ソード・メモリーズ──VRMMO復帰勢の戦闘録──   作:流星の瞳

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第一話

「あぁ……暇だ……」

 

 俺、清水翔太(しみずしょうた)はそんな事を言いながら、パソコンで宛もなくネットサーフィンしていた。

 現在、大学一年生の夏休み。アルバイトは週に何日か入れているが、今日のように何も無い日は、大学に行ってから一人暮らしになったことをいい事に、部屋に引きこもり動画を見たりするぐうたら生活を送っていた。

 いやね、コンビニとバイト以外で家から出たら負けだと思ってるのよ。誰と何を戦ってるのか自分でも分からんけど。

 

「ついさっき見てた実況動画はあれで終わりなんだよなぁ。まだ朝だしなんかアニメでも見るか?」

 

 そう言いつつ、マウスを操作していく。

 さて、なんのアニメを見ようか。

 

「おっ?」

 

 何気なくアニメを探していたら、一つの広告が目に止まった。

 

 『待望の大型アップデート。まだ見ぬエリアと武器がキミを待っている!!』

 

 そんな売り文句と共に、禍々しい剣や明らかに氷属性と言わんばかりの槍など、カッコイイ武器のイラストがいくつか映っていた。おそらくそのアップデートで追加された武器なのだろう。

 一応言うと俺はこういう広告に惹かれてゲームを始めるタイプじゃない。やるなら事前に情報を調べこみ、これだと思ったゲームをサービス開始初日からやるタイプだ。

 ただこの広告に目が止まったのは……

 

「『ソード・メモリーズ』か」

 

 かつてやっていたゲームだったからだ。

 『ソード・メモリーズ』。

 VR(バーチャルリアリティ)技術が進歩して、遂にゲームに利用されるようになった。その中でもVRMMOゲームはVRゲームの中でもかなりの人気を誇るが、その中でも根強いファンがいる有名なタイトルの一つだ。

 魔法はないが、武器ごとに武装記録という特殊能力が宿っており、それを使って敵を倒したりPVPをしたりするゲームで、VRMMOゲームの中でも特にアクションやバトル方面に力を入れているおかげか、男性を中心に人気が高かった。

 

「そういや、やめてからちょうど一年か。懐かしいな」

 

 俺は結構やり込んでいたが、去年、高校三年生となり、さすがに受験に向けてこんなゲームやっている暇がないと引退したのだ。

 あの頃は毎日プレイしては素材集めたり、PVPしたり、延々とレア泥狙って周回したり、PVPしたり、イベントのために徹夜したり、PVPしたりしていた。

 ん? なんか記憶の半分くらいPVPな気が……。

 まぁ、青春をつぎ込んでやったと思うがかなり楽しかった。

 仲間もでき、ギルドもでき、リアルより数倍充実していたはずだ。

 ……なんかリアルより充実してたとか思ったら少し寂しくなってきたけど。

 他にもギルメンとあんなことしたなぁとか、あのイベントがクソでとか色々思い出す。

 懐かしいな。久しぶりにやろうかな……。

 ……。

 

「よし、決めた!! 今日は『ソード・メモリーズ』やる!!」

 

 そう口に出しながらパンと手を叩く。

 こういう決意は口に出すのが大事だと思う。

 善は急げ。

 とりあえず押入れからダンボール箱を引っ張り出すとカッターで開封。中からヘルメットのようなVRギアを取り出す。

 実家に置きっぱなしじゃなくてよかった。

 コンセントなどに色々とコードを繋ぐとギアが起動した。

 

「よし、問題なく動くっぽいな」

 

 なら、とギアを装着。

 ベットに寝転がる。

 

「準備満タン……『ゲームスタート!!』」

 

 別に音声認識があるわけじゃないが、雰囲気作りのためにそう言いながらスイッチを押す。

 一年ぶりのVR世界。わくわくが止まらない。

 あれ、なかなか『ソード・メモリーズ』が起動しないような──

 

 ……あ、『ソード・メモリーズ』のアップデート忘れてた。

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