その便意が物語を変えた   作:ざんじばる

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キンクリ!(挨拶)
ということで原作の数々の名エピソードを総集編ばりにぶっ飛ばしております。
天衣が先に弟子になっても影響が少なそうなエピソードや逆にパワーダウンしてしまうエピソードは作者が書いても劣化コピーとしかならないため思い切りました。
一部感想にて見たいとご要望のあったエピソードもありますが申し訳ない。
ひとえに作者の力不足です。
ということで飛んだエピソードが気になる読者の方は原作1巻・2巻(神)を買ってどうぞ(ダイマ)


21.光陰、過ぎ去りし日

 

 

 慌ただしい日々はあっという間に過ぎていく。

 光陰矢のごとしとは昔の人はうまく言ったものだ。

 

 早くも研修会入会試験当日を迎え、それも残すは天衣の残り一局のみだ。

 

 

 この数日の間にもいろいろあった。

 

 先ほど入会試験を終えたばかりのあいで言えば、試験前日の突然のご両親の襲来と将棋の道を目指すことへの反対。交渉の末の試験三連勝が将棋継続の条件という譲歩。そして長らく不明だった『だらぶち』の意味の判明。あいに乞われ、試験へのはなむけとして『勇気』と揮毫した扇子を送った(ちなみに天衣にも扇子を送ろうとしたが、既に持っているからまた別の機会にでもしてほしいと断られた。寂しい)。

 

 そして天衣でいえば、パンサーがピンクパンサーに進化し(何を言っているか分からないと思うがそうとしか言えない)、ピンクパンサーがおばさんであったことが判明したりもした。梅田の将棋道場で天衣の手を取っていい音の鳴る駒の指し方を教えていたらJS研と遭遇し、激怒したあいに俺が爪をはがされそうになった。そのJS研の中では天ちゃんとあだ名がついた(天衣が一番弟子ではあるが、”あい”はもじりようがなかったため、天ちゃんの誕生となったらしい)。そして最後にはピンクパンサーに圧勝を納めることができたのだった。

 

 試験前日にはあいのご両親襲来の他に姉弟子の訪問もあった。なんかしらんけどUSJの話をふってきた。クラスメイトが面白いと話をしていたとかなんとか。その後今日の予定を聞かれ弟子たちの研修会入会試験に付き添うと答えたらなんかしらんけどブチ切れられた。実に理不尽である。

 

 そしてこの研修会も波乱続きである。

 

 あいは研修会の試験で改善された序盤戦術とさらに磨かれた終盤力を武器に初戦の綾野ちゃん、第二戦の久留野先生(駒落ち)に対して危なげなく勝利したが、第三戦でのまさかの姉弟子登場に惜しくも敗れた。とはいえ、 大人げないまでに 本気の姉弟子と本当に良い勝負をしたあいのことを惜しく思った俺は、土下座外交を展開。中学生在学中の女流タイトル獲得という条件付きではあるが、ご両親(主にお母さん)の譲歩を引き出すことに成功した。同時にとんでもない約束(雛鶴家への婿入り)をさせられたような気がしたり、それに激怒した天衣に尻を蹴飛ばされるという一幕はあったが。

 

 そして、先ほどは述べ忘れたが天衣の修行にて予想外の成果が一つあった。あの修行のもともとの狙いは天衣に強い精神力を持たせ、受け将棋の才能を万全に発揮させるというものだった。だが最後のピンクパンサー戦、そして先ほどの入会試験第一戦で見せた『後手番角頭歩』。受け将棋という一言ではとても言い表せない、そして下手をしたらそれより遙かに強力な新たな才能を示していた。将棋の戦法・定跡が生まれた背景に共感し、創造の理念を吸収し、骨子を抽出し、天衣が持つ壮大なイマジネーションのもとに新たな戦法として現出させる。盤上を覆い尽くすような……次元が異なる圧倒的な才能だ。

 

 さらに天衣は初戦の勢いのまま、次戦の相手、桂香さん───女流棋士一歩手前のC2クラスの棋士を微塵に粉砕して見せた。桂香さんの香落ちという条件ではあったが、駒落ちであろうとなかろうと全く関係なかっただろうということを周囲に痛感させる一局だった。対局前にはひどく失礼な物言い──天衣にとっては自然に出てきた言葉なのだろうが──をしていたが、あそこまで圧倒的な力を見せられては周囲には咎めようがない。桂香さんはあまりにショックだったのかハンカチで口を押さえながら走り去ってしまった。

 

 そして今に至る。

「さて、天衣くんの三戦目の相手はどうしましょうか……C2の桂香くんを相手にあれだけの将棋を指すとなると私か──」

 久留野先生も天衣が見せた圧倒的な才能に悩んでいるようだ。

 確かに。今の天衣の力を測るには相応の相手が必要だ。下手な手合いをぶつけても一ひねりにされて終わるのは目に見えている。久留野先生自身か、それとも今入会が決まったばかりのあいか、あるいは──

 

 

 

「すいません。先ほど既に一戦されていて恐縮なのですが、もしご迷惑でなければ空先生にお相手を願えないでしょうか?」

 

 ──姉弟子か……だ。

 

 

 




■原作との違い
・あいちゃんの拷問初手はオーソドックスに爪剥がし
・八一、婿入り発言により天ちゃんに蹴られる(姉弟子が中座していて良かったね)
・天ちゃんの第三戦の相手、姉弟子に変更

天ちゃんの新?能力については、原作を読んでいてエ○ヤさん家のシ○ウ君にしか見えなかったのでこのような形に。

さて、レイニー止めの上で次回は天ちゃん対姉弟子戦です。
お楽しみに。
(※研修会試験の相手が一日二戦もできるのか知りませんが、話の都合上ご容赦ください)

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