吉良吉影は潮流へ 〜Another One Bites the Past(過去に食らいつけ)〜   作:Mr.アップルパイ

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やっと面白い展開になってきました


22.勃発

「いきなり近世のアメリカみてーなところに飛ばされてよぉ、何が何だか分からなかったが……

てめーのその顔と、さっき呼ばれた名前を見てわかった。

とりあえず今、お前をぶん殴らなくちゃいけねーことだけは、即座に理解したぜ───────吉良吉影」

 

リーゼントの頭に、黒い学ラン。

二度と会うはずのなかった2人が、今相見えていた。

 

「なんだ、貴様は?何者かは知らんが、手出しは無用ッ!

俺の手にかかれば、この程度の人間一人────」

 

カシャ、と寸分たがわず揃った音を立てて、シュトロハイム付きの軍人が銃を構える。

 

「消し炭も残らんッッッッッ!!撃てぇぇぇェェェッ!」

 

シュトロハイムが叫び終わるよりも先に、耳をつんざくような銃声があたりを震わせる。

悪魔の咆哮のようなその唸りに、周りにいる一般市民は一瞬で気絶するほどであった。

手持ちの銃とは思えない程の振動に、仗助も思わず後ずさりする。

 

「な、なんだこりゃあ………俺ぁ戦争なんて話でしか聞いたことねえが、本物の銃ってのはみんなこんな威力なのかよ………」

 

「我がドイツの技術は世界一ィィィィィッッッ!!

試作段階ゆえに1度きりしか使えんが、いくら貴様が妙な能力を持っていようと関係なく消し去るこの威力ゥゥゥゥゥゥッ!!

…………む?」

 

『普通の人間』なら、消し炭も残らないはずであった。

いいや、例え数々の危機を乗り越え、その都度狙っているかのように新たな能力を発現する吉良であっても、その圧倒的な鉛弾の奔流には為す術もない、はずであった。

 

 

 

「少佐ッ!サーモグラフィーに反応があります!

これはおそらく─────」

 

「そんなもの見ればわかるッッッ!!このマヌケがッッ!

あの人影…………ヤツめ、どんなカラクリを──」

「ちょっとアンタ、そりゃあ見当違いってやつだぜ」

 

「…………なんだと?」

 

部下に対し突き放すような態度をとるシュトロハイムに、仗助が耐えきれないと言った様子で話しかける。

 

「俺はこれでも視力は左右どっちもAなんだ。だから、しっっかりとこの目で捉えたぜ。

網を。

蜘蛛の巣みてーに、銃弾を獲物のように、絡めとる網をよォ」

 

語気を強めながら、仗助は警告する。

しかし、その顔はどこか不安げながら、何かを願っている様子であった。

 

「蜘蛛の巣……だと?

あいつ────吉良吉影にそんな能力はないはずだ。

考えられるとすればヤツの─────」

 

──────仲間。

 

それは間違いない。

この状況で吉良吉影を守る者など、彼の仲間以外の何物でもない。

だからこそ、仗助は迷っていた。

 

そのスタンドは、彼がかつて目にしたものであるから。

 

 

 

そのスタンドは──────彼の尊敬する者のものだから。

 

 

 

「オイオイ、こんな市街地で銃ぶっぱなすなんて、おめェらちょっと頭のネジぶっ飛んでんじゃあねェのか?」

 

ジョセフ・ジョースター。

 

「やめてくれ…………それじゃあ俺は、杜王町から過去に飛ばされちまったって訳かよ………ッ!」

 

仗助の実の父親。

 

「だけど…………戦うしかねェってことだよな。

あの人が吉良吉影の肩を持つってんならよォ

どうしてもやるしかねぇって言うのなら、俺はやるぜ」

 

仗助が拳を構える。

彼にはもう迷いはない。

目の前の男は敵である。

だから、殺さないまでも戦闘不能にまでは追い込むつもりであった。

 

「そこの学生服…………貴様もヤツらと同じ能力を持っているようだ。

ここは我々も協力させてもらおう」

 

シュトロハイムもまた、手持ちの銃を捨てて(・・・)戦闘準備に入った。

 

彼の背後からは全身を筋肉に覆われた、大きなスタンドが現れた。

全身は黄色と黒で構成され、指先には筒のように穴が空いている。

 

「ここ最近発見された謎の矢と超能力者の研究の成果…………見せてやろう」

 

「ここで君たちと会うことになるとは思わなかったよ

まあ、2人とも私への『リベンジマッチ』を楽しんでくれ」

 

今、様々な感情が入り交じった2vs2が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

事態は3ヶ月ほど前、すなわち吉良が杜王町のスタンド使いたちから逃げ切った日に遡る。

 

「とりあえず今日のところは解散だ。

仗助、お前の傷はSW財団に治療してもらえるよう手配する。

それと、今後の動きだけでも今、手短に決めておきたい」

 

「仗助さん、それなら俺にも1人、アテがいますよ。

パラドックスだとかに詳しそうな『アテ』がよぉ」

 

「あ、もしかしてミキタカくんのことだね?

それなら仗助くんの代わりに僕が連絡を取るよ!」

 

「ありがとう、浩一くん。

それなら、早速で悪いが明日にでもミキタカくんを呼んでくれ」

 

「お、おい、ちょっと待てよ!

そんじゃあよォ、このガキはどーすんだ?

俺の家なら親父しかいねーし、匿うことだってできるぜ?」

 

「いいや、それでは早人君のお母さんが心配するだろう。

それに、ヤツは過去に戻ったはずだ。

今の俺たちに接触してくるとは考えにくい」

 

億泰の提案に、承太郎は冷静に返した。

そこで、話にされている少年、川尻早人はキッパリと返す。

 

「僕は家に帰るよ。あと、アイツを捕まえる方法も自分で調べてみる」

 

「…………お前、本当に強いやつだな」

 

 

こうして、吉良吉影の逃亡成功の日、彼らは解散したのであった。

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