↓
と言っときながら挫折する(´;ω;`)
では、どうぞ。
さて‥‥‥ようやくアル・シャハルに着いたんだ。
多少は観光してもいいか。
何があるのか一切調べていないが。
「兄ちゃん珍しいねぇ、バルキリー乗りかい?」
「まぁ‥‥‥そんな所、です」
「ここら辺に置いてくなら気ぃつけなよ。たまーに手癖の悪い奴がいるからな」
「親切にどうも」
「あれならウチで見とくかい?今なら特別価格で」
「じゃあ、頼む」
「毎度ー。変には弄ったりしねぇから安心しな」
「助かる」
「だが兄ちゃん、あんたケイオスには行かないのか?」
「予定より早く着いてしまって‥‥‥」
「あー、なるほどな。まー仕方ないわな」
「‥‥‥」
「まぁともかく、ここアル・シャハルでの観光楽しめよ。何があるか俺ぁ知らんが」
これは幸運なのか、親切な男にバルキリーを預かってもらえる事になった。
変には弄ったりしない、といっていたがまぁ問題は無いだろう。
さて‥‥‥行ってみるか。
それから数時間後。
「珍しい物ばかりだ‥‥‥目移りしてしまうな」
そんな事を呟いていると、もう既に日は落ちかけていた。
しかしそれでも未だに街中は人で溢れている。
恐らく商業都市なのだろう。
見ていた場所から離れようとした時、背後に何かがぶつかった。
「いっ‥‥‥」
「む、すまない」
「別に‥‥‥大丈夫よ。次から気をつけてくれれば」
髪色が赤紫‥‥‥珍しいな。
軽く会釈をすると女性は去っていった。
さてこれからどうしようかと思案しようとした時、路地裏から何かが聞こえてきた。
『動くな!この変態っ!』
『えっ!?』
『密航犯確保!』
『ち、違う!』
やれやれ、少し助けてやるか。
聞こえてきた路地裏の方に足を向けて歩いていくと少尉が青髪の青年を確保しており、その隣でオロオロしている少女がいた。
声をかけてやろうとしたが少女が自白した。
「はわわわわわ‥‥‥ハイッ!密航犯は私です!」
「‥‥‥え?」
この様子なら助ける必要はなさそうだ。
そろそろ戻るか‥‥‥?
なんだ、この嫌な胸騒ぎは‥‥‥。
ふと路地裏の出口を見ると、一瞬だが戦闘兵器が横切るのが見えた。
‥‥‥まさか。
俺はその路地裏から離れ、バルキリーを預けた場所へと急いだ。
幸い辿り着いた頃にはまだ無事だったようで、VF-171も大事無いようだ。
「おぉい兄ちゃん、燃料入れといたぜ!」
「いいのか?」
「この際仕方ねぇ。みんなみんな逃げちまうからな」
「あんたはどうするんだ」
「へへ、実は隠していたんだが‥‥‥ほれ、ついてきな」
男についていくと、ガレージが見える。
その中に案内され、照明がつけられると俺は驚愕する事になる。
何故なら、レプリカとはいえ《VF-11C サンダーボルト》が安置されていたのだから。
「こいつは‥‥‥」
「たまたまジャンク卸売りで人気が無かったんでな、軍に内緒で買ったんだよ。まぁこいつがバレたらかなりヤバイが‥‥‥そう言ってる場合じゃねぇしな。一応バルキリーの操縦方法は独学で勉強した」
「テストフライトは?」
「そこは心配ねぇ。夜な夜な内緒で飛ばしてたからな」
「よほど肝が座っていると見た‥‥‥援護頼めるか?」
「任せな。で、あんたは何て呼べばいい?」
「レイヴン1」
「じゃ、俺はダンとでも呼んでくれ」
「了解した‥‥‥だがそんな旧世代機で大丈夫なのか?」
「なぁに、心配ねぇよ。俺ぁ最新型よりも旧型に惹かれるんだ」
各自コックピットに乗り込み、システムを起動させる。
エンジンが唸り、二機のバルキリーは徐々に前へ進む。
「そんじゃ、行きますかねぇ」
「援護頼むぞ‥‥‥先に行かせてもらう」
「どーぞ」
「VF-171、テイクオフ」
「続けてVF-11C、テイクオフ」
ついに二機のバルキリーが大空を舞う。
だがこの時の俺には、まさか戦闘区域に一人の民間人が残っているとは思わなかった‥‥‥。
「‥‥‥」
女性は大空を見る。
飛び立ったバルキリーを見守るかのように。
すでにそこは戦闘区域であり、デルタ小隊及びワルキューレが展開していた。
だが、彼女は逃げようとはしない。
むしろ何かを成そうとしている顔つきであった。
そして、彼女はおもむろに言葉を紡ぎ出す。
「スゥー‥‥‥《夜明けの光を小鳥が見つけ出すように》‥‥‥《私が気づいてみせる》‥‥‥♪」
彼女の歌声は広大な戦場では小さな物だが、確実に誰かに届いていた。
もちろんVF-171のパイロットにも例外無く。
「歌声‥‥‥?」
「おいどした兄ちゃんよぅ!?まだまだワンサカ来てんだぞ!!」
「ダン、ここを頼めるか」
「あー‥‥‥三分!それ以上は無理だからな!必ずそれまでに戻ってこいよ!!」
「了解した‥‥‥死ぬなよ」
「当たり前だろ?兄ちゃんこそ死ぬなよ?」
「わかっている」
バトロイドからファイターへと変形したVF-171。
行き先は、歌の主。
つまり‥‥‥彼女。
「こんな戦場でワルキューレの真似事か‥‥‥?だが何処かで聞いた覚えが‥‥‥いや、今は考えている場合じゃない。急ごう」
黒き翼が、荒れ狂う戦場を駆ける。
次回、『邂逅』
あの時のきっかけは偶然か、あるいは必然だったのか。
少女の歌声が、黒き翼を奮い立たせる。
という訳でいかがだったでしょうか?(´・ω・`)
今回彼女が歌おうとしていた曲は友人からの勧めでした。
流石に歌詞全部書いたらマズイのですがね(;・ω・)
では、次回の更新でお会いしましょう。
ではでは(。-∀-)ノシ