問題児と刀使いが異世界から来るそうですよ?   作:zkneet

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第5話

ガルドと一悶着あったあと店代を相手に擦り付けて俺たちは、十六夜と黒ウサギを待っていた

 

「そういえば、結局葉月君のギフトってなんなのかしら?」

 

「そういえば気になる」

 

「別に二人ほど対した力でも無いと思うけど」

 

そう言うと葉月は手元に刀が握られていた

 

「刀?どうしたの?それ」

 

「今呼び出したんだ、箱庭に来てから分かったことだから俺にもよく分からないから詳しくは聞かないでくれよ?」

 

「それ本物なのかしら?」

 

「本物だぞ?」

 

そう言いながら隣にあった道草を適当に切る

 

「ほんとだ、綺麗に切れてる」

 

「出せるのが刀だけか分からないが、耀とかに比べると対したものじゃないな」

 

苦笑い浮かべながらそう呟く

 

そのとき黒ウサギと十六夜が帰ってきた

 

「あれ?皆様何故ここに?箱庭を堪能していたのでは無かったのですか?」

 

「詳しくはジンから聞いてくれ

 

そう言いながら俺はジンを指さす」

 

「面白そうだな、お前のギフト」

 

「そうか?ただ刀が手元に呼べるってだけだろ?」

 

「俺の予想だが多分、それ以外にもまだあると思うぜ?」

 

「そうかな?詳しく分かればいいんだがなぁ」

 

「まあそれはここで過ごしてたらいずれ分かるだろ」

 

十六夜の言葉に頷きながれ黒ウサギの方を見ると

 

「な、なんであの短時間に”フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」

 

黒ウサギが叫んでいた

 

「しかもゲームの日取りは明日!?それも敵のテリトリー内で戦うなんて!準備している時間もお金もありません!!一体どういう心算があってのことです!聞いているのですか三人とも!!」

 

「「「腹が立って後先考えずに喧嘩を売った、今は反省しています」」」

 

「俺はぶっちゃけして無いけどなー」

 

俺はけらけら笑いながら言う

 

「このお馬鹿様!せめてお二人の様に表面上だけでも反省してください!」

 

パーンッとハリセンで頭を叩かれる、いい音はするが大して痛くない

 

「まあ、1番乗り気だったのは葉月君だけどね」

 

「そういう余計なことは言うなよ飛鳥、それに発案者は飛鳥だろうに」

 

「どういう事ですか?」

 

「別にいいんじゃないか?見境なく喧嘩売ったわけでもなさそうだしな」

 

「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この“契約書類”ギアスロールを見てください」

 

“契約書類”とは”主催者権限”を持たない者達が“主催者”となってゲームを開催するために必要なギフトである。

 

そこにはゲーム内容・ルール・チップ・賞品が書かれており“主催者”のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。黒ウサギが指す賞品の内容を十六夜が読み上げる。

 

「なになに?“参加者”が勝利した場合、主催者は参加者の言及する罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する”まあ、確かに自己満足だ。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを背負ってまで短縮させるんだからな」

 

ちなみに飛鳥達のチップは“罪を黙認する”こと。それも、今回だけでなく今後一切について口を閉ざすことだった。

 

「時間さえかければ彼らの罪はいずれ暴かれます、だってもう子供たちはもう…………」

死んでいるから、

黒ウサギはこの言葉を言わずに顔を俯かせる、黒ウサギも彼らの悪評を聞いていたがここまで酷いものだとは思ってもいなかった

 

「そう。人質は既にこの世にいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの。それにね、黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲で野放しにされることも許せないの。ここで逃がせば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの」

 

「た、確かに逃せば厄介なのは間違い無いでしょうけど……」

 

「大丈夫だろ、ガルドはあの感じ対した事は無い、それにジンが何とかするってよ」

 

「僕もガルドを逃がしたくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない」

 

ジンがそう力強くいうと黒ウサギも諦めたように

 

「はぁ。仕方がない人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。“フォレス・ガロ”程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」

 

俺と飛鳥と十六夜は怪訝な表情を浮かべる

 

「何言ってるんだ、俺は参加しねぇぞ?」

 

「そうよ?十六夜君は参加させないわ?」

 

「黙って見ててもらわないとな」

 

「だ、駄目ですよ!御3人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「違うぞ黒ウサギ、俺たちは別に十六夜が嫌いでこういってるわけじゃない」

 

「いいか?この喧嘩は、こいつらが売って、奴らが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」

 

俺の言葉に続けて十六夜が言う

 

「よく分かってるじゃない」

 

「ああもう……お好きにしてください……」

 

四人の召喚とその時の騒動、さらに十六夜を追いかけたりと丸一日振り回され続けて疲弊した黒ウサギはもう言い返す気力もなかった。

 

俺のギフト、まだ良くわかってないけどまあいいか

 

このことはまだ黒ウサギには伝わってないっぽいがまぁなんとかなるだろ

 


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