魔法少女まどかマフィア(まどマギ×リボーン)   作:junior

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第九話「進化」

 

<012>

 

 

コンタクトレンズに映し出されるレーダーの反応を頼りに賑わう商店街を歩く、人前でホログラム映像は目立ってしまうので極力使わず、現在はヘッドフォンによる通話のみで連絡を取り合っている。

 

 

「だんだん反応が近づいてる。さっきまではここら辺をうろついてたけど今は一箇所で止まってるみたい」

 

 

「よし、今のうちに距離を埋めとくぞ」

 

 

「何か大事な用があってここにきたのかな?」

 

 

「反応から考えるに普通に買い物してるって感じだな。このまま大人しく家に帰っちまったら拍子抜けだな」

 

 

リボーンのそんな呑気な声が聞こえたのか、次のタイミングにはレーダーの反応が画面上からロストしてしまった。

 

 

「え? 反応消えっちゃったけど、もしかして気付かれたんじゃ!!」

 

 

「待て、俺が付けた発信機は小さい分電波が弱いんだ。だから地下なんかに入られるとロストしちまうんだ。とにかくロストしたポイントまで急げ」

 

 

「分かった。   あっ!反応復活した……ってなにこれ機械壊れてんじゃないの?」

 

 

反応はロストポイントから離れた地点で復活した後もロストと復活を繰り返しながらかなりの速さで移動し始めた

 

 

「こっちでも確認した。理由は分かんねえが機械は正常らしい。シグナルも消え消えだがちゃんと機能してるみてえだ。それにしてもすげえ速さだ、車並の速さで移動してるぞ。このままじゃ電波の圏外に逃げられる!!」

 

 

「どうしよう、今お金無いからタクシーも使えないよ!」

 

 

「バカ野郎!!地図と照らし合わせて見ろ、反応は路地裏を進んでるんだぞ」

 

 

「なにそれえぇー」

 

 

「しょうがねえ、ツナ!!超死ぬ気モードになれ。せっかく化けの皮を剥いだのにマジで見失っちまうぞ」

 

 

「化けの皮って、リボーンあの話し信じてなかったの?」

 

 

「たりめーだ、あいつもこっちの話し信じちゃいねえだろうし……それに…」

 

 

「それに?」

 

 

「あのアマ!俺の姿見た瞬間鼻で笑いやがった!!」

 

 

「それが本音かよーーー」

 

 

リボーンの暴露を聞きながらも、なお反応は移動を止めない。

 

「(仕方ない、飲むしかないか)」

 

 

近くの物陰に隠れツナはポケットの死ぬ気丸を取り出し、一個飲み込む。

 

 

「ここに来てさらにスピードが上がってる!? ジャンニーニ! 最短ルートを検索してくれ、リボーンは音声でナビを頼む。コンタクトで道を確認してたら追いつかない!」

 

 

「お任せあれ」

 

 

ヘッドフォンの向こうからは頼もしいボンゴレのエンジニアの声が返ってくる。

 

 

「目標の位置から最短ルートを逆算します、リボーンさんナビお願いします」

 

 

「よっしゃ、まずは3時の方向に50メートル行け」

 

 

リボーンの声を信用して道なき道を進みだす。見知らぬ世界に放り出され、未知の敵と戦い、見ず知らずの少女と暮らす。そんな生活を続けてきた為かどんなに狭い道でもリボーンの指示なら余裕を持って行ける、そう心から思えた。

 

 

 

 

<013>

 

 

決して沢田綱吉を敵対視しているという訳ではないが、信用していると言えば嘘になってしまう。今までに例を見ないイレギュラー故にその言動には注意してし過ぎるという事はないだろう。

 

 

家を出て数分、私がいない所では本音を話すはずと隠しておいた盗聴器を聞いてみると…まさか人殺し呼ばわりされるとは思わなかったけど、彼らの会話の内容は今までの説明と同じものだった。

 

 

「(陰口を言われただけでそれ以上の情報は聞き出せなかったわね。でもまさかホログラム映像機能が付いてたなんて、驚きね)」

 

 

しばらくするとランニングに行ってしまったようで、そこで盗聴器は切り、商店街に向かい目当ての物を買ってから路地裏に隠れ、魔法少女に変身して盾の中に物を収める。

 

 

「仕舞ってっと…… 魔女結界が表れるまではまだ余裕があるけど…ちょっと試してみようかしら」

 

 

そう言うと左手の甲に付いている菱形のソウルジェムを見つめ………そして

 

 

「………ックゥ!!」

 

眉をしかめ気合を入れる…すると

 

      

             ボワッ!!!

 

 

ソウルジェムから紫色の炎が僅かに発現した。

 

 

これに気付いたのは二日前に暴力団の事務所に武器を調達しに行った時だった、いつも通りに時間停止の魔法を使った際に違和感を覚えた。

 

「(あれ?軽い?)」

 

変な感覚だけど、そう感じてしまった。それからその違和感の原因に気付くまでは時間はかからなかった。ソウルジェムが異常に輝きを放っていたのだ。

 

 

「(まさか魔女!?)」

 

 

頭によぎったのは魔女に近づいた時の魔力反応だった。しかし先日から続くイレギュラーの連続によりこの時間軸が普通でないのは重々理解していたので取り乱しはしなかった、しなかったが気負いはする。

 

 

魔力を貯め、いつでも時間停止能力を発動出来る準備をした。その瞬間に炎が出てきたのだ。

 

 

彼に話すべきかとも思ったけど、未だ混乱している所に不確定な相談をしても困らせるだけと黙ったままでいる。

 

 

「(でも不思議な炎ね。熱くないし、見てると何か癒されるし、体の調子も良くなる気がするわ)」

 

 

 

新たな力を手にした喜びからなのか、結界発現ポイントまで時間停止を使った全力疾走で移動する。

 

 

「(凄いわ!この炎が灯っている間は体が軽いし、確実に魔力の消費も少なく済んでいる!)」

 

 

久しぶりに浮かれているとすぐに目的地に着いてしまった。今一度呼吸を整え、高鳴る胸を抑えていると案の定景色が歪みだした。

 

 

「………来たわね」

 

 

目の前には鳥人間のような姿の使い魔が数体迫ってきた。

 

 

「いつもなら使い魔は無視しているけれど、今回は久しぶりにかまってあげるわ」

 

 

実験その1:打撃攻撃

 

 

「まず時間停止…そしてゴルフクラブで殴る!!」

 

              ドゴ!!

能力を解除し確認すると、使い魔の頭は潰れて消滅した。

 

 

「筋力も上がってるようだけど…そこまでね。ボツ」

 

 

今さっき買ったばかりのゴルフクラブをポイっと捨てる。

 

 

実験その2:引火攻撃

 

 

「次はこれね」

 

 

再び時間を停止し盾の中からガソリンの入ったポリタンクを取り出し使い魔たちにぶっかけ、離れた場所までガソリンの導火線を引き、注意してガソリンにジェムの炎を近づける。

 

 

「これでどう? 」

 

 

だがやはりと言ったところか、ガソリンには発火しなかった。

 

 

「ダメか…ボツね。   次は…ん?」

 

 

次に移行しようと立ち上がる、が今までソウルジェムを付けていた地面部分にヒビが入っているのを見付けた。

 

 

「三日前の魔女を倒した時も彼の炎で結界ごと吹き飛ばしていたわね…と言う事はやっぱりこれも同じ炎なのかしら」

 

 

 

実験その3:衝撃防御

 

 

「これで最後ね、消えなさい」

 

残ったポリタンクを放り投げ、そこに栓を抜いた手榴弾も投げ込み大きな爆発を起こす。

 

 

ドゴーーーーーーン!!

 

もちろんこちらにも衝撃と熱風が襲いかかって来る、それを盾から魔力を込めて作ったバリアーで防ぐ。

 

 

「ふうう、耐久力もかなり上がってる。これなら戦術の幅も広がるわね」

 

 

実験の結果は上々。あとは魔女を叩くのみと結界の最深部に至る。そこには鳥かごの中に下半身だけの魔女が入っている。

 

 

「もう実験は済んだわ、あなたもこれで消えなさい」

 

 

再び先ほどのコンボを繰り出すべくガソリンと手榴弾を一緒に投げつける……のだが。

 

 

 

ガンガンガンガンガガンガガガガン!!!

 

 

 

それと同時にかごの中の魔女がいきなり激しい地団駄を踏みだし、それに伴い何処からともなく使い魔が大量に現れ、姿が見えなくなる程に魔女を囲みだした。

 

 

ドコーーーーーーン!!

 

 

爆風が辺りを覆い、視界が奪われてしまう。

 

 

しかしおかしい。

 

 

魔女結界が健在のままなのである。

 

やがて爆煙が晴れると魔女が依然と宙に浮かんでいた。

 

 

「使い魔が壁になったせいで仕留めそこなったの!? 小賢しいわね!でもあれならまとめて…」

 

盾の中からさらに威力の高いロケットランチャーを取り出そうと手をかけると。

 

ガンガンガンガンガガンガガガガン!!!

 

 

またしてもあの足踏み、すると今度は使い魔が束になって飛びかかってきた。

 

 

「そんなにむやみに突っ込んで来たって、横に回避すれば当たらない…んな!!!」

 

 

まさかである、突進を跳躍で躱した直後。後ろから湧いてきた一匹が私の左手に飛びついて来るのに気付けなかった。

 

 

「この!!離れなさい!!」

 

 

なんとか振り払おうとするが物凄い力でしがみつかれてしまい中々離れない。

 

 

ガンガンガンガンガガンガガガガン!!!

 

 

またあの音が聞こえる。見るとまた使い魔が束になってこちらに突っ込んで来るではないか。

 

 

「(マズイ! コイツに引っ付かれてたら回避も!! どうする? とにかく早く回避を…ダメ!もう距離が近すぎる)」

 

 

なおも使い魔は速度を上げ迫って来る

 

 

「(仕方ない、ジェムを手の甲から切り離して、もう左腕は切断するしかない!!)」

 

 

思わぬ敵の連携に窮地に追い込まれてしまい、遂に究極の選択に至ってしまう。

 

 

が、それが実行に移される事は無かった。

 

 

「全く、危なっかしくて見てられねぇぞ!選手交代だな嬢ちゃん」

 

 

使い魔の第二波が襲いかかって来た直後、どこからか聞き覚えのある声が聞こえたと振り向いた瞬間、私は今度は右手を掴まれ回避行動を取っていた。

 

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