魔法少女まどかマフィア(まどマギ×リボーン)   作:junior

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第十八話「繰り返される宿命」

<027>

 

「沢田綱吉、聞いていたわね。今からアイツを三分間巴マミから引き離して、かつ後ろの二人を守って自分達の身を守りながら戦うわよ。」

 

私の提案を承諾した暁美さんは、後ろに控えている沢田君に振り返ることなく告げる。

 

「…スマン、もう一回言ってくれ」

 

「私が攻撃に集中するから。貴方は巴マミを守って、後ろの二人も守って、私を守りながらあの化物と戦うのよ。ああ、そうそう。リロードの時の援護を付け加えるのを忘れていたわ。」

 

「俺の負担多すぎないか?」

 

「あら? これでも仲間として貴方の才能を買っているのよ?」

 

「そうなのか?」

 

「それと、くれぐれも私の射線上には入らないことね。さもなくば、その制服がオシャレな水玉模様になるわよ」

 

「仲間なんでしょ!?」

 

先程までのクールな暁美さんとはうって違い、2人は敵を目の前にしてまるで緊張感のない会話をし始めた。

 

「ちょ、ちょっと二人共!いい加減にしな」

 

ブチッ!!

 

「…さい。 って! キャッ!」

 

「ウガアアアアアア!!!」

 

こちらの隙を見極めていたのか、化物はさっきの倍はあろうかという力で私のリボンの拘束を引きちぎり私目掛けて突進してきた。

 

「行かせるか!!」

 

反応出来ていない私とは逆に、敵が爪を振りかざすよりも早く沢田君の炎が燃え盛る右拳が敵に襲いかかる。

 

「!! ウゴオ!」

 

「ほお、流石に速いな」

 

しかしその瞬速の拳も何なりと躱されてしまい、瞬時に沢田君の背後へと周りこんだ、が。

 

バババババババババン!

 

「ガアア!」

 

「わざわざ背後を見せてくれてありがとう」

 

いつの間にかその後ろに待ち構えていて暁美さんが敵の後頭部に無慈悲の撃鉄を放つ。さすがの敵もこれには怯んだようだ。

 

「………」

 

先程までの私の気鬱など知る由もなく、2人は息の合ったコンビネーションをした。それを見た私はふと遠い昔の事を思い出してしまった。八重歯が特徴的な彼女は今も元気だろうか。

 

「巴マミ、三分以上も貴女のお守りはやってられないわよ」

 

「あ! ごめんなさい!」

 

今度は逆に暁美さんに注意されてしまった。私は鹿目さんと美樹さんを庇いつつソウルジェムに魔力を溜め込むことに集中した。

 

「スーーー、ハァーー」

 

目を閉じて呼吸を整える。

 

「オラァ!」

 

「グルルル!」

 

バンバンバン!!

 

耳からは激しい戦いの音が入ってくる。

 

「そっち行ったわよ!」

 

「クソ! この!!」

 

「ウガアア!!」

 

「これでも喰らいなさい!!」

 

ドカーン!!

 

 

どうやら2人は徐々に押されてきているらしい、でも今は他の事に集中力回している余裕はない。何故ならこの魔法はそれほどまでに複雑で時間が掛かるからだ。

 

「暁美さん!!上だ!!」

 

「コイツ!!」

 

あと半分。

 

「ウオオオオオ!」

 

「させるか!!」

 

あと1分。

 

「これなら、どう?」

 

「ダメだ!読まれてる!」

 

後30秒。

 

「避けて!暁美さん!」

 

「クッ!!」

 

後少し。

 

「オオオオォォォォォォ」

 

「行かせるか!!」

 

もう少し。

 

「グラアアアア!!」

 

「なに!!」

 

よし、出来た!

 

「避けてーーー巴さん!!!」

 

 

目を開けると、目の前には大きな爪が私の首に突き刺さろうとしていた。

 

「え?」

 

 

 

           グサッ!

 

そしてそれは止まることなく私の胸に突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

<028>

 

暁美さんからはあんな風な雑な扱いが定着化しつつあるけど、まあそれも最初のよそよそしい感じより良いし。俺に対する信頼とまでは行かないまでも、冗談を言い合えるぐらいにはなったのかもしれない。

 

その証拠に暁美さんとのコンビネーションも上手く決まり、巴さんから敵を引き離す事にも成功した。

 

「わざわざ背後を見せてくれてありがとう」

 

その言葉と同時に長い銃声が俺の鼓膜を刺激する。どうやら敵の後頭部目掛けて自動小銃をお見舞いしたらしい。冷静にこんな事が出来るんだから本当に敵には回したくない。

 

が、敵も簡単には倒れてくれない。一瞬怯む程度で俺からは視線を外さない。

 

「(機動力と攻撃力に加えてこんなに硬いなんて、コイツ本当に化物か?)」

 

何て少し頭の中で考えてみるが、結局やることはいつもと何にも変わらない。俺は俺自身と仲間を信じて戦うだけだ。

 

 

「オラァ!」

 

「グルルル!」

 

バンバンバン!!

 

しかし手数を増すごとに相手は徐々に俺の剛の炎のトップスピードにも付いてくるようになった。そうなればこの距離ならば銃弾よりも速い速度で動くため、暁美さんの援護射撃は意味を持たなくなる。

 

「そっち行ったわよ!」

 

向こうは手負いの上に隻腕だが、一撃でも喰らえば即致命傷だ。

 

「クソ! この!!」

 

「ウガアア!!」

 

両手の炎を自分の足元に噴射し、相手の視覚を奪うと同時に10メートル程距離を取る。

 

「これでも喰らいなさい!!」

 

暁美さんはその隙を逃さず、今度は手榴弾を投げつける。

 

ドカーン!!

 

熱風と衝撃と爆煙が辺りを駆け巡る。が、煙と炎の中からまた黒い影が頭上に飛び上がる。

 

「暁美さん!!上だ!!」

 

「コイツ!!」

 

たてがみが少し焦げる程度でその体に目立った外傷はなかった。

 

「これなら、どう?」

 

そう聞こえたかと思うと。お得意の魔法を使ったのか、一瞬にして十数発ものロケットランチャーの弾頭が敵の包囲していた。

 

「ダメだ!読まれてる!」

 

退路を断たれているこの状況でも敵は冷静さを失わずに、向かってくる弾頭の一発を器用に片腕しかない爪で受け止め、暁美さんに投げ返した。

 

「避けて!暁美さん!」

 

さっきのように瞬間移動するかと思ったが、暁美さんは回避行動を取らずに左腕の盾で防御した。

 

「クッ!!」

 

とっさに死ぬ気の炎を纏わせて防御力を上げていたらしく、なんとか爆風から身を守ったらしい。

 

背後で起こった爆風を利用し、敵が物凄いスピードでこちらに飛び掛ってくる。

 

いや! 違う! 敵の狙いは俺ではなく、その後ろで控えている巴さんだ!!

 

「オオオオォォォォォォ」

 

「行かせるか!!」

 

俺も剛の炎でブーストをかけ、強く地面を蹴って敵を正面から迎え撃つ。

 

 

「グラアアアア!!」

 

が、敵は俺と衝突する直前で急ブレーキをかけて減速した

 

「なに!!」

 

そしてその運動エネルギーを生かしたまま残った片手を振り上げ、なんと腕だけを巴さん目掛けて投げ放った。

 

「避けてーーー巴さん!!!」

 

予想だにしない敵の行動に俺は一瞬判断が遅れ、なんとか口から出た言葉がこれだった。

 

 

 




今週中に次話も投稿する予定です。
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