魔法少女まどかマフィア(まどマギ×リボーン) 作:junior
<010>
「住めば都」と言う言葉あるががこれは本当らしい
人間の対応能力は自分達が考えている以上に高いようで、傍から見れば苦行のようでも慣れてしまうらしい
それが例え未だ寒さ厳しい3月中旬の底冷えする浴室であっても彼、沢田綱吉は浴槽で毛布を被っり丸くなってすやすやと寝息を立てているのだから
「起きなさい沢田綱吉!」
「うううう、ああ。おはよう暁美さん」
「おはよう、ソファーを使えと言ったのにあなたまたこんな所で寝て。いい加減風邪をひくわよ」
「いやー、そうは言ってもやっぱり女の子と一緒の部屋っていうのは…ちょっと…」
「そう、私も酷く嫌われたものね」
「別にそーゆう意味じゃなくて、オレ個人の問題っていうか、親御さんに申し訳ないっていうか!」
「冗談よ。せめて今度からは浴室暖房を使いなさい」
「うん、ありがとう。あれ、この匂いってもしかして味噌汁?」
「インスタントだけど朝食の準備が出来てるわ、食べながら今日の予定を説明するわ」
沢田綱吉との共同生活が始まって今日で三日目、当初に比べれば幾分マシにはなったが、呼び方と寝場所だけは未だに変わらないまま2人でテーブルに付く
「頼まれてたヘッドフォンの修理だけれど、やはり幾つか部品が壊れてたわ。その中で一個どこの店で聞いても分からないパーツがあるのよ」
「え! じゃあ治らないの!?」
「いえ、一軒だけ特注で作ってくれる工房を見つけて、無理を言って一日で仕上げてもらったわ」
「一日で?!」
「ええ、でもさすがに一日じゃあ半分ぐらいしか出来なかったらしいから、後の半分は昨日の夜に私が何とか仕上げたわ」
この2日間、私は手当たり次第に電気屋さんを回って修理に必要な物を揃えたり、軍にお邪魔して武器を拝借したりとあちらこちらを駆け回り、その上毎晩徹夜で作業をした。魔法で体力を上げているから身体的な疲労は感じないが、どこか無理が出たのだろう私の顔を見て沢田綱吉が口を開く
「本当にごめん、何から何まで迷惑かけて」
「その言葉何回目よ。いいわよ、困ったときはお互い様って言うでしょ。それより…ほらこれでパーツの交換が全部終わったわ。スイッチを入れて通信してみて」
彼の前では綺麗事を言っているが、本当の所、私は彼の力を利用しようと考えている。今までにない沢田綱吉と言うイレギュラーはまさに暗闇に差し込んだ一筋の光。魔女を文字通り跡形もなく吹き飛ばした不思議な炎の力を使えばもしかしたらアイツも倒せるかもしれない。そう打算的に考えてしまう。
「頼むぞーー直っていてくれよーー」
祈るようにスイッチを入れる
ザーーーーーーーーーーー
しばらくの間嵐のような雑音が心の不安を巻き上げ、そして
ザーーーじゅ……いめ…ザーーーーー応答……ますザーーーー
「もしもし、こちら沢田綱吉!!誰か!誰か聞こえる!?」
わずかだが人の声で「応答」という単語が聞き取れた。しかしそれ以上は聞き取れず、彼は必死でヘッドフォンに耳を澄まし叫び続ける。
「ちょっと待ちなさい、通信回線の接触不良みたいね」
なんとか沢田綱吉からひったくり中の配線を再度確認すると、一箇所締めの甘い所を発見した。その間も沢田綱吉は私の背後から食い入るように覗き込んできている。
「影になってよく見えないわ、離れなさい」
「ごめん、でも…その…」
落ち着かない様子で周りをウロウロされながらも調整を続け
「よし、これでいいはずよ」
「ホント!? じゃあさっそく!!うわあ」
「だから近いって!ってきゃああ!!」
勢いよく近づいて来た彼はコンセントにつまずきこちらに倒れ込み、その衝撃でスイッチが入ったらしくヘッドフォンから声と続いて映写機能が復活した
「十代目ーーーー!大丈夫ですか?お怪我はありませんか?!」
「ツナ!!今どこだ?無事なのか…おい獄寺押すなって!ああハル!!」
「ツナさーーーーん、生きてますか?今ハルが助けに…ってうわあ!」
「お前らちょっとどいてろ!!おい、ツナ聞こえるか?ジャンニーニ!すぐに映像を繋いでくれ…」
「少々お待ちを……」
そしてそこには黒スーツに身を包んだ赤ん坊の姿があらわれ、こっちを見て一瞬固まった後
「テメェ、ダメツナ!俺たちが寝ずに探してやってたってのに、いつから女の家に転がり込むような下衆に成り下がりやがったんだーーーー!」
ホログラムとは思えない程の気迫で捲し上げてきた。
「ヒイイイィィィ! 違うんだリボーンこれには理由が」
「ちょっと!!沢田綱吉、どこ触ってるのよ」
「ツナやるなーー」
「十代目はそういう女が好みだったんですか!?」
「うううううう、ツナさん不潔ですううううぅぅぅぅ」
「俺を前にしてイチャつき出すとはいい度胸だ!!ボンゴレの名に置いて今ここで果てろ!」
「だからこれには深い理由がーーーーー!!」
「(もう何よ……これ…)」
「んで、お前の話しをまとめると、つまりランボの10年後バズーカに当たって10年後に飛ばされるはずが、何故かそこの嬢ちゃんとぶつかって気付いたら違う世界で、そんで仕方なく泊めてもらっていると…」
十数分間のいざこざがあった後、ようやく落ち着きが戻った。その間ヘッドフォンの奥からは男女数人の大声も加わり初めて一軒家で良かったと思った
「うん、そうそう。だからリボーン、何もやましい事は…」
「情けねえ!!テメェもボンゴレの端くれなら女子中学生になんか頼ってねえで自力で帰って来い!!」
「女子中学生なんかが御宅のボスを助けてしまって悪かったわね」
「おっと、こりゃすまねえ挨拶が遅れたな。チャオっス!オレの名前はリボーン、そこのダメツナの家庭教師だぞ。さっきのは言葉の綾だ、嬢ちゃんには色々迷惑かけてるみてえだな。ボンゴレを代表して礼を言うぞ」
噛んだのか、言い間違えたのか、聞き慣れない挨拶と簡単な自己紹介を受ける
「礼なんていらないわ。それよりも、あなたもあの突拍子も無いSFまがいの話しを信じるの?」
「鵜呑みにする訳じゃねえが。どこ探してもツナの反応が無くて、何処かの地下に監禁されてるか殺されてるかと思ってた所にこれだからな。そっちの位置の逆探知もしてんだが多分無理だろうな。今は嬢ちゃんから貰う情報を信じるしかねえんだ」
「そう。私は嘘なんかつかないし、可能な範囲で協力もするわ」
「ありがとう!暁美さん!」
「別にいいわよ。それより、私これから行く所があるから、少し家を留守にするわ」
「ああ、戸締りは任せろ」
そう言って異世界の客人2人を残して家を空ける。
少し気が引けるが今日はそんな事を気にしていられない理由がある。この日は今までの経験上魔女が表れる日なのだ。
しかも、今回は新たに試したい事もある為、早めに魔女結界が出現する前にポイントに先回りしておきたかった。
この時のほむらはその事ばかりに頭がいってしまっていて背後を付ける2つの影に気付けなかった
<011>
ミルフィオーレへの殴り込みもうまくいって、来週に対白蘭戦を控えた大事な時期にツナが中学校に行きたいっつうから行かしてやったのに。その結果行方不明になって基地では上を下への大騒ぎだった。
それがその日の深夜に連絡が入った時にはジャンニーが機材に飛びついて通信を始めたんだ。オレも赤ん坊の体には逆らえずに熟睡してるとこを起こされたんだ。それなのに女と寝てる映像が映った時には思わずホログラムなのを忘れて飛び蹴り入れちまったぜ。
そっからはしばらくツナの言い訳もとい状況説明が始まった
その内容はC級のSF映画の台本を聞いてるかと思うほど信じられない物だったが、今はそれでも信じるしかねえ
「別にいいわよ。それより、私これから行く所があるから、これで失礼するわ」
そんな話しをしてると暁美ほむらと名乗る嬢ちゃんが用があると言ってさっさと俺らを残して出て行っちまった。
「はああ、リボーン達と連絡出来て本当に良かったーーー。このまま皆の声を聞けないままこっちで過ごすことになるのかと不安になっちゃってさー」
「あっ、そういえば皆は?さっき山本達の声が聞こえたと思ったんだけど、早く皆にも無事を伝えたいなー」
ドアのしまる音と共にツナの緊張した顔が和らぎ、堰を切ったように言葉を投げかけてきた
「そんなに一度に話されても頭に入って来ねえよ、皆にはちゃんと伝ええてあるからちっとは落ち着け」
「あ、うん。ごめん…」
「まあお前の気持ちも分からんではないがな。それにしてもあの嬢ちゃん、ありゃあただの女子中学生じゃねえな」
「そりゃ、信じらんないとは思うけど。暁美さんは本当に魔法を使うから」
「そうゆう意味じゃねえよ、それよりこれでやっと落ち着いて話しが出来るな」
「どうゆう意味?話し合いなら暁美さんがいる時にした方が」
「なんだ、ツナはあの嬢ちゃんに惚れちまったのか?」
「べ、別にそういう訳じゃあ!!」
「お前も感じたんじゃねええか。あの嬢ちゃんの目を見て…」
「そ、それは…まあ…苦労してるんだなあとは」
「そんなんじゃねえ、あれは…人を殺した事のある奴の目だ。見れば分かる」
「んな!!!」
「ボンゴレの10代目が小娘1人にビビってんじゃねえ。それより今日はお前が飛ばされてから何日目なんだ?」
「え?何日って三日目だろ?そうだ!早く帰らなくちゃ皆も心配するし、四日後には白蘭とのチョイスが!!」
「まあ聞け、いいかこっちではお前が飛ばされてからまだ一日経ってねえんだ」
「だから何とかそっちに戻る方法を………って、えええ!?」
「こっちは今深夜だぞ、だいたいそっちの四分の一の速さってところだな」
「じゃ、じゃあオレ本当に違う世界に来ちゃったんだ」
「そー心配すんな。必ずお前を助ける。ボンゴレを信じろ。俺を信じろ。仲間を信じろ。」
「リボーン…」
「それにそっちにいた方が四倍長く修行出来るんだからな!」
「それが本音だろ!!」
「時間がもったいねえ、ちょうどジャージを着てるし、まずは軽〜くランニング40キロだぞ!! 」
「ヒイイイィィィィ」
さっそくツナにトレーニングメニューを言い渡し、家の外へと誘導する。
「よし、大丈夫だな。もういいぞツナ」
オシャレな家々に囲まれた町中をツナが走りだして役10分後、周囲に人がいないタイミングを見計らって声をかける。
「え?まだ10キロも走ってないよ?」
「バカ野郎、今のお前が40キロなんて距離走ってもトレーニングになんてならないに決まってんだろう」
「あっ!わかる? 毎日トレーニングしてたから、これぐらいなら」
「明日からは20キロの重りを背負って80キロ走るんだぞ」
「えええええええ!!!」
「(こいつはすぐ調子にのる悪い癖がある。でも前までは自信が無くてビクビクして調子に乗る余裕すら無かったのを考えると幾分いい傾向なのかもしれなえな)」
「それより、お前気付いてたか? あの部屋隠しカメラと盗聴器、合わせて10個以上あったぞ」
「え!それっていわゆるストーカーってやつじゃあ」
「それはねえだろう、いくらなんでも数が多すぎだ。おそらく嬢ちゃん本人が仕掛けたんだろう」
「………それって…オレが監視されてたって事?」
「だろうな、女の部屋に冴えない男が一人で居たら何されるか分かったもんじゃねえからな」
「な、何もしないって!!!」
「それにしてもあの数は普通じゃねえ。一般じゃあ手に入らねえ物もあった。その点でもただもんじゃねえな」
「ん?…ちょっと、じゃあさっきの部屋での会話ヤバかったんじゃない?!スゲー陰口言っちゃってたじゃん!!」
「だから、たかが小娘1人にビビってんじゃねえ。それにあの方が自然だっただろう」
「それでいいのかな…じゃあオレを外に連れてきた目的って………まさか…」
「ああ、あの嬢ちゃんを追跡するぞ!安心しろ発信機は付けておいたぞ」
「やっぱりいーーー!!、てかいつの間にーーー!!」
そうして俺とツナはランニングを止め、発信機の電波をもとに繁華街へと走りだした。