人は生まれながらに平等じゃない。これは齢4歳にしてみんなが知る社会の現実
そして僕の、最初で最後の挫折だ。
事の始まりは中国、軽慶市。
『発光する赤子』が生まれたというニュースだった。
超常は発見され原因も判然しないまま時は流れる。
いつしか「超常」は「日常に」…
「架空」は「現実」に!!!
世界総人口の約八割が何らかの『特異体質』である超常社会となった現在…
混乱渦巻く世の中でかつて誰もが空想し憧れた一つの職業が脚光を浴びていた。
僕の名前は緑谷出久、ヒーロー志望の中学三年生!
今朝は通学中に巨大化したヴィランに遭遇、その場に駆けつけたシンリンカムイとmt.レディの活躍で無事に学校へ来ることができた。
ヒーローの活躍を目の前で見ると、より一層憧れが強くなる。
僕だってヒーローになって、「笑顔でみんな助けちゃうヒーロー」に
この個性でヒーローを目指すのは、少し難しいかもしれないけど・・・・
僕は教室に入り自席に着く、しばらくして担任の先生がホームルームを始めた。
「えーおまえらも三年ということで、本格的に将来を考えていく時期だ!!
今から進路希望のプリント配るが……皆!!…だいたいヒーロー科志望だよね」
先生がプリントを投げみんなを煽る。
クラスメイトたちは其々個性を発動して自己アピールを始めた。
ペンを浮かせる少女、首を伸ばしたり、目玉が飛び出ている少年もいる。
中でも目立つのは僕の一つ前の席、手のひらが爆発している少年だろうか。
「そういえば爆豪は雄英志望だったな」
先生がその少年を指して言う。
爆豪勝己
僕の幼馴染であり、僕の天敵でもある。
僕は彼のことを「かっちゃん」と呼ぶが、かっちゃんは僕のことを「デク」と呼ぶ。
木偶の坊のデク。「出久」がそう読めるため幼少期からそう呼ばれている。
小さい頃から才能に溢れ、何をこなしても周りより成績を残せるガキ大将だった。
個性が発現してからはそれが悪い方向に変化していき周りを見下すようになってしまった。
「俺は雄英に入ってオールマイトをも超えるトップヒーローとなり、高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!!!」
かっちゃんが高々と宣言する。
みんなを救うヒーローなどではなく、高額納税者というところが彼らしい。変なところでみみっちいというか・・・・
「そういや…緑谷も雄英志望だったな」
先生が僕に声をかけてきた
やめて先生!みんなの前でそんなこと言ったら・・・!!!
「はああ!?緑谷あ!?ムリっしょ!!」
「勉強できるだけじゃヒーローは科は入れねえんだぞー!」
「勝己みたいな派手な個性ならまだしも、『そんな個性』のお前なんかじゃ無理だろ!」
やっぱりみんなにバカにされた。
自分だってわかってる。超パワーもないし火を吹けるわけでもないし、派手に爆破することだってできない没個性。
「おいデク・・・・ッ!なんでテメェが雄英受けるんだァ!?
そんな没個性・・・《ゴキブリを操る》だけでヒーローなんかになれるわけねえだろ!!!!」
そう。
僕、緑谷出久の個性は《ゴキブリ操作》なのだ。
言い忘れていたけどこれは、僕が最悪のヒーローになるまでの物語だ。