り、ブンブンと振った。
「ああ!よろしく頼むぜ!おっと言い忘れてた!
俺の名はジョセフ・ジョースター!JOJOって呼んでくれよな!」
「私は吉良吉影だ。呼びにくいなら…………そうだな、クイーンとでも呼んでくれ(ジョセフ・ジョースター………どこかで聞いたことある気がするな)」
「クイーン?まあ、分かったぜ。
んじゃ、早速俺の家まで案内してやるよ。
ついてきな」
「ああ、頼む。
………ッッ!?」
問題が解決し、野次馬たちも解散し始めた矢先、吉良にぶつかってきた者がいた。
ここが近代日本であればそう気にすることではない。
しかし、ぶつかった男の身なりを見て、なにか引っかかるものが吉良にあった。
嫌な予感がした吉良がポケットを見ると、そこにあるはずの財布がやはり無いのだった。
(あの財布には日本円とはいえかなりの金額が入っている……この吉良吉影はスリなどに会うほど腑抜けてはいないぞッ。)
「キラークイーンは既にその財布に触れて…」
「あの野郎ッ!ちょっと行ってくらァ!」
ジョセフが勢いよく走り出す。
「スタンドで爆破できるから」と彼を止めるわけにもいかない。
吉良は押しかけていたスイッチから一度手を引かざるを得なかった。
(あいつ、なかなか面倒だな…)
吉良は1度近くのベンチに腰掛けると、そこから動くことなく、ジョセフが駆け込んだ裏路地から出て来るのをただ待っていた。
文字数が少ないのは作者の技量不足です、すみません。
これからも2000〜3000字程度の投稿になると思います。