東方朱衛録   作:まほ労

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前回のあらすじ・・・・・・亀更新の結果、UAが500を超えてしまう作者であった。


純潔といえばキルラキルが面白かったです。(KONAMI)


ではでは。


第4話 白銀は純潔、あとピンクの下世話

「ふっ!」

刀が短いため、以前より簡単に霊力を流せた。嬉しい誤算。

 

 

対して少女は一度剣を鞘に収め、そして柄に手を掛ける。

 

 

 

...抜刀術か。

今がチャンスだと思ったのか、それとも決着を早めに着けたいと思ったのか。

 

 

 

・・・・・刀 対 実質小刀 。

 

 

確かに客観的に見ればこの状況、必ずしも有利になったとは言えない。

リーチは短くなったし、さっきのように攻撃を受けとめる事はもう無理だろう。

 

 

なので、もう防がない。

 

 

「つぁっ!!!!」

 

狙いはただ一つ。俺の首を真横から一刀両断するって所か。

 

なら、俺の狙いも一つだ。

横からの斬撃に少し前かがみになる。

そのまま下から俺の刀を、攻撃に合わせカス当てする。

これだけ真っ直ぐな太刀筋なら、力の流れは変えやすい。

 

 

 

 

 

 

 

彼女の「狙い」は、俺の頭をかすめて飛んでいった。

 

 

 

「なっ...!?」

 

 

 

 

 

 

動揺。時間にすればほんの数秒。

が、俺にとっては彼女が今までで晒した一番デカい隙だ。

 

 

 

 

「喰らえぇっ!!」

彼女の首元を狙って、刃を振るう。

 

「くっ! 符の壱『二重の苦輪』!!」

 

少女が何か言ったが、この状況なら俺が先に...

 

 

 

 

 

少し鈍い金属音。俺の勢いが止まる。

 

「えっ...?」

受け止められていた。刀に。

いや、()()()()()()()()()姿()()()()()

 

 

 

「分身...!?」

嘘だろお前。

ヤバい。こんな事予想外だ。

あんな奴を二人同時に相手するのは、俺じゃ不可能だ。

とりあえず一旦間合いを取って作戦を...

 

 

 

「...これで終わりです。」

 

背後から、刃先を向けられる。

 

...三人目、か。

まずい。

これじゃあ、もう俺に勝ち目は...

 

「・・・・・む」

 

「せめてもの弔いです。貴方の魂は丁寧に管理してもらうよう、私の方からお願いしておきます。」

 

「・・・うむ〜」

 

『勝ち目がないから』

 

...だからって、ここで死ねるかってんだよ。

そうだ。ここで彼女(オリジナル)をどうにかして殺せばいい。

彼女から逃げ切ってもいい。方法はいくらでもある。

 

「よーうーむー!」

 

考えろ。どうすれば、この状況を打開できる?

どうすれば、もう一度彼女に隙ができる?

どうすれば、俺は死なずに済む?

クソっ、どうすれば...

...ん?

 

 

「妖夢ぅぅぅ!!!!!」

 

「ひゃあぁぁぁあっ!」

 

いきなり現れたピンク髪の女性は、俺の思考も彼女の殺意も吹っ飛ばした。

 

「ゆ、幽々子様!?」

 

「もー、妖夢ったら酷いわ。全然気づいてくれないなんて〜。あ、それと、そこにいる子は一応客人だから、案内してあげて頂戴。」

 

「は、はぁ...」

 

そう言うなり、その人はスキマに入っていった。

 

 

残されたのは、さっきまで刀をぶんぶん振り回し、相手を殺さんとしていた二人。

 

 

うわぁ気まずい...。

 

「あー・・・・」

呼びかけるつもりで、いや、この地獄のような間から一刻も早く抜け出したい一心で、曖昧な声を出す。

 

「はい。えっと...そのー...

 

つ、付いてきてくださいっ!」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「じゃあ、とりあえず自己紹介からね。私は西行寺 幽々子。白玉楼の管理者をしているわ。」

と、ピンク髪の女性。

 

「朱です。一応、紫さんの所で働いています。」

 

「えっと...魂魄 妖夢といいます。その...先程は申し訳ございませんでした。まさか客人とは思わなくて...」

 

そう言って妖夢さんは頭を下げる。

 

「いや、でもあれって完全に...」

 

「ええ。妖夢はホントにこういう単純な手に引っかかってくれるからね〜。そういう所は面白くて大好きよ。」

 

「そ、そんなぁ...」

 

「さて、もう私達がグルだってバレたわけだし、もう出てきていいわよ、紫。」

 

幽々子さんがそう言うと、紫さんがスキマからひょっこり現れた。

 

「呼ばれて飛び出て〜ってね。久しぶり、朱。」

 

「まだ半日も経ってませんよ。それより、やっぱり紫さんが仕組んでたわけですね、さっきの戦闘は。」

 

「貴方の修行の成果を見たかったしね。まぁ、それなりに頑張っていたわよ。」

 

「そうよ。妖夢とやりあって無傷なんて、普通の人間じゃ珍しいと思うわ。紫、この子一体何者?」

 

「そうね...。強いて言うなら・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・『藍の未来の旦那さん』ってところかしら。」

 

 

 

 

 

いやいや、返事になってないし。

単にそれを言いたかっただけでしょゆかりさ...

 

 

 

 

 

 

...はい?

 

 

「あらあらあら。そぉれはまた素敵な話じゃないの!」

 

「け、結婚...旦那さん...はわわ...」

 

 

いやいやいやいや、ちょっと待ってください。またしても初耳なんですけど。

あろうことか藍さんなんですか!!!????

俺を殺す気マンマンのあのバイオレンス九尾と俺は結婚するんですか!!??

 

 

「と言うことは、よ。紫、二人のナニでソレな場面もその気になれば観れるってワケ⁈」

 

いや、なんて事口走ってくれちゃってるんですか!

 

「フッ、元からそのつもりよ。」

 

ドヤ顔、即答。嗚呼、ダメだ、この人達は。

 

「最っ高よ紫!!長年生きてきたけれど、まさかこんなに他人の色恋に首を突っ込みたくなるなんて初めてだわ!!」

 

「せっかくだし、此処で色々と決めちゃいましょ?何かないかしら、記念になるものとか...?」

 

「とりあえず、○夜の風景くらいは録画しておきたいわね...それに...」

 

 

なんか始まってしまった...

 

 

と、肩をポンポンと叩かれた。

 

「その...一旦ここから出ませんか?私じゃあ、こんな話は...着いていけないので...」

 

ナイスアイデア、妖夢さん。

「ええ、俺も一刻も早く出たいです。」

 

 

俺と妖夢さんはそそくさと退出した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「一つ、いいですか?」

 

「ん。何か?」

 

「あのですね...えっと...」

 

おう何だ何だ。

 

「藍さんとは、本当にお付き合いを...」

 

「ないですからね!!!マジで!!あれは紫さんが勝手に言ってるだけですから!」

 

「そうでしたか。すみません、失礼な質問を...。あまり聞き慣れない言葉だったので...」

 

確かに、幻想郷に来てから一度も男に会ってないな。

 

妖夢さんはため息をつく。

「私は、ずっと強さを求めて生きてきました。全ては、幽々子様をお守りするために。半人前の自分から抜け出すために。」

 

「だから...主人に仕える身であるのに、他の事に手を伸ばそうとする貴方を、私は矛盾しているように思ったんです。」

 

「あっ、本当にごめんなさい!こんな悪い言い方で!でも、一つだけ聞かせてください、朱さん。

 

 

 

貴方は何の為に、強さを求めるのですか?」

 

 

はっとする。

妖夢さんは、「自分の力は、他の人の為にあるのだ」と、そう決めているのだ。

 

...俺は何なんだろうか。

八雲という家の為?

紫さんの為?藍さん、橙の為?

そんなこと、思った事なんてなかった。

 

「自分の為、ですよ。ほとんど妖夢さんとは真逆ですかね。俺には、幻想郷で生き残れるだけの力が無いですからね。」

 

これが率直な理由だ。

 

「というか、俺からも一ついいですか?」

 

「何を聞きたいの?」

 

「うぉあっ!!」

突然、変な角度から声をかけられる。

 

「紫さんかぁ...全く、びっくりしましたよ〜。」

 

「ごめんなさいね、話を遮っちゃって。こっちの話がすんだし、もう帰ろうかしらと思ってね。」

 

...話し続けては欲しくなかったけど、済んでしまうのもそれはそれで嫌な気がする。

 

「で?質問はいいの?」

 

「いや、次までにもう少しマシな奴を考えてきます。」

そもそも、他人に聞かれてまでする質問ではないので。

 

「そう。じゃあ、帰りはスキマで送ってくわ。適当に別れの挨拶だけ済ませちゃいなさい。」

 

そう言うと、紫さんは先に行ってしまった。

 

「えーっとー。また、機会があったら会いましょうね。」

 

「はい。ではまた今度。」

 

軽く言葉を交わし、俺は白玉楼をあとにした。

 

 





一応言っておくと、妖夢ルートはありません。

剣道部を半年経たずしてやめた男に、戦闘描写は難しかったの巻。
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