吉良吉影は潮流へ 〜Another One Bites the Past(過去に食らいつけ)〜 作:Mr.アップルパイ
風邪をこじらせてしまって、更新が遅くなった上に文字数も少なくてすみません…
フィラデルフィア────アメリカ第二の栄えている街で、毎年7月4日には独立記念パレードが行われることで有名である。
そこらに立ち並ぶビルはまさに壮観で、初めて見る者はしばらく空いた口が塞がらないことであろう。
一行はその中のとあるレストランで食事をしていた。
「やっぱアメリカの飯は美味えぜ〜〜ッ!
なぁ、二人ともそう思うだろ?」
「………ああ、そうだな。まあ日本の食事が一番だが」
「ていうか、この食事代どっから出してるの?
まさかそのスタンドでスリとかしてないわよね?」
ジョセフの問いかけに各々が答える。
「し、してねーよ!ただ、ちょいと超能力っぽく見せて見物代貰っただけで………」
「………結局そのスタンドを悪用してるように聴こえるんだけど?」
「いやー、この料理もうまい!
うちの国とは大違いだぜ!」
「ちょっ!無視!?」
二人が少し楽しそうに口論をして、それを面倒そうに見ながら食事を取る吉良。
その風景に混ざろうとする、一人の男がいた。
「あの………少しお尋ねしてもよろしいですかな?」
男は赤髪でハンサムな顔立ちをしている。
そして口と鼻の間にはまるで髭のような彫りが入っていた。
「道を教えていただきたいのですが───」
「あー、悪りィけど現地人じゃないんだ。
他を当たってくれ…………ん?」
ジョセフが男のバッグに目を付ける。
「あんた、トランプやってんのか?」
「ええ、最近勝ち続けていましてね。
今では僭越ながら貴族を超える財産を手に入れてしまいました」
それを聞いてジョセフがニヤリとする。
また悪いことを思いついてしまった、とでも言いたげな顔だ。
「じゃああんた、俺とポーカーしねェか?」
彼の質問にベルが窘める。
「ちょっと、もしかしてまたスタンドでイカサマしようとしてる?」
「いいんだよ、どうせ金持ちなんだし。
それにどんなイカサマでも見破るのがプロってものだろ?」
二人がひそひそ声で話し合い、そして男に向き直る。
どうやら口論はジョセフが勝ったようだった。
「Good!いいでしょう。
急ぎの用事でもありませんし、何度でも相手をして差し上げますよ?」
「よし、早速開始だぜ!」
ジョセフが食事中の料理をどけ、男に席に座るよう促す。
しかしそれを男は遮った。
「WAIT.その前に─────
男の奇妙な質問にジョセフとベルが顔を見合わせる。
「…………よく分からねえが、俺は魂を賭ける勢いでギャンブルをやるぜ?」
「それはYESと受け取って良いかな?」
「ああ!
そういうのいいからさっさとやろーぜ」
ジョセフが面倒そうに言う。
「賭けましたなッ!『
男が叫ぶとその手の中に小さな箱が出てきた。
長方形の黒い箱に透明な蓋。中にはトランプが入っていた。
「………今、何もないところから………?」
驚くジョセフを放置して男は箱を開ける。
中からはトランプが出てきた。
しかし、それらは明らかに数が足りず、30枚ほどしか無かった。
「?────おい、ちょっと待て。
そのトランプ…………なんかおかしくねーか?」
ジョセフの指摘通り男の持つトランプの表───本来なら数字が書かれているはずの場所には、人の顔があった。
悔しそうな顔、泣いている顔など様々だがどれも未練を残しているような顔だ。
「遅くなりましたが自己紹介させてもらいましょう!
我が名はジョニー・D・ダービー!
そしてあなた………このトランプが見えているようですな?
これが私の能力───私は『
これが見えるあなたも能力をお持ちで?」
「…………さあな」
ジョセフが言うとジョニーはニヤリと笑った。
「それならポーカーでお聞きするまで………
私のラック・ユーは賭けに負けた相手をトランプにする能力を持っています。
あなた─────魂を賭けましたよね?」
「なっ!?まさかてめー………」
「一度賭けたなら、後戻りなんてunthinkable!
もってのほかですよ?」
ジョセフの顔が一瞬歪んだが、それもすぐに笑顔に変わる。
いいや、それは意地汚いニヤケ顔であって、決して爽やかな笑顔というものではなかった。
「いいぜ。その勝負、受けて立とう。
当然トランプはスタンドじゃなく普通のもので頼むぜ?」
「………なるほど、この能力はスタンド、と呼ぶのですね?
勿論、トランプはこちらのただのトランプで。
イカサマなんてしていてはギャンブラーとして恥ずかしいですからな。
そんなことは絶対にしませんよ」
ジョニーが器用にトランプをシャッフルする。
ジョセフはそれを注意深く観察するが、特にイカサマをする気配は無かった。
「それじゃあ親は………おい、そこのガキ!
悪りィけどポーカーの親やってくれねーか?」
ジョセフが適当に目に付いた子供に頼んだ。
「ん?いいぜ」
子供はやけにすんなりと受け入れ、カードを五枚ずつ配る。
カードを配り終わり、ついにゲームが始まる。
「………ゲームスタートだッッ!」
ジョセフの声で、二人のポーカーが幕を開けた。
レストランの中は、妙に騒がしかった。