トリトリの実 モデル梟ってそっちの梟!?   作:俺だ

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プロローグ

ぷかぷか、と何もないところで俺は浮いていた。

 

突然で悪いが神様を信じているだろうか。

俺は信じていなかった。

 

それはそうだ。見たことがないし、願いが叶ったこともない。

初詣でお願いし、おみくじで叶うと書かれていた願い事も、結局叶わなかった。

小学校の頃には才能や顔の良し悪しが人生において重要なのだ、と思い知らされる。

 

そんな世の中を作った神様がいたとしても、全知全能なんかではない。

 

何故こんなことを考えているのか。

それは神に今、こうしてあっているからだ。

 

うん、完全に頭おかしいやつだ。

しかし車に轢かれたあと、無駄に神々しい場所で、創作物の中でしか見たことのないような長い髭を生やし、白い布を纏っただけのような服を着て、髪を自称している人を見れば、誰だってそう思う。

 

「才能によって不幸になってしまった子よ。何か望みを言いなさい」

目の前の男が俺に話しかける。

その目は慈悲に溢れていて、俺のことを想った発言だと、前世で友達の少なかった俺でもわかった。

 

夢か。こんな都合のいいこと世の中には存在しない。

そんな本音を隠しつつ、夢の中だけでも幸せな気持ちを味わおうと、叶えて欲しいことを考える。

生き返らせてほしいのは当たり前として、創作物の世界で創作物の中の力を手に入れて転生したい。

それとやっぱり欲しいのは圧倒的な才能と美しい容姿。前世で手に入らなかったものを手に入れたいと思うのは当然だ。

 

「叶えよう」

俺が冗談でも考えている途中で男は短く呟くと、突然目の前に出現した鈴を手に取り、鳴らした。

 

え、と驚く間も無く襲う眠気。なぜか抵抗することもできず、俺は目を閉じた。

 

 

○☆○☆

 

 

ONE PIECE、というものを知っているだろうか。

週刊少年ジャンプで連載されている、少年漫画である。

その漫画は世界中で親しまれており、かくいう俺もその漫画が好きな一人。

明かされる登場人物の過去。伏線。新しい悪魔の実など。

それら全てに胸を躍らせた。

 

俺はそのONE PIECEの世界に転生したようだ。

恵まれた容姿と才能を持って。

 

俺が夢だと思っていた、あの神様が本物で、今こうして生き返ったのだろうか。

心の中で考えた願いを神様が叶えてくれたのだろうか。

 

しかし疑問はいくつもある。

そんなことが可能なのか。まずONE PIECEの世界は漫画の中の話だ。

その中に入ることが可能なのだとして、俺が行動することで何か影響が出てしまわないだろうか。

 

そして俺の父親の名前。

ゼファー。

あの黒腕のゼファーだ。

その息子は原作では、生後3年で死んでしまった。

つまり今2歳の俺は、あと一年で死んでしまうことになる。

ゼファーを恨んでいる海賊に殺された、ぐらいの情報しか認識していない俺が回避するのは困難。

俺が強くなって撃退するのも、あまり現実的ではない。

ゼファーの息子という要素と神様がくれたと思われる才能で武装色も見聞色も今の所使えるが、所詮子供。

父親には遠く及ばないのはもちろんのこと、とてもじゃないが大人に敵う気がしない。

それに頭の中で考えていたお願いの一つ。

創作物の中の力を手に入れたい、というものが叶ってない。

 

ならば鍛える、というのもダメ。

理由は俺がある程度の年齢に達するまで、両親に鍛えるつもりがなく、鍛える方法が分からないから。

 

なので今は独学で鍛えるしかない。

常時見聞色を発動しておいて、武装色も見えない服の中で発動しておく。

鍛え方がわからない以上、これぐらいしかすることないし。

筋肉と同じようなもので、使い続ければ強くなるかな、という安直な思考からとった。

 

だんだん近づく死期が恐ろしい。

なんの対抗策もないので、ただ待つしかない。

 

これは二回目の人生。

生き返れただけでも儲けもの、と若干諦めながら日々を過ごした。

 

 




短いです。
次から長くするつもり。


なんか展開が急。
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