魔法少女まどかマフィア(まどマギ×リボーン)   作:junior

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第三話「巡り合い」

<sideツナ>

 

目の前からミサイルのような物がだんだん速度を増してこっちに迫ってくる、オレはそれから逃げる為に必死に走るが、いきなり周囲が真っ暗になりどれだけ足を動かしても前に進まない。

 

 

「あ!う、うわあああああ」

 

 

ミサイルはその大きさを増し、遂にはバスくらいの大きさになりオレを襲う

 

 

「ヒィィィィィ、助けてーーーーーー」

 

 

情けない声を上げながら助けを求める。もうダメだ死ぬ、そう思った瞬間、足を滑らせ盛大に転け強く後頭部をぶつけてしまった。

 

 

「っ!!はぁはぁはぁはぁ」

 

 

沢田少年はようやく悪夢から開放され目を覚ました。

 

 

「まったくなんだったんだ、今の夢は」

 

 

1人小さく呟きながら、寝汗をかいたのかシャツをパタパタと動かし服の中に風を送る。

 

 

「はあ、こんな所リボーンに見られたらまた修行のメニュー増やされるよー」

 

 

既に生活の大半を占める過酷な訓練を思い出しながら不幸中の幸いと胸を撫で下ろす

 

 

「って、あれ?そういえばここどこ!!…って痛ううううう」

 

 

ある程度落ち着き自分の置かれた状況を確認しようと頭を上げるが覚えのない激しい頭部の痛みに襲われ、頭を摩ると大きなコブが出来、脈打つようにズキズキする、しかしそれ以上に周囲の異常さが著しかった。

 

 

見ているだけで精神が壊れてしまいそうな、そんなおどろおどろしい風景がツナを囲っていた。

 

「え!え!オレ確か並盛中に皆と来てて、それでランボが・・・・・そうだランボの10年後バズーカくらったんだ。あれ?てことはここが10年後の並盛なのか?」

 

「でも、いくらなんでもそれはないよな。一体何なんだここ?」

 

 

そしてとにかく立ち上がろうと両手を腰の横に突く。

 

この時ツナは右手の平に何か違和感を感じた。左手の下にも小石や地面の凹凸があるが、右手に妙な吸い付くようなもの感覚がある。そしてその未知の違和感を前に「確かめたい」という衝動と「好奇心」が心を一瞬にして支配してしまった。

 

 

それを掴みゆっくりと手を開く。そこにあった物は(期待通り?)彼の度肝を抜いた。

 

 

「(これって!リング?!)」

 

 

そこには紫色の宝石が装飾され、反対側には不思議な文字が掘られた指輪があった。綺麗な指輪だったが大きな宝石があしらわれているでもない。パッと見2〜3万円程するであろう、中高生がおしゃれで付けているような代物だった。

 

 

しかしツナはこれを「指輪」ではなく「リング」と認識した。

 

 

ツナひきいるボンゴレファミリーはつい先日まで「リング」をめぐって命をかけて戦ってきたのだ。その中で特別な力を持ったリングをたくさん見てきたツナは手にしている物が特別な「リング」だと直感的に、経験的に分かった。

 

 

「(こんなリング見たことないな…っ!!って事はこの近くにミルフィオーレの奴らがいるんじゃ!)」

 

 

リング=戦闘の方程式が頭の中に染み込んでいるツナはすぐに臨戦体勢を取ろうと立ち上がった。

 

 

しかしもう必要以上に動揺することはなかった。これに似た現象を彼は知っているからだ。

 

 

「(てことはこれって・・・霧の幻影?)」

 

 

マフィアの間で知られている「死ぬ気の炎」、その1つの霧属性の性質は「幻覚操作」。修行の中でこれに対抗する特訓を積んできたのだ。故にツナはさらに焦った。

 

 

これほどまでにリアルな幻覚は並の者では再現不可、それこそ幻騎士や六道骸レベルの強者でない限りは。

 

 

「まさかオレのリングを狙ってき来たのか?」

 

 

どこから来るか分からない敵の攻撃の危険と機動力の確保の為、「死ぬ気モード」になろうとポケットから死ぬ気丸の入ったケースを取り出した瞬間ツナの顔から一気に血の気が引いた。

 

 

「ボンゴレリングが無い!!!嘘だろ?何で今まで気付かなかったんだ?!あっ!もしかして」

 

 

自分の命より大事な大空のボンゴレリングが右中指から消えてしまっていた。このままではマジでリボーンに殺されかねない。

 

 

「ひ、ひとまず落ち着こう、落ち着けオレ・・・あわわわ・・・(ごくん)」

 

 

パニクくる中震える手を抑えてなんとか飴玉のような死ぬ気丸を飲み込み「死ぬ気モード」になった。すると先ほどまでの狼狽えた顔が一変、凛々しく落ち着いた表情になりゆっくり一回深呼吸した。

 

 

「・・・・・敵はあくまでもオレの命よりボンゴレリングを優先するだろう、現状未だに幻影を使っているということはリングはまだ敵の手に渡ってないと考えていいだろう。・・・となると、逃げる振りをしながら敵に感づかれる事のないようにリングを探索するのがベストな行動か」

 

 

そして次に他に物が無くなってないか手持ちを今一度確かめる

 

 

「手元にあるのはグローブとコンタクトとボンゴレボックスと壊れた通信機と・・・・さっき拾ったリングか」

 

 

ヘッドホン型の通信機をあてにしていたが、転んだ衝撃に壊したのかスイッチを入れても何の音もしない。

 

「・・・・・こいつは一応絞っておくか」

 

 

そう言うとツナは小さな鎖で拾った指輪を縛った。

 

この鎖の名を「マーモンチェーン」、指輪の力を封印する鎖、念の為に持ち歩くようにラルミルチに指示されていた。

 

 

次に「27」と編みこまれた白い手袋を手にはめる。するとその手袋は黒いレザーのグローブへと変化した。

 

 

ツナはグローブに力を込めると炎が噴出し、出来るだけ低空で飛び探索を始めるのだが見れば見るほどこの空間の異常さに気を取られる。

 

 

 

「(改めて見るとやっぱりおかしい、幻覚の結界は相手の判断を鈍らせて隙を突けるのがメリットなのにここまで大きいと逃げ回られて攻撃が当てられない。・・・・・・・もしかしたら)」

 

 

数十秒間飛んだツナは一旦探索を止め物陰に隠れた

 

 

「(わざと炎を多く使って敵の注目を集めたつもりだけど、無反応なのは変だ。こっちの動揺を誘ってるつもりかもしれないが、これだけ巨大な幻覚を維持するのは幻騎士のッ「幻(スペットロ)海(ヌディ)牛(ブランキ)」でもない限り無理だろう)」

 

 

「(ということは、もうボンゴレリングは敵の手に渡っていてこの幻覚の結界の目的はオレの抹殺じゃなくて拘束しておくことか?)」

 

ツナは他の考えうる現状を推測し、数秒の沈黙の後。

 

 

「(いや、考えすぎだな、そもそもこんなに考え込んでる時点で敵の術中にはまってるのか。でも、どうすれば出れるかな?)」

 

 

路線を探索、戦闘から脱出に変更し、その方法を検討する。

 

 

「(ある程度進んだが、幻覚のせいか突き当たりには全然近づかないな。天井も多分同じだろう。残るは)」

 

 

ツナは自分の足元をみる

 

 

「(地面しかないか、どんなにリアルな幻覚だったとしても一点集中で超高圧の死ぬ気の炎を加えれば一瞬でも幻覚にほころびが出るだろう、そうすればそこから穴を掘って外に出られるかもだな)」

 

 

ボンゴレリングのアシストも、高出力を誇る「剛の炎」も使えない今だが、幾多の戦火をくぐり抜け、ボンゴレの10代目として生き抜いてみせた今でもある。普通のイクスグローブでもどれだけの威力のイクスバーナーが撃てるか何だか興味が出てきた。

 

 

 

威力は下がるが扱いやすい安定の「柔の炎」だけでのイクスバーナーは撃った事はなく。どう撃てば最も威力が出るかイメージを固めるツナだったが、その顔は笑っていた。

 

 

弟子は師匠に似ると言うがツナも10年後の雲雀恭弥と修行の度を超えたシゴきを受けていた影響か、どこか無意識的に戦闘を楽しんできていた。

 

 

             そして

 

 

「オペレーションイクス!」

 

 

起動ワードを口にするとコンタクトに左右対称のグラフが表示される。

 

 

「よかった、音声は聞こえないが正常に作動してくれた」

 

 

安堵の言葉を告げながら右手を頭上に掲げ左手を真下に向ける。そしてどんどん両手に炎を貯めていった。いつもならライトバーナーを安定させてからレフトバーナーに移るが、今ツナは左右同時に炎を出そうとしていた。

 

 

「いつも支えのための右の炎を見て感じていたんだよなあ。まるで冬場の湯沸かし器で最初の冷たい水を垂れ流してるみたいで勿体無いなって」

 

 

<水風船に水を限界まで入れて一気に放水する>そのイメージを直感的に理解した。

 

 

 

そしてついにに左右の炎圧は20万を超え。

 

 

「よし!!決めてやるぜ!!」

 

 

今一度気合を入れまさにイクスバーナーを撃とうとしたその刹那である。さっき拾って胸ポケットに入れておいたリングが、封印の鎖をしているにも関わらずいきなり霧属性の炎を灯し、目の前を紫色の炎が覆い、次いでどこからか声が聞こえた

 

         「助けて・・・・・・まどか」

 

 

 

まさかの不測の事態、『何かヤバイ』そんな胸騒ぎがして、視線を上げるとこれまた度肝を抜くものが見えた。

 

 

今まで物陰になっていて気付かなかったが、よく見ると70メートル程先に制服を着た女の子が立っていた。初めて見る制服だったがその女の子には見覚えがあった。

 

 

が、ツナの目を奪ったのはそんなことではなく、その上。女の子の上から大きな獣が今まさに襲いかかろうとしていた。少女は驚きのあまり動けないのか立ち尽くしている。

 

 

目の前に危険に晒されている人がいて、助けを求められている。

 

 

そうなれば自分の命を投げ出してでも救いの手を伸ばせるのが彼、沢田綱吉である。

 

 

「助けなきゃ!!」

 

 

即座に結界の破壊から少女の救出へと目的を変える。

 

 

獣はどんどん少女に近づいてゆく。

 

 

「(このまま飛んでいくしかない!!)」

 

 

そう覚悟すると下に向けていた左手を背後に90°回転させギリギリまで貯めていた炎を思いっきり噴射した。

 

 

そのスピードは凄まじく瞬く間もなく大きく口を開ける獣の真横までたどり着き、そして今度は右手を開きありったけの炎をお見舞いした。

 

 

ライトバーナーで静止をかけながら、且つ獣を吹き飛ばし少女から離すつもりだったが予想以上に推進力が大きくて止まりきれず、結果獣の横っ面に掌底打ちを入れてしまい、これまた予想以上に吹き飛ばしてしまった。

 

 

「(ちょっとやり過ぎたか?)」

 

 

心の優しいマフィアのボスはちょっと反省しつつ、「ぁ、……ぁ………」と口をパクパクさせながら動揺している少女に救い手を伸ばす。

 

 

「危ないところだったな、怪我はないか?」

 

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