ソード・メモリーズ──VRMMO復帰勢の戦闘録──   作:流星の瞳

2 / 14
第二話

 目を開けるとそこは森の中だった。

 と言ってもジメジメとした感じではなく、陽の光がいい感じに射し込む明るい感じの森。木漏れ日や風のさわさわとした感じが気持ちいい。

 ちゃんとアップデートしたあと、もう一度ダイブを試したが、今度はどうも問題なくVRの世界へダイブ出来たらしい。

 にしても、相変わらず作り物とは思えないクオリティだ。

 

「ただいま、俺!! おかえり、俺!!」

 

 そして一年ぶりにこの世界へ帰ってきた俺が最初にしたことはと言うと、叫ぶ事だった。

 うーん、気持ちいい……。

 いやね、自分がどこにいるかちゃんと理解しているからこそできる行動ですよ。人が周囲にいないのは確認してますよ。

 流石にログインしていきなり叫ぶ人とか目撃されてたら目も当てられないし。

 場所は、はじまりの森の端っこ。名前通り新規のプレイヤーが最初に現れる街の隣にあり、おそらく最初の戦闘を行うであろう場所である。

 ……なんでこんな場所にいるかって?

 一年前で記憶があやふやだが、みんなと引退パーティ開いた次の日に、思い出の地巡りをして最後にここまで来たあとにログアウトした気がする。

 まぁ、1年ぶりのログインだし初心者が通るコースからは外れた場所だし感覚を取り戻すにはちょうどいいだろう。

 そう思いながら、まずは俺の格好を軽く確認。

 全身レザーメイルだが、肘から先だけ金属製の籠手。さらに上からフード付きのローブを纏っている。頭は聴覚アップのピアスを左だけ付けているが他には装備はナシ。

 よし、いつもの見慣れた装備だ。

 続いてメニューを──

 その時ピロリンと着信音が響いた。

 

「おっ?」

 

 見たら、フレンドのチャット欄から通知が来ていた。

 

「えっと……あぁ、アカネか」

 

 一年前からよく行動していたアカネからだった。

 

『ツバサお久しぶり!! 復帰したんだ。あとで暇ならどこかで会わない?』

 

 と書かれていた。

 ちなみにツバサというのは俺のこのゲームでの名前だ。

 「翔」太だから、「ツバサ」。

 VRMMOは実際に声を出して話すのだから、変にネタネームに走るよりはいいと思っている。

 というか、とんでもないネタネームで呼ばれる人の気持ちが分からない……。

 にしても、俺の復帰気づかれるの早いな……。かつてのギルメンやフレンド達には全く連絡せずにログインしたはずなんだけど。まぁ、偶然フレンド欄見てたら俺がログイン中になっていたとかそんな所だろうか。

 そんなこと思いながら、片手で素早く返信を打ち込む。

 

『いいよ。じゃあ、一時間後にいつもの場所でどう?』

 

 すぐ返ってきた返信はOKとの事だった。

 なら、あとは残り時間で感覚を取り戻したり、アプデ情報を確認するかと思いながら、とりあえず街へ向かい歩き始めた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。