その便意が物語を変えた   作:ざんじばる

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まずは、味噌汁を一口。
ズズズ、ほぉ~。これはうまい。きのこ~って感じがする。
続けてご飯をかきこむ。
ハグハグ、あぁ~。……ご飯がうまいって幸せだ。



前回のノリの続きで食事シーンを全て孤○のグルメ風にしようかと思ったが、ここまで書いた時点で、
うん。食事シーンだけでこの話数は終わってしまうと断念。
井之頭さんへの道は遠い……


14.憧憬、地上の楽園

「はぁ~あ……。いい湯だ~」

 

 腹がぺこちゃんになった俺にあいちゃんが料理を振る舞ってくれるという。料理を作っているのを待っている間に風呂で疲れをとってほしいとのことで浴室に送り出されたのだが、なぜか既に湯が張ってあった。明らかに異常事態だが腹が減って頭がうまく働かない俺はそのまま湯に浸かって、今に至る。

 

 普段シャワー派の俺が久しぶりの風呂に癒やされて浴室から出てくると、着替えとタオルが準備されている。

 俺、あいちゃんに着替えとかの場所教えてないよね? なんで把握されてるの?

 徐々に頭が回転しだし、俺の中に戦慄のようなものが走る。だが浴室を出ると、あまりにうまそうな匂いが鼻を突き、俺はあっという間に先ほどの違和感を忘れ去った。

 

「さあ、先生どうぞ」

 なめこたっぷりの味噌汁に、皮目パリッの焼き鮭、ふんわり卵焼き、名脇役の海苔の佃煮。そしてとどめはほかほかの白ご飯。

 そう。こういうのが食べたかったんだ。完璧な和定食だ。

 それもエプロン姿のJSの手作りとなれば、うまくないはずがない。

 

 天衣とあいちゃんも両脇の席に着き、声をあわせる。

「「「いただきます」」」

 かわいいJS達と囲む食卓。これでうまくないはずがないのだ。

 

 あまりのうまさに、ご飯をおかわりしてもあっという間に食べ終わってしまった。

「とっても美味しかったよ! すごいなきみ!?」

「えへへー♡」

 褒めてあげるとあいちゃんは、頬を染めて本当に嬉しそうな笑顔を浮かべた。

 子犬みたいに素直な子だ。

「そんなー。女の子として当然の嗜みですー」

 だが、その後ドヤ顔で天衣のほうをチラチラ見るのはなぜなのか?

 天衣は目を閉じてお茶をすすりながら無視している。眉がぴくぴくしている当たり無視ししきれていないようだが。

 

 それから、俺はあいちゃんがこの三ヶ月どのように将棋の勉強をしていたかを聞いていった。

 驚いたことにこの子は、詰め将棋を暗記しながら解いていたらしい。三十題ぐらいまとめて。それも詰め将棋の超難関『将棋図巧』をだ。もう乾いた笑いしかでない。

『ぅゎょぅι゛ょっょぃ』である。ネタでなく。

 ちなみに天衣も『将棋図巧』を解いていたらしい。JS二人でどのお題が良かったかで盛り上がっている。俺の弟子は読みの力でも棋士の適性を持っていたらしい。

 

 ことここに至ってあいちゃんの才能は疑いようがない。天衣と同じく破格の才能持ちだ。だからこそ悩んでしまうのだが。

 俺はあいちゃんの弟子入りについて、考えをまとめるため二人に席を外させることにした。

 

「あいちゃん。良ければお風呂に入ってきたらどうだい? 昨日からずっとそのままなんだろう?」

「え!? よろしいんですか? ありがとうございます!」

「ついでに天衣もいっしょに入ってこいよ。お前も昨日からそのままだろ?」

「はぁ!? なんで私が!? 家に帰ってから入るから私はいいわ」

「いいでしょ! 天衣ちゃんも一緒に入ろうよ!」

「ちょっと! 引っ張らないでちょうだい! 私はいいって言ってるでしょ!!」

「大丈夫! きっと二人の方が楽しいよ!」

「何が大丈夫なのよ!?」

 

 本気の対局と先ほどの共通の話題ですっかり(あいちゃんが一方的に)打ち解けたらしい。渋る天衣をぐいぐい引っ張って、二人は浴室へ消えていった。

 

 しばらくすると水音が聞こえてくる。二人して湯船に浸かったらしい。キャッキャという姦しい声も聞こえてきた。

 ここでロリコンであれば、『ごく、ごく、ごく、ごく、ごく』と動画サイトにコメントを打ち、二人の浸かった湯を飲み干せないことに血の涙を流すのだろう。だが、年上巨乳党である俺はそのようなことに興味はない。

 例え洗面所に二人の温もりが残る服と下着が残されていようが、二人の肌が湯の温度でピンクに上気していようが、湯上がりの二人の体臭がミルクのように甘い香りをしていようが興味はない。

 興味はないが、二人が出た後の湯は抜かないように言っておこうと思う。

 ほら? 残り湯は洗濯にも使えるしね? エコって重要じゃん?

 SAVE The EARTH!

 

 そんなことを考えていると、浴室から二人の会話が聞こえてきた。

「天衣ちゃん、肌白ーい。それにぷにぷに~」

「ちょっと! 触らないでちょうだい! それに雪国育ちなんだから貴方だって白いでしょう!!」

 別に耳を澄ましているわけじゃない。ただ二人の声が大きかっただけだ。

 

 しかし、こうして聞いていると見た目と本質が全く異なる二人だ。

 あいちゃんは大人しそうな外見だが、かなり押しが強い性格だ。絶対に自分の主張は曲げない、姉弟子に似たタイプだろう。まあ、女の将棋指しなんて九割九分そんなのですが。一方の天衣は一見気の強いお嬢様。まあ実際、気も強いんだが、弄られると弱い。そこがかわいい。

 

 そんな個性の異なるJSを両手に抱えた竜王───

 うん。駄目だろ。炉竜王(ロリ王)ってあだ名ついちゃうよね、それ?

 俺っち、社会的に死んじゃうよ?

 

 あいちゃんの才能は惜しいけど、やっぱり他の誰かに託すのが現実的か───

 と、そこまで考えていた時。

 

 ピンポ~ン♪

 玄関のチャイムが鳴った。

「はーい!どちらさんですかー?」

『私』

「え?」

『私』

「……」

 

 

 

 A☆NE☆DE☆SHI !?

 

 

 




■原作との違い
・JS二人と食卓を囲む
・二人の『あい』、和解
・JS二人がお風呂でキャッキャウフフ

次回、惨劇が降った日。
お楽しみに。
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