吉良吉影は潮流へ 〜Another One Bites the Past(過去に食らいつけ)〜 作:Mr.アップルパイ
「な、なぜお前がここに…………」
「今までのあなたの行動、全部見せてもらったわ。
あなたの今までの人生もね」
「ば、馬鹿な…………お前の能力は人の記憶を見る、それだけのはず……
まさか、能力が変化したとでも言うのか………?かつての私のように……」
「いいえ…………
元からこうだったのよ。
こういう能力。『見せる』能力。
そして私は『見る』んじゃあない。『裁く』のよ」
「貴様…………一体何者なんだ?
私の仲間ではないのか?」
「私にも分からないわ。
ただ1つ、知っているのは私の能力だけ。
私のエターナル・シャインの本当の能力は、人の過去を写し出すスタンド。
そして、その人が行ってきた非行の数々をあぶりだし、私がそれを裁く。
あなたの罪悪感に応じて、全ての罪を精算するのよ」
気がつけば、承太郎たちはどこかへ消え、辺りはすっかり、真っ白な空間へと変化している。
「これからあなたには審判が下るわ。
今までの記憶を見るに…………舌1本じゃあ全然足りないくらいのがね」
「ふん、面白い冗談だ。見たところ仏教徒でもないようなのに舌だって?
そんなことを話している暇があるのならさっさとここから出してくれ」
「────どうやら、言っても分からないようね。
エターナル、早く審判を────」
「だから、冗談だと言っているんだ」
吉良がずい、と1歩前に出る。
「私は今までの行為に罪悪感を感じたことなど1度たりともない。
丁度恋人同士が愛し合うように、
吉良は自慢げに語る。
そんな吉良を、ベルは────悲哀の目をして見ていた。
「やっぱりそうなるのね」
「ん?今なんと言った?」
「今回も同じ結果で終わる。私も別に、過去を変えようだなんて思ってはなかったんだけど……」
ベルは不可思議な言葉を残し、吉良に背を向けて────
「ベル、どういうことだ?過去を変える、だって?
全く意味がわからな──」
吉良は確かに、ベルの肩を掴もうとした。
掴んで、質問の答えを聞こうとしたはずだった。
しかし彼の手は空を切るのみで、あるはずの実態はなく、半透明なベルの体だけが、そこにあった。
「クイーン────いいえ、吉良。ベルを────私を、どうか、お願い」
「待て、話はまだ」
バリン、とガラスの割れるような音がして、あたりの空間は元に戻った。
元のニューヨークの街並みに戻っていた。
「くそ、一体何が起きているんだ……?」
「吉良吉影ェェェェェィィィッッッ!!!!
サンタナの脱走から2週間ッッッッッ!!!
ついに貴様を────見つけ出したぞォォォオォォ!!」
そこには、金の髪をした軍服の男────シュトロハイムが立っていた。
「次から次へと…………
これは面倒なことになったな」
「安心しろ、私がすぐに────ドイツが産んだ最新ガトリング砲で、痛みもなく消し炭にしてやろうじゃあないかッッッッッ!!!!」
「いいや、そうじゃない。
面倒なのは君じゃあないんだよ。
君の後ろにいる、
「────む?」
吉良の言葉に、シュトロハイムは正直にも後ろを振り向く。
そこには、立っていた。
──────吉良吉影、かつての因縁の相手が。
「てめェ今、確かに『吉良吉影』って言ったよなぁ?」