魔法少女まどかマフィア(まどマギ×リボーン) 作:junior
そろそろ本格的に梅雨ですね。雨が多いと好きな自転車にも乗れないし、釣りにも行けないので正直僕はこの時期が嫌いです。皆さんは梅雨をどうお過ごしですか?あなたからの質問、報告、オススメの梅雨の過ごし方を教えてください。お便り、メールをお待ちしております。
さやか「いやいや、そういう場所じゃないから」
杏子「まどかマフィア!始まるよ!!」
<035>
よく「やらないで後悔するくらいなら、やってから後悔したほうがいい」なんて言葉を偉そうに学校の先生が話したり、教科書に書いてあるが、アタシはそれが打大嫌いだ。
その人達は自分たちの人生経験に基づいて「やって後悔したほうがいい」という風に思うんだろう。普通はそれに共感するしその通りにやったほうが上手く物事が運ぶんだろう。だがそれはあくまでアンタら一般人の領分での話しだ。その経験において、もし自分の大切なものを無くしたら、大好きな人を亡くしたら、愛する家族を死なせてしまったならば。そんな無責任な言葉は吐けないだろう。
そいつは永遠に罪を背負って生きていく。安らかに死ぬ権利は既に神に奪われている。嘆き、悲しみ、後悔し、毎晩心を引き裂かれるような痛みを味わいながら、生き恥を晒しながら生きていかなければならない。まさに地獄だ。…でも、だからってそのストレスを一般人に魔法少女の力を使って殴ったのはさすがにマズッちまったと思う。
「………んん~。ぅぅぅぅ。……っつ!!」
「おお、起きたか」
寝返りを打とうとした反動で頬の痛みがぶり返したのだろうか、綱吉と名乗った男子は気だるそうに起き上がった。
「あれ?ここは…」
寝起きではっきりしないのか、それとも記憶が飛んでしまっているのか今自分が置かれている状況が把握出来ない様子だ。
「大丈夫か?自分の名前言えるか?」
「俺の名前は沢田つな…あ!!」
「どうやら思い出したみてえだな」
腰掛けていたテーブルから一足飛びに降り、綱吉の目の前に着地する。
「起きたばかりで悪りいが、一個答えてもらうよ」
魔力を込めてソウルジェムから1メートル程の小さな槍を出し、首元に突き付けた。
「う、な…なに?」
「アンタ、一体何者なんだい」
昨日の見の前にならないように冷静を心がけて問いかけた。さあ、こいつはどう出る?
「オレは…」
言いかけた言葉を飲み込み再び黙りこむ、この場をどうにか切り抜ける返事を考えているようだ。
「今言いかけた言葉を隠さずに言え! 少しでも考えた素振りを見せたら舌を串刺しにする!!」
瞳の奥をじっと覗き込み、僅かにでも不審な挙動を見せたら本当に串刺しにする気で言った。
「!! オレは君の味方だ!!!」
「…はぁ?」
「だから、オレは杏子の敵じゃない! 味方だ!」
「………脅されながらそんなに一生懸命な目してんじゃねえよ。まったく、調子狂うぜ」
ジェムを引っ込め、困惑する目の前のバカと目線を揃えて座った。
「し、信じてくれるの?」
「勘違いすんじゃねえ。寝覚めが悪くなりそうだから止めといただけだ。バカ」
「それでも、ありがとう!」
「…」
パッと目を見開き、嬉しそうにこちらに感謝の言葉をかけてくる顔に、古い過去に捨てたはずの妹の顔を思い浮かべ、重ねてしまった。
「はぁ~、ほんっとに!! 調子狂っちまうぜ!! 話しを戻すぞ!」
頭をグワーっと振るって無理やり思考回路を切り替える。
「聞き方を変える。アンタは魔法少女に関してどこまで知ってる」
「てことは、やっぱり君も魔法少女だったんだね」
『やっぱり』か…どういう意味合いで言ってるのやら。
「その返答はアタシの問いに対して不十分だ。どこまで知ってるかと聞いたんだぜ」
「あ、ごめん。う~んどう言えばいいのか…」
その後も容疑者に対する取り調べのような会話は30分ほど続いた。
「と、いう訳で今に至るんだけど…」
「え~っとだ。つまり整理するとだ。アンタ…綱吉は異世界の人間で、魔法とは違う特別な力を持っていて、何かのミスでこっちの世界に来ちまって、たまたま辿り着いた先が見滝原で、そこで魔法少女と知り合って、そこにお前が元いた世界の敵が来た。そういう話しだな。」
人間は見た目によらないもんだ。やっとこちらの質問に素直に答えだしたかと思ったら、子供が夢と現実を勘違いしたようなトンデモ話しを延々聞かされた。
「そうそう!いや~オレが言うのも変だけど、一回で理解してもらえるなんて」
いや~さすがだな~と頭をさすりながら綱吉は照れていた。
「あーーーー、とりあえず保留でいいか?信じる信じないは別として、今は保留だ」
「うん。それで…今度はこっちから話しがある。 昨日の続きなんだけど」
「ああ、そういえばまだその話しも片付いてなかったな。言っとくがアタシは手足千切れてもここを捨てる気はねえぞ」
「ああ、それは十分分かった。そこでなんだけどね、オレは見滝原の魔法少女に嫌われて今は家なしなんだよね。いつまでもここに居候するわけにもいかないけど、行く当てもないし。でもいつ敵が襲ってくるかもしれないから休める時に休む場所が欲しいんだ」
「へ! なるほどな」
アタシは彼が何を言わんとしているか理解した。
「だが、その申し出を受けるにはアンタのその異世界の力ってのを試す必要がある」
つまり綱吉の主張はかこうだ。『オレも一緒に町のヤクザと戦うからここに泊めろ』
「表にでな、朝飯前のラジオ体操といこうじゃねえか」
早朝の教会には壮麗な雰囲気が流れており、まさに嵐の前の静けさを表していた。
<036>
「されじゃ、始めるか」
杏子は教会前の広けた場所に出ると掛け声と共に魔法少女の姿へ変身した。暁美さんや巴さんとは違い、赤を基調としたロングスカートにノースリーブと彼女らしさを現した衣装だった。
グローブをはめ、死ぬ気丸を一個飲み込む。こちらも臨戦態勢を取りながら手合せのルールを決める。
「勝利条件は?」
「ほお、その炎が魔女を倒したっていう異世界の力か。そうだな、じゃあこれをアタシから取ってみろ」
「…分かった」
杏子はポニーテールを留めているリボンを指さしニコっと笑った。明らかにこちらに有利な条件だ。なにせこちらは守るものが無いのだ。ちょっと引け目を感じるが向こうがそれで良いと言うのだから良しとしよう。
「さ、いつでもいいぜ!」
拳をパシンと合わせていつでも来いと言う。確実に舐められている。が、相手が油断してくれているのなら、それを利用しない手はない。
「じゃあお言葉に甘えて」
一言答え終わると同時にオレは両手の炎の推進力を最大限利用して杏子の背後へと移動した。初見でこのスピードを見切るのは無理だったようで完全に死角をとった。
「貰い!」
手を杏子のリボンへと伸ばす。だがオレが伸ばした手を空を切った。
「マヌケが」
杏子が取った行動はただ一つ、何の変哲もないバックステップ。それで勝負は決した。
「ウガッ」
昨日に続いて再び顎に一発喰らって怯んでしまった。
「ほい、王手」
杏子は懐からうめー棒と書かれた駄菓子を取り出し首元に突き付けてきた。
「たいしたスピードじゃねえか、さすがのアタシでも目で追えなかったぜ」
「ならなんで…」
「テメエがまんまとその嬢ちゃんの罠にハマってるからだろ」
またまたリボーンがいきなりホログラム映像で現れた。
「リボーン!!」
「そいつが綱吉の言ってたカテキョウのリボーンか。つか本当に赤ん坊なんだな」
「チャオッス、話しはだいたい聞いた。うちの生徒が世話になったみてえだな」
「聞いてたならその時に出て来てくれよ!」
「そんな事より!! オメエさっき嬢ちゃんの提案したルール聞いて『自分に有利』とか思ってただろ!!」
「え、うん」
「バカやろーー。その時点で既に嬢ちゃんの術中だ」
「へえー、分かってるじゃねえか。確かにただの赤ん坊じゃなさそうだな」
自分の敗因が理解できない、どういう意味なんだ? 杏子はリボンを守りながら戦うというハンデを負っていたはずだ。
「まだ分かってねえのかバカツナ! テメエは勝手にハンデを貰ったとか考えてるんだろうが、まんまと誘導されたんだ」
「…あっ!」
なるほど、やっと理解できた。そもそもリボンなんて始めっから自分の死角にあるんだから全然ハンデになってないじゃないか。逆にこちらに目標を指定した事により攻撃がリボンへ集中するのは分かってるんだから迎撃も楽。それに比べて向こうは自由に動ける。後はタイミングさえ合わせればカウンターでKOだ。
「ははは、バレちまったか。でも勝ちは勝ちだからな」
「ああ、オレの負けだ」
卑怯だなんて風には思わない、これも兵法の一つ。杏子が今まで生き残るために身に着けてきた知恵である。
「まあ、なんだ…実力は確かなもんだ。さっきの提案乗ってやらないこともないよ」
「本当!?」
「最悪囮くらいには使えそうだしな」
「は、ははは、善処するよ」
アハハハとチャームポイントの八重歯を見せながら笑う杏子と『この子なら本当にやりかねないな』と思うと引きつった笑しか出来ないツナは握手を交わす。こうして二人の奇妙な共闘が成立したのだった。
書ける時は勢いで書けるんだけど、書けない時はまったく進まない。どうにか波をなくしてコンスタンスに更新することを心がけてます。
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