なんか犬みたいな後輩に懐かれた話   作:アゲキツネ

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お久しぶりっす。
サブタイはそんな関係ないです。


美少女がむせた後に上目遣いでこっち見てくるのってなんかエロい

真姫が去ってからはそのまま家に帰ってきた。

先生にはバスケは控えるようにと言われたが、大丈夫なラインは大体教えてもらったのでこれからはそれに準じてやって行こうと思う。

取り敢えずランニングにでも出ようかとジャージに着替えて再び外へと出向く。

ランニングコースは特に決めておらず、気の赴くがままに走っている。

暫く一人でランニングをしていると少し前の方を園田が走っているのを発見したので声をかけることにした。

 

「園田。」

「ひゃっ!?」

大声を出すのも良くないと思い少し追いついてから声をかけたんだが、彼女から聞こえてきたのは可愛らしい悲鳴だった。

そんな園田は俺の姿を確認して安堵するとともに、悲鳴のことを思い出してか少し気恥ずかしそうにしていた。

 

「南雲先輩、いきなり声をかけないでください。」

「悪いな。」

 

軽く会話をするだけそれからは何を言うでもなく並んで走る。俺が園田のコースに合わせているからほんの少しだけ後ろに付いているが。

 

「あの、今朝言っていたことなのですが……。」

「ん?あー、考えてみたか?」

「はい。変な噂というのは、その、こ、恋人だとかそういうものですよね?」

「そうだな。嫌だろ?」

「たしかに噂されるのは嫌ですが、それで南雲先輩と疎遠になるほうが嫌です。あの二人も同じですよ?」

 

園田たちが出した結論には面食らった。

嫌は嫌でももっと嫌なものがある、か。そんな風には欠片も考えなかったな。

本当に、よく懐かれたものである。これで出会って二、三日しか経っていないのだから信じられない。

 

「ですから、そんなものは気にせずに付き合ってくれると嬉しいです。」

「そうかそうか。お前達の思いは嬉しいんだがな、もう一つの噂については考えなかったか?」

「もう一つ、ですか?」

「そ。悲しいことに、俺のことが嫌いなバスケ部員が沢山いてね。色恋沙汰なんて微笑ましい噂ならいいんだが、もっと悪い噂にされる可能性だってあるんだよ。」

「……その発想はありませんでした。」

「俺がお前らに無理やり~って感じならまだいいんだけどな。俺のせいでお前らまで悪く言われるのも酷い話だと思うわけ。」

「そこまで私たちのことを考えてくれていたんですね。思い返してみれば、クラスの男子達も先輩のことを悪く言っていたような気がします。」

「そういう奴らがいるんだ。だから、その辺もう少し考えておいてくれ。」

「……分かりました。穂乃果たちと話し合って決めます。」

「じゃ、この話は一旦終わりにして。この間言っていたランニングでもやるか?」

「っ!望むところです!!」

 

俺とこいつらの関係については三人に決めてもらわないといけないので話を切る。そこで、さっき思い出したランニングの件を持ち出してみたんだが園田はさっきまでの真面目な感じから一転して目をキラキラと輝かせていた。

先ほどと打って変わって俺が少しだけ前に出て、園田がそれについていく形になる。

 

「スピード上げるけど問題ないか?」

「勿論です!」

「いい返事だ、な!」

「っ!」

 

園田のやる気に応じるようにして速度を予定よりも少し速めに上げる。一瞬、驚いたように目を見開いていたがスグに真剣な表情になって追随してきた。

なかなかやるが、果たしてこの速度でどれほど持つかは見ものである。この感じなら、間違っても俺が園田に負けることは無いだろう。

 

高みの見物、とでもいこうか。

 

 

 

~★~★~★~

 

 

 

「ま、まだまだ……。」

「そんな格好で言われても。」

 

あれから園田はなかなかの粘りを見せていたが、精神力でカバーしていた分も使い切ってしまいバテバテである。

そろそろ無理そうなので近くの公園で走るのを止める。

後ろの後輩はと言えば、止まった瞬間に膝から崩れ落ちて四つん這いになりながらもまだいけると口にしていた。

 

「その精神力は大したもんだと思うが、今日はこの辺にしておこう。」

「い、いえ……ゴホッ、まだ、いけます!」

「いや無理だろそれ。」

 

取り敢えず近くの自販機でスポーツドリンクを二本買って片方を園田に渡す。

一応、一気飲みはするなと忠告するが彼女ならその辺りは心得ているだろう。現に、数口ずつ飲んでいる。

「ちなみに、今ので半分くらいだ。」

「っ!ごぼっ!?」

「と、飲んでる途中に言うんじゃなかったな。すまん。」

 

普段走っている距離を告げると、驚いた園田がむせてしまった。

口から垂れる液体はスポーツドリンクかはたまた……、なんて考えるとエロいな。涙目なのもいい。こっちをキッ!って睨んでくる感じがまた背徳感をそそる。

俺だって一男子中学生なんだからこの位の妄想をするのは当然である。

 

「……お見苦しい所をお見せしました。」

「いや、俺も配慮が足りなくてすまんな。」

「先輩の体力は凄いのですね。私も見習わなくてはいけませんね。」

「俺ほどは必要ないと思うが……。」

「いえ、私もまだまだなんです!きっと追いついて見せますから!」

 

力強い眼でこちらを見つめてくるが、如何せん体はバテバテであるためどこか格好がつかない。

公園で少し休憩をして園田を家まで送ることに。

走って帰るとかほざいてたから軽く頭を叩いて歩くように言った。

不服そうであったが、その表情も仕草もこのあいだの高坂と同じでただ可愛らしいだけだった。

それで、いざ帰ろうと歩き始めたんだが、二、三歩歩いたところで園田が崩れ落ちた。

 

「すみません。足が動かない様です。」

「はぁ、どんだけ無茶してたんだよ。」

「うっ……。」

「まぁ、気づけなかった俺にも問題があるからな。すまない。」

「いえ、自業自得です。」

「しかし困ったな。おぶってやってもいいが俺も汗かいてるし……。」

 

園田をおぶること自体はわけないんだが、如何せん汗をかいているからあまり触れたくはないだろう。

そうなると、園田の足が回復するまで待つしかない。

取り敢えず手だけ貸してベンチへと座らせる。

 

「あの、私は構いませんよ?」

「へ?」

「その、おぶっていただけるなら、ですけど……。」

「……止めとけ。後々に後悔するから。」

「そうでしょうか?」

「これが急病とかだったらすぐ様運んでるが、少し休めば歩けるくらいにはなるだろう?」

「それは、多分。」

「それなら待つ。」

「……はい。すみません。」

「気にするな。別に嫌じゃないしな。」

「そうなのですか?」

 

嫌じゃないと言った俺にそう質問する園田。

噂の件について言ってあるからこの状況も好ましくないと思ってるんだろう。

 

「お前達自身が嫌いなわけじゃないからな。それに、誰も見てないなら噂も立ち用がないだろ。」

「そうですか。南雲先輩は優しいんですね。」

「ただの自己満だ。」

「ふふ、そういうことにしておきます。」

 

俺の返しに園田は笑ってそう言った。

笑うくらいには余裕が出てきたのならそろそろ大丈夫だろう。

 

「行けそうか?」

「はい。もう大丈夫だと思います。」

 

園田は立ち上がって大丈夫だと意思表示してくる。

それならと俺も立ち上がってゆっくりと歩き出す。園田の家は昨日送ったばかりだから大体どのへんかは覚えている。

 

「南雲先輩は、私たちのことをどう思っていますか?」

「どうした?いきなりだな。」

「私たちは会ってまだ短いですが、こんなに早く男性と話せるのが自分でも不思議でしょうがないのです。それに、日頃から穂乃果やことりに男性に気をつけろと言っているのですが……。」

「今の自分は人のこと言えないと思ったか?」

「はい。」

「まぁ、たしかに警戒心が足りないとは思う。俺もそこらの男子生徒とそこまで変わらない訳だし。」

「それは違うと思います。」

「どうして?」

「私たちはクラスの人や先輩たちからも、その、こ、告白とか受けてるんですよ?でも、そんな人たちと先輩の態度は全然違うと感じています。」

 

告白の件は顔を赤らめて言う園田。たぶん恋バナとか苦手な部類の子なのだと思う。

「全然違う、ね。」

「はい。雰囲気というか、あまり上手くは言えないんですが……。」

「まぁ、それはいい。けど俺がそいつらと同じ下心を持っていない訳じゃないんだがな……。」

「そ、それはどういう……!?」

「いや、普通にお前ら美少女だし。今も多少なり緊張してるんだが?」

「び、美少女……。」

「そんな訳だから今の段階で全幅の信頼を寄せるのは違うと思うぞ?園田が感じている、雰囲気がいいからその人に近づくっていうのは何もおかしな所はない。そうじゃなきゃ友達なんか出来ないからな。だけど、その後しっかりと見てから信頼してほしいね。他の人に対しても、俺に対しても。」

「……分かりました。」

「分かってくれて嬉しいが、これだと園田の気にしてることにはあまり触れられてないな。」

「いえ。大丈夫です。少しだけ胸のモヤが晴れた気がします。」

「そら良かった。と、着いたな。」

 

園田家には二度目の来訪だが、相変わらず風格のある家だ。聞いた話によると家が日舞をやっているらしい。他にも剣道場もあるんだとか。

 

「ありがとうございました。先輩もお気を付けて。」

 

園田は感謝を述べて、綺麗な礼をしてから帰って行った。

園田を見送ってからはランニングを再開することにした。何だかんだ言って半分しか走っていないため少し物足りないと感じていたからな。

ランニングを終えて家に帰ると、携帯にLINEが届いていた。

確認してみると、園田からで今日のお礼と明日空いているかが書かれていた。

明日は土曜日だが、部活を辞めた今は曜日に関係なくほとんど暇だ。

 

「暇ですよ、と。」

 

メールを返信すると今度は電話がかかってきた。

園田からの着信だろうと思いすぐに出た。

 

『あ!出た!先輩こんばんわ!!』

「どうもって高坂か。」

『私達もいますよ。南雲先輩、先程はありがとうございました。』

『せんぱい、こんばんわ。』

「あぁ、グループ通話なわけね。」

 

てっきり園田との通話だと思っていたからいきなり聞こえてきた高坂の声に驚いてしまった。

その後に続いてた園田と南の声を聞いて、これがグループ通話だと気がついた。

用件は、もしかしなくても園田に話していたことだろう。

 

『海未ちゃんから先輩の話を聞きました。』

『私たちのことを気遣ってくれてありがとうございます。先輩って意外と優しいんですね!』

「意外とは余計だ。」

 

予想通りと言ったところか、南と高坂が話を切り出す。

少し早いが答えが出たということだろうか?

 

『私は先輩と仲良くなりたいです!だから、悪い噂が立っても大丈夫です!』

『穂乃果ちゃん。それだと南雲さんが気にしちゃうと思うな。』

「南の言う通りだな。」

『全く穂乃果は。南雲先輩、ランニングの時は詳しく聞けなかったのですが、私たちは普通の先輩後輩として親しくするのは難しいのですか?』

「……噂が立つとは言ったが可能性があるってだけの話なんだけどな。それに、悪い噂についてはバスケ部員しか作らないだろうし。」

『なーんだ。じゃあ、仲良くしてもそこまで問題無いんじゃないですか?』

「どういう事だ?」

『バスケ部員じゃない人たちを味方に付ければきっと悪い噂は消えますよ!』

『穂乃果ちゃんの言う通りだと思います。それにことりたちが違うって言えばきっと大丈夫だと思います。』

『そんなに深く考えなくてもいいのではないでしょうか?結局、先輩と後輩が話したりするだけなので。』

 

高坂たちの意見を聞いて、たしかに俺の被害妄想が大き過ぎたのではないかと思い至った。ネガティブ思考がまだ治っていないのかもしれない。

バスケ部を辞めたことであいつらが俺に興味を失ったならどこで何しようと気にしないかもしれない。

これは楽観視しすぎだろうか?

 

『大丈夫ですよ!なるようになります!!』

「それは楽観視しすぎだな……。」

『でも、私も穂乃果ちゃんに賛成です。』

『私もそうです。』

「うーん……。」

 

問題点があるとするなら、やはりこいつら全員が美少女だと言うことか?

園田の言っていたとおりなら、三人ともそれなりに告白をされているくらいには人気があることが分かる。それで、彼女達に好意を抱いている人達から恨まれたりしたら……、そうなっても対象は俺だから問題ないのか。三人に悪い噂がつかなければいいんだから。

「まぁ、ここまで後輩がそう言ってくれるなら応えないとな。俺としてもお前らが仲良くしたいと言ってくれるのは嬉しい訳だし。」

『と、言うことは?』

「まぁ、取り敢えず三人ともよろしく。」

『やったー!!』

『やったね!穂乃果ちゃん!』

「ただし!俺のことを信用するかどうかはちゃんと自分たちで見極めてくれよ?結局、俺達が出会ってから間もないのは事実なんだから。」

『『はーい。』』

「絶対聞いてねえな。」

『まぁまぁ。それ位二人共嬉しいんですよ。』

「なぁ?お前らはなんでこんなに懐いてんだ?」

『それは私にも分かりません。でも、それも関わっていくうちに分かるかも知れませんよ?』

「あっそう。……もうこんな時間か。」

 

壁にかけてある時計に目をやるとけっこうな時間話をしていたらしい。

話すことももう無いのでこの辺で終わりでいいだろう。

 

「じゃあ、また今度な。」

『えー!?せっかくなんですからもっとお話しましょうよ!?』

「それもまた今度だ。」

『絶対ですからね!?』

「はいはい。南と園田もおやすみ。」

『おやすみなさい。』

『今日は色々とありがとうございました。』

 

高坂に駄々をこねられたがバッサリと切り捨てて、ほかの2人にも一言告げてから通話を切る。

「本当によく懐かれたもんだ。」

 

これといって何をした訳でもないのに俺に構ってくる三人の後輩を思い浮かべて思わず笑みが漏れる。

三人が俺に懐いた理由も全く分からない。

自分で人柄がすこぶるいいとは微塵も思わないし、オーラなんてものも出ていないだろう。園田の言う通りこれから分かるのかもしれない。

 

どっちにしろ仲良くしてくれるなら万々歳なんだけどな?

だって美少女の後輩が三人仲良くしてほしいってお願いしてきてるんだぞ?俺が問題を抱えていなかったら即了承してたわ。

prrrrr

 

「また電話?」

グループ通話が終わってすぐにまた電話がかかってきた。

今度は表示されている名前を確認する。

 

「南?……もしもし?」

『もしもし。ことりです。』

「さっきぶりだな。どったん?」

『前に言ったこと、いつならいいかなぁって思ったんです。』

 

南の用件は俺の予定が空いているところを聞きたかったらしい。

先程まで高坂らのことは遠ざけようと思っていたから、言われるまですっかり忘れていた。

「あー、どうせ何も無いからなぁ。平日と休日だったらどっちのがいいんだ?」

『休日のほうが嬉しいです。南雲さんがよければですけど……。』

「全然構わねえよ。バスケ部辞めた今じゃ本当にやる事ないからな。」

『あはは……。』

「と、気を使わせちゃったか。悪いな。それで、出かける日なんだけどいつでもいい。」

『それじゃあ、明後日はどうですか?』

「日曜日ね。了解。」

『あ、10時に駅前でよろしくお願いします。』

「はいよ。こっちこそよろしく。それじゃあな。」

『おやすみなさい。』

 

日にちと集合場所を決めて南との通話を終える。

南の声はすごく甘い感じだと感じていたが、電話越しでもその声は健在であった。

眼福ならぬ耳福?である。

さて、俺の服を探してくれると言っていたが女子三人も集まればきっと彼女達のほうが服を見る時間は長いだろう。その辺は覚悟して望まなくてはならない。

美少女三人と出かけられるんだがそんなもの我慢してなんぼだろう。それに、今までバスケに熱中していたためこうして女子と出かけるなんてことは初めてだから楽しみでもある。何度かクラスで遊びに行こうという企画に誘われたこともあったがあまり参加したことは無いので新鮮でたま。

電話にけっこうな時間を費やしてしまったのでその後は勉強を軽くやっただけですぐに寝てしまった。

 

 




ほんとにどうでもいいけど、サブタイの美少女=海未ちゃんでした。
想像したら超絶エロいと思うんですけど皆さんどうですかね?

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