ハッタリ男の生存譚 作:朝が嫌い
ハァー。俺は嘆きたい、何故こんな状況になっているのか。
自分の前を歩く白い少女を見ながら思う。
因幡の後ろを歩くやつが珍しいのかそれとも因幡と会話をしているやつが珍しいのかはたまた昨日暴れた俺の珍しいのか知らないが視線の暴力ががすごい。
しかし五剣を倒した俺が怖いのかチラチラと見てくるだけでまともに視線を合わせようとはしない。
視線の暴力に耐えかね俺は因幡に聞く。
「俺は毎日お前の後ろをついて歩かなくちゃいけないのか?」
「 も?何か問題でも、あなたは私の子分ですよ?何なら、お姉さまと呼んでもいいのですよ」
「冗談きついな・・・因幡」
「 そのやり方はあまり好ましくありませんね、 もっと敬意のある呼び方はないのですか」
敬意ね・・・
「 あんたの武術を教えてくれるなら師匠って呼んでやってもいいぜ」
「師匠・・・良い響き。いいでしょう、この私があなたに武術を教えて差し上げます!」
くるっと後ろ振り向き少しうっすらと因幡が笑う。
少し嬉しそうに話す因幡を見て俺は、こうしてると普通の少女なのになーと思う。
「 あと俺の件なんだが ・・・俺のハッタリについてだが、話さないって方向でいいんだよな」
「 ガッカリです。まだ、疑ってるんです?今のところあなたが脅威になる事はありませんし、私の言うことを聞くのでしたら、話す気はありませんね。その方が、都合が良いですし」
実に腹が立つ理論だが俺にとっては都合がいい。
「それならいいんだがな」
「 放課後授業が終わったら私のところに直行で来てください寄り道は認めません 何しろあなたは私の子分なのですから」
「 へいへい」
「 キャラが壊れてますよ」
「 いいんだよ誰にも聞こえない声ように小声喋ってるんだから」
「 もうそろそろチャイムなりますよ 教室に行った方が良いですよ」
「 俺普通に教室に入っても大丈夫なんだろうな」
「 はい五剣会議であなたの事を話しておきましたので」
教室に入ると案の定眠目がこちらを見てきた。
周りの生徒はというと俺の殺気による威圧感に押され目を合わせようとしない。
昨日はとっさのことであまり見なかったかなかなか可愛い顔立ちをしているがその目が整った顔立ちん打ち消すほど不気味な雰囲気を醸し出している。 ただ前にもこういうタイプは見たことがある、しかし慣れてない奴にとっては不気味で仕方がないだろう。
「 おはよう~。藍色ちゃん~」
「 それはまさか俺のことか?」
「 そうだよね さとりは君のこと結構気に入ったんだ~」
威厳のある魔王キャラを通したい俺にとってそういうニックネームは邪魔なものでしかない しかしやめろと言っても言うことを聞くタイプではないだろうということを察していた俺は スルーすることに決めた 。
チャイムが鳴り教師が教室に入ってくる。しかし、なぜか眠目は俺の隣の席から動くことはなかった。
「 お前はそこの席ではないだろう自分の席に戻れ」
「 今日からさとりの席は君の隣なんだよね~ よろしくね~」
そんな恐ろしいことを言い始める眠目。 確かに担任の教師も何も言わない くそこれが五剣の権力か。
こうして、前途多難な俺の日々は幕を開けた。
大丈夫だろうか、俺。