今回は愛宕編です。リクした方からすさまじい欲望という名のリビドーを感じた……これ意味一緒ですね(アホ)
執務室、今日も今日とて面倒な書類をさばいていく。慣れているので別段苦になる作業ではないが、晴天の中部屋に引きこもっていると、微妙に憂鬱な気分になるのは人の性だろうか。
と、いつもなら時々ブルーになるとこだが、今日は膝上に座る存在がつぶらな瞳で見つめてくるため、悪い気分ではない。
「後で遊んでやるから、もうちょっと待ってろ」
頭を撫でながら声を掛けてやると、「ワン」と嬉しそうに鳴いて大人しくしている、膝上の子犬。うむ、犬はかわいいな(確信)
「うふふ、し・き・か・ん? シキちゃん(犬の名前)に構ってお姉さんをほっとくのは酷いんじゃないかしら?」
「人の髪勝手に弄ってる癖して何言ってるんだ愛宕」
後ろでニコニコしている飼い主、もとい重巡洋艦の愛宕にツッコミを入れておく。そもそも膝にシキを置いたのはお前だろ。
「だってこうでもしないと、指揮官は逃げちゃうでしょ? せっかくキレイな髪をしてるんだし、色々試してみたくなるじゃない」
言いながら髪をサイドテイルに直していく。肩に掛かるから鬱陶しい。
「髪なんて見苦しくないくらいに整えておけば充分だろ」
「だーめ、いつも同じだなんてつまらないじゃない。持っている武器を色んな形で活かせば、もっと魅力的に映るわよ?」
「それで誰が得するんだ」
「お姉さんは嬉しいわ~」
結局自分のためじゃねえか。あとツインテールはやめろ、幾ら女顔でも痛々しい。
「~~♪」
上機嫌にこちらの髪を弄る愛宕。秘書官としての仕事は終わっているので別に構わないが、耳や首に指が触れるのは気を付けて欲しい。少しだけどこそばゆ――
「んっ……」
……首筋を撫でられて変な声が出た、恥ずかしい。愛宕はキョトンとした顔になっていたが、自分の指と俺を見て気付いたのか、「あらら~?」とどこか嬉しそうな声を上げる。
「ごめんなさい指揮官、くすぐったかったかしら?」
「……いや、別に平気だっ――おい、あた、ご」
明らかにボディータッチの回数が増えた。というか肩とか背中はわざとってレベルじゃないだろ。
「あらら、どうしたのかしら指揮官? お姉さんの指がそんなにいいの?」
クスクスとサディスティックに笑いながら、彼女の指は服の隙間へと――
「……」カキン
「うふふ、冗談よ冗談」
する前に刀を鳴らして脅しを掛ける。すると愛宕は笑いながら両手を上に掲げて降参のポーズ。明らかに冗談じゃなかっただろ。
「……」
「あらら、怒らせちゃったかしら。ごめんなさい、指揮官がかわいい反応するからつい悪戯心が、ね?」
「ね、じゃないだろねじゃ。何事にも限度があることは分かってるのかお前は」
「ちゃんと弁えてるわよ。そうじゃなければ刀で殴られてるでしょうし、本気で怒らせない範囲にしてるでしょ?」
「まず怒らせるなっての」
「それはあれよ、指揮官はからかい甲斐があるから無理かしら」
「……」
いっそ殴ってやろうかと思ったが、頭のケモミミが楽しそうに動いてるので言っても無駄だろう。何か最近こいつのS ッ気が増してるように感じるのは気のせいだろうか。
起こるだけ無駄かと、お茶を取りにいった愛宕の背中を見送りながら溜息を吐く。膝上のシキが慰めるように「クゥン」と言って? くれるのが唯一の救いだった。主人と違ってお前はいい子だな。
「はあ……やっと終わった」
「お疲れ様、指揮官。今日も遅くまでご苦労様」
「……」
お前が邪魔しなければもうちょい早く終わったんだがな、とは言わないでおいた。オイゲンにも言われたが、案外根に持つタイプなのだろうか自分。
「それにしても、最近は仕事が山積みで休む時間もないわねえ。指揮官、ちゃんと休んでるの? 目に隈が出来てるわよ」
「睡眠は取ってるぞ」
削ってはいるがな。
正直休めていないのは事実だが、それも仕方ない。アドミラル・シュペー襲撃の作戦から日を空けず、上層部から発表された『特別計画艦』のプラン。処理案件が重なって落ち着いた時間が取れないのも事実だ。もうちょっとスパンを考えて欲しいものだ。
まあ愚痴っても仕方ないし、目の前の案件を片付けなければ艦隊運営に支障を来たす。今が乗り越える時期と考えてやっていくしかないだろう。
「ん~……」
顔には出していないが見破られているのか、愛宕は困った顔でこちらを見つめていたが、
「(`・ω・´)ピーン!!」
何か思いついたらしく、いい顔でこちらを見る愛宕に嫌な予感しかしない。
「ねえ指揮官、折角だからお姉さんと一緒に休んでいかない?」
「あ? いや、後は風呂入って寝るだけだし」
「そういう意味じゃないわよ。まあいいか、ていや☆」
いつの間にか背後に回っていた愛宕が、掛け声とともに俺の両脇に手を入れて持ち上げた。
「うお?」
「女の子みたいに軽いわねえ。指揮官mちゃんと食べてる?」
「食べても太らない体質なんだよ、じゃなくて何すんだ愛宕」
「何って、こうするためよ」
ポス、と備え付けのソファに愛宕が座り、抱えていた俺を引き寄せる。簡単に言うと、後ろから抱きしめられてる状態だ。逃げられないようにか片腕を腹に回して。
「……なあ愛宕、動けないんだが」
「動けないようにしてるんだから当然でしょ? あん、あんまり動かないで。こっちも高ぶっちゃうわ」
「……」
妙な事される前に動きを止めたが、しかしこの体勢は色々厳しいものがある。後頭部が丁度愛宕のふくよかな部分に当たっているし、まるで包まれているような気分になる。
「……オイ愛宕」
「ほらほら、そんな怖い顔しないで、今だけはお姉さんに任せて存分に休みなさい? 何だったら触ってもいいから」
「さわらねえよ、後が怖いし。いや、だから後は寝るだけ」
「今の指揮官は寝るだけが休みになるわけじゃないでしょ? 眉間の皺がどんどん増えてるの、自覚してる?」
「それは元々だ」
「五本に増えるのは元々じゃないわよ」
お前らどんだけ俺の眉間を見てるんだ。
「今の指揮官に必要なのは心の休息よ。頑張るのはいいけど、一人で背負い込んで倒れたら元も子もないでしょ?」
「……普通にやってたつもりなんだがな」
言い訳するように呟くと、愛宕は仕方ない子ねと自愛の表情で更に引き寄せる。むぎゅ、と顔の半ばまで胸部に埋まるが、抗えぬまま頭を撫でられる。
「ほら、指揮官。何だったらお姉さんに全部身を任せてもいいのよ?」
「そんな、ダメ人間、みたいなことは、しない」
撫でられつつ抗議するも、瞼が重くなってきた。人前で眠ってしまうなど、俺も鈍ったか。
「あら、残念」
多分笑っているだろう愛宕にそれ以上は何も言わず、意識を落ちていくに任せる。
ありがとな、とは言葉に出さず、彼女のぬくもりに包まれたまま眠りについた。
「指揮官、指揮官?」
「スゥ……」
「……よっぽど疲れてたのね。普段は猫みたいに警戒心高めだから、寝顔なんて見れないのに。
ふふ、こうやって寝ている姿はまるで子供ね。普段からこうしてればカワイイのに」
抱きしめから膝枕の体勢に変え、微笑みながら幼子のように眠る指揮官の頭を撫でる。童顔で女顔、制服に包まれた華奢な四肢、普段の不機嫌そうな面持ちは鳴りを潜め、穏やかな寝息を立てている。
「……ああ、やっぱり指揮官可愛いわあ。こんな無防備な姿見せられたら、お姉さん我慢出来なくなっちゃうじゃない。
……ちょっとくらい、悪戯してもいいわよね? というかここでお預けすると、私の方がどうにかなっちゃいそうだし」
じゃあ失礼して、と一人結論付けて顔を近づけるが、
「んう……」
「!」
指揮官が声を上げてまずい、起きるかと内心焦った愛宕だが、
「まくらぁ……」
「……!?」
別の意味でもっと焦った。寝返りを打ったと思ったら、愛宕の腰に手を回して密着したのだから。
「し、指揮官?」
「すぅ……」
再度声を掛けるも、起きる様子はない。予想外の状況に固まる愛宕だったが、これはこれで役得と思うことにした。というかこの指揮官は私を萌え殺す気か。
翌日
「ねえ愛宕、あなたが指揮官様に膝枕してたっていうタレコミがあったんだけど」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
「赤城、ここに指揮官の寝姿写真があるけど」スッ
「手を打ちましょう」
「私にも一枚もらえるかしら?」
「ええどうぞオイゲン、鉄血は同士だから特別よ」
「オイなに人の黒歴史を写真にしてばら撒いてるんだ」
後書き
指揮官(男の娘)のCVイメージは桑原さんでお願いします(願望)。どうも、ゆっくりいんです。
何かアズレンのSS書くと毎回甘い話かいてる気がしますが……というか私が糖分過多で死にそうなんですがorzゲハァ
ちなみに本来はバブみ成分を盛りだくさんにしようかとも思いましたが、指揮官がキレる未来しか見えなかったので自重しました(+作者の力量不足)
とりあえず短いですが、今回はここまでです。感想・評価・誤字脱字の指摘などいただけましたら、大変励みになります。
では、読んでいただきありがとうございました。