吉良吉影は潮流へ 〜Another One Bites the Past(過去に食らいつけ)〜   作:Mr.アップルパイ

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1000UA突破、ありがとうございます!!

風邪をこじらせてしまって、更新が遅くなった上に文字数も少なくてすみません…


7.紳士のギャンブル その①

フィラデルフィア────アメリカ第二の栄えている街で、毎年7月4日には独立記念パレードが行われることで有名である。

 

そこらに立ち並ぶビルはまさに壮観で、初めて見る者はしばらく空いた口が塞がらないことであろう。

 

一行はその中のとあるレストランで食事をしていた。

 

「やっぱアメリカの飯は美味えぜ〜〜ッ!

なぁ、二人ともそう思うだろ?」

 

「………ああ、そうだな。まあ日本の食事が一番だが」

 

「ていうか、この食事代どっから出してるの?

まさかそのスタンドでスリとかしてないわよね?」

 

ジョセフの問いかけに各々が答える。

 

「し、してねーよ!ただ、ちょいと超能力っぽく見せて見物代貰っただけで………」

 

「………結局そのスタンドを悪用してるように聴こえるんだけど?」

 

「いやー、この料理もうまい!

うちの国とは大違いだぜ!」

 

「ちょっ!無視!?」

 

二人が少し楽しそうに口論をして、それを面倒そうに見ながら食事を取る吉良。

その風景に混ざろうとする、一人の男がいた。

 

「あの………少しお尋ねしてもよろしいですかな?」

 

男は赤髪でハンサムな顔立ちをしている。

そして口と鼻の間にはまるで髭のような彫りが入っていた。

 

「道を教えていただきたいのですが───」

 

「あー、悪りィけど現地人じゃないんだ。

他を当たってくれ…………ん?」

 

ジョセフが男のバッグに目を付ける。

 

「あんた、トランプやってんのか?」

 

「ええ、最近勝ち続けていましてね。

今では僭越ながら貴族を超える財産を手に入れてしまいました」

 

それを聞いてジョセフがニヤリとする。

また悪いことを思いついてしまった、とでも言いたげな顔だ。

 

「じゃああんた、俺とポーカーしねェか?」

 

彼の質問にベルが窘める。

 

「ちょっと、もしかしてまたスタンドでイカサマしようとしてる?」

 

「いいんだよ、どうせ金持ちなんだし。

それにどんなイカサマでも見破るのがプロってものだろ?」

 

二人がひそひそ声で話し合い、そして男に向き直る。

どうやら口論はジョセフが勝ったようだった。

 

「Good!いいでしょう。

急ぎの用事でもありませんし、何度でも相手をして差し上げますよ?」

 

「よし、早速開始だぜ!」

 

ジョセフが食事中の料理をどけ、男に席に座るよう促す。

しかしそれを男は遮った。

 

「WAIT.その前に─────あなたは魂を賭けますか(・・・・・・・・・・・)?」

 

男の奇妙な質問にジョセフとベルが顔を見合わせる。

 

「…………よく分からねえが、俺は魂を賭ける勢いでギャンブルをやるぜ?」

 

「それはYESと受け取って良いかな?」

 

「ああ!俺は魂を賭ける(・・・・・・・)

そういうのいいからさっさとやろーぜ」

 

ジョセフが面倒そうに言う。

 

「賭けましたなッ!『ラック(luck)ユー(you)』!!」

 

男が叫ぶとその手の中に小さな箱が出てきた。

長方形の黒い箱に透明な蓋。中にはトランプが入っていた。

 

「………今、何もないところから………?」

 

驚くジョセフを放置して男は箱を開ける。

中からはトランプが出てきた。

しかし、それらは明らかに数が足りず、30枚ほどしか無かった。

 

「?────おい、ちょっと待て。

そのトランプ…………なんかおかしくねーか?」

 

ジョセフの指摘通り男の持つトランプの表───本来なら数字が書かれているはずの場所には、人の顔があった。

悔しそうな顔、泣いている顔など様々だがどれも未練を残しているような顔だ。

 

「遅くなりましたが自己紹介させてもらいましょう!

我が名はジョニー・D・ダービー!

そしてあなた………このトランプが見えているようですな?

これが私の能力───私は『ラック(Luck)ユー(You)』と名付けましたッ!

これが見えるあなたも能力をお持ちで?」

 

「…………さあな」

 

ジョセフが言うとジョニーはニヤリと笑った。

 

「それならポーカーでお聞きするまで………

私のラック・ユーは賭けに負けた相手をトランプにする能力を持っています。

あなた─────魂を賭けましたよね?」

 

「なっ!?まさかてめー………」

 

「一度賭けたなら、後戻りなんてunthinkable!

もってのほかですよ?」

 

ジョセフの顔が一瞬歪んだが、それもすぐに笑顔に変わる。

いいや、それは意地汚いニヤケ顔であって、決して爽やかな笑顔というものではなかった。

 

「いいぜ。その勝負、受けて立とう。

当然トランプはスタンドじゃなく普通のもので頼むぜ?」

 

「………なるほど、この能力はスタンド、と呼ぶのですね?

勿論、トランプはこちらのただのトランプで。

イカサマなんてしていてはギャンブラーとして恥ずかしいですからな。

そんなことは絶対にしませんよ」

 

ジョニーが器用にトランプをシャッフルする。

ジョセフはそれを注意深く観察するが、特にイカサマをする気配は無かった。

 

「それじゃあ親は………おい、そこのガキ!

悪りィけどポーカーの親やってくれねーか?」

 

ジョセフが適当に目に付いた子供に頼んだ。

 

「ん?いいぜ」

 

子供はやけにすんなりと受け入れ、カードを五枚ずつ配る。

カードを配り終わり、ついにゲームが始まる。

 

「………ゲームスタートだッッ!」

 

ジョセフの声で、二人のポーカーが幕を開けた。

レストランの中は、妙に騒がしかった。

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