ソード・メモリーズ──VRMMO復帰勢の戦闘録──   作:流星の瞳

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第九話

「ここでいいの?」

「あぁ、ありがと、アカネ」

 

 「ソード・メモリーズ」復帰から三日目。

 久しぶりにプレイしたらガッツリハマってしまった俺は、自由時間はほぼこの「ソード・メモリーズ」に費やす日々を送り始めていた。

 現在、俺とアカネがいるのは第七エリアと第八エリアの境目。通称「番人」と呼ばれるエリアの境目ごとにいるボス部屋の手間だ。

 この番人を倒せば、次のエリアへ自由に行き来できるようになる。

 

「で、ホントに一人でいいの?」

「だから大丈夫だって。別に死んだところでボス戦はデスペナルティはほとんど発生しないしな」

 

 で、俺は何をしようとしているかというと、ボス戦にソロで挑もうとしていた。

 ……いやね、自分でも頭おかしいと思いますよ? 普通はパーティ組んで六人前後で挑むしね。

 ただ久しぶりのとある武器を使いたかったのだ。試し斬りである。

 ……いや、試し斬りでボスってどういう事やねんって自分でツッコミたい。

 けど、この武器は秘中の秘というか、あんまり見せびらかしたくなかったのだ。その点ボス戦は一度始まれば、一緒に部屋に入ったメンバー以外は同じボス部屋に入れなくのでこの上なくちょうど良かった。

 それに、この武器は正直運営がヴァジュラソード以上に下方修正してもおかしくない程度の性能してるからな。通常モンスターならオーバーキルすぎるのでやはりボスクラスが一番だろう。

 

「じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 

 ちなみにアカネが付いてきたのは、言ったら悪いが足として使ったからだ。

 第七エリアは第七の街「リーデッタ」が港町だったことからも分かる通り、広大な海(と言っても途中で見えない壁に当たるため見た目よりは狭いが)とその海に浮かぶ島がフィールドなのだ。

 つまり、水上を移動する手段がいる。

 そこで、小舟を持つ(船もマイホームと同じように買えるのだ)アカネに小舟を一時的に借りようとしたら何故かもれなくアカネが付いてきた。そんな感じで今こうして二人でいる。

 

 ──と、そろそろ行きますか。

 目の前に出てきた「強力なボスがこの先にいます。挑戦しますか? Yes No」と書かれたメニューを躊躇いもなくYesを押す。

 すると、一瞬エレベーターに乗った時のような軽い浮遊感を感じたあと、広大なボス戦用フィールドに移動していた。

 近くには誰もいない。

 ちゃんと一人で来れているようだ。

 今回のボス戦フィールドは石でできたいくつかの浮き島があるのみでほぼ辺りは水。

 そして、そんな水の中央で堂々と佇んでいたのは海龍のような見た目のモンスターだった。

 『海龍 リヴァイアサン』というネームとHPゲージ×7も見える。

 第七エリアなので七本なのだろうか……?

 いや、今考えることじゃないけど。

 

「キシャァァァ──!!」

 

 リヴァイアサンはこちらに気づいたのか、大音量の鳴き声を上げるとこちらへ向かってくる。

 

「さてと、やりますか」

 

 俺は、そんなリヴァイアサンを見ながら、アイテムポーチから今回試し斬りする鎌を取り出すのだった。

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