あの時出会ってから…   作:常闇ver.β

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お久しぶりですね、常闇です。

バレンタインの話とか書きたかったですが結局書けずの第二話です。
今回も椛と今井さんのお話がメインです。

ではどうぞ。




ep.2:友達は自然に成立する

'今日で学校が始まって二週間弱になりますが授業中の雰囲気はまだまだ少し騒がしく、先生からの注意があまり減った感じはしません。…'

 

 

ふと時計を眺める、針は4時半を指していた。もうこんな時間か…そう思いながら視線を周りに向ける。

 

時間相応に教室は普段白いのもあり赤みがかった橙色に染まっていた、外からはグラウンドで部活に勤しむ声と橙色の街が視覚・聴覚で感じ取れる。余談だが夕日とゆうのはどんな景色もたちまち美しいものに化けさせる万能な素材だと思う。

 

そう思っていると教室の引戸の開く音が聞こえ、続く様に彼女の声が静かな教室に響いたので机の上に広げた日誌に目を戻しシャーペンを走らせる。

 

「お〜い、日誌書き終わった〜?」

 

と、彼女…今井リサは言いながら目の前の席に座る。

 

「もうすぐ書き終わる、少し待っててくれ。」

 

「了解〜、って字細かっ!よくそんなに沢山書けるね〜。」

 

「別に普通だろ。とゆうより、前の日直は書かなさ過ぎなぐらいだ。」

 

そう言って分厚い日直日誌を少しめくり前のページを見せる、そこには面倒事をさっと済ませたいとゆう意思を感じ取れる前任の日直達の痕跡が残っていた。だから最近の学生は語彙力が云々言われるんじゃなかろうか…

それを見て彼女も合点がいったらしく、少し苦笑する。

果たしてこれを日直日誌と言っていいのだろうか?まぁ別に中学から見慣れた事なので気にはしてないが。

 

彼女は再び俺に視線を向ける。

 

「今日はゴメンね?椛は今日別に日直じゃないのに…」

 

「別に気にすんな、今井さんが悪いワケじゃない。…よし、ほれ。」

 

最下段半ばの所でシャーペンを止め、彼女に日誌を渡す。今井さんはそれを受取り机と向き合い始める。

 

さて…そろそろ何故今この様な状況になっているのか説明しようか。(今更)

 

 

ーーー

 

ーーーーーー

-教室-

 

 

入学式からそろそろ2週間経つだろうか…?まだまだ学校の中庭にある桜が散る様子は見えない、まぁ見ている此方はとても心が和むのでまだまだ散って欲しくないが。

 

現状?まぁ雰囲気には慣れてきた、とだけ言っておこう。話し相手は一向に増えず隣の今井さんぐらいのものだが。(まぁ話し相手とゆうよりは彼女の話を一方的に聞いて答える様な感じになっている)

 

「あ、おはよ〜椛。」

 

と、噂していれば何とやら、彼女のお出ましだ。

 

「おはよう、篠之宮さん。」

 

続くかの様に今井さんの隣から彼女とは正反対の落ち着いた口調で紫がかった銀色の長髪が特徴的な少女が目を向ける。

 

「おはよう今井さん、湊さん。」

 

そして彼女が湊 友希那、今井さんの昔からの友達らしい。にしては親友とゆう関係に持つ俺の印象からは少し離れている気がするがまぁ本音を言うと彼女とはあまり話した事はないのでよくは知らない。今井さん抜きだとお互い無言になるのでなんとしようもない。別になんとかする気もないが。

 

とまぁ彼女の紹介をしている内に何故か二人は人の目の前で当たり前の様に話し始めた、ナンダコイツラ。

 

「じゃあ友希那今度一緒に楽器店行かない?」

 

「…週末で良いなら。」

 

「オッケー、週末ね〜。」

 

…とゆうか今井さんはよく話しかけられるな、誰かさんとは大違いだ。

 

「ねぇ椛も来る?」

 

ん、今何と言ったコイツ。

 

「何が。」

 

「週末に楽器店行くけど椛も暇なら行く?」

 

「忙しい、二人で行って来なよ。」

 

「そっか〜、じゃあまた今度ね〜。」

 

「あ、あぁ。」

 

と他愛ない会話の最中チャイムが鳴り響き教室に担任が入ってくる、何時も通り起立して礼をし席に着く。そして何時も通り俺には全く関係しない話をして終わるのだろう…そう高を括って全く反対にある窓を眺めていた。

 

「今日…欠席だから…篠之宮さん。」

 

あぁ…桜が綺麗だな。そうだ、部活は楓にならって美術部にしようかな…前は運動部に居たがロクな思い出ないし丁度良いし、

 

「篠之宮さん!」

 

ふと、意識が教室に戻る。

 

「はっはい、何か?」

 

そう答えると周りからクスクスと煩わしい声がしたが気にせず担任に目を向ける。

 

「何かじゃなくて…今日○○さん欠席だから今井さんと日直やってくれないかしら?」

 

反射的に隣の今井さんに目をやる、それに気付いたのか当の本人も申し訳なさそうな顔をして俺を見返される。

とゆうかそうゆうのは横の人とかじゃなくて一つ後ろの出席番号の人に任せるものじゃないのか…?

 

とにかく担任からの頼みだ、断る権利は一分たりもない。しょうがない…

 

「分かりました。」

 

「じゃあお願いね?」

 

ーーーーーー

 

ーーー

 

 

…と、大体こんな流れだったか。

 

そんなこんなで今日は一日今井リサと日直の仕事をこなさせられている。

 

「椛はもう学校慣れた?」

 

不意に彼女が呟く。

 

「慣れた。」

 

「部活とか入るの?」

 

「どうだろう…よく決めてない。」

 

「ふ〜ん…じゃあさ、ダンス部とか興味ある?」

 

「興味ない、とゆうかダンス部って男子入部はアリなのか?」

 

そう返すと少し頭を傾げる。

 

「まぁ〜問題ないんじゃないかな?」

 

「分からんのかいな。」

 

「あはは、じゃあ今度調べておくね〜。」

 

そう答えるととうとう彼女も話すネタが尽きたのだろうか、教室が静まりかえり外の声と他の教室の微かな音だけが聞こえてくるようになった。

 

「…」

 

「…」

 

…こうゆうのを気まずい空気とゆうのだろう、その場しのぎにポケットにしまってあるスマホを取り出そうと考えたが愚考に思えたのでその考えを切り捨てる。チラリと目を向けると頑張って話を振っていた今井さんも少し顔を歪ませているのが分かる。

 

さてどうしたものか…と、考え始めた直後ある考えが過る(よぎる)

入れ知恵だが他にやる事が分からない、席を立つ。

 

「まだかかりそうか?」

 

「う〜ん…もう少しかかるかも。」

 

「そうか。」

 

「別に待ってなくても良いんだよ?後はアタシ一人でやるから…

 

「いいから書いてろ。」

 

適当に返して席を立ち教室を出る。さて、アレは何処だったかな…

 

◆〜◆〜◆

〜とある休日…〜

 

「親切過ぎる奴?」

 

そう言って朋哉は特大ナゲットを口にほおばる。

 

「あぁ、所謂お人好しみたいな奴。」

 

「はぁ〜、凄いのに絡まれたな、お前。」

 

そう言ってニヤニヤしながらストローを咥える、「お前は食べるのを一旦止めて話を聞く気にはならないのか」と言いたくなるが聞いてもらっている立場なのでここは口をつぐむ。

 

「…でだ。」

 

「はぁ?」

 

「こうゆう奴ってその…どうすれば良いんだ?」

 

「いや、別に大丈夫じゃないのか?椛に悪影響はないだろ。」

 

「いや、追っ払うとかそっちじゃない。上手く関わる方法だ。」

 

「あぁ〜、そっちか。」

 

「そっちだ。」

 

「まぁ話しかけられたらしっかり反応してやれば良いと思うが…あ、これならどうだ?…

 

 

◆〜◆〜◆

 

階段を登り()()()で埋まった片手の指先を上手く使い教室の扉を開ける。中では相変わらず日誌と向き合う彼女が俺に気付いたのか顔を向ける。

 

「あれ、何処行ってたの?」

 

「下に行ってた。」

 

「下?」

 

「書き終わったのか。」

 

「今さっきね〜。あれ?それ…」

 

「まぁ普段からの礼とか…そんなだ。」(渡す口実考えてなかった…)

 

彼女に紅茶の入った小さなペットボトルを渡す。朋哉曰くちょっとした機会に何か奢れば良いのでは?とゆう事だが…

当の渡された今井さんは目を丸くして俺を見つめる。流石に相手が相手だ、馴れ馴れしいと思われたかな…そう思った矢先に彼女は笑みを浮かべた。

 

「ううん!アタシこそ手伝ってもらって何か奢るべきなのに…ありがとね!」

 

「…あぁ。」(あ、誤魔化せた。)

 

「あれ?もしかして照れてるな〜?」

 

「別に何時も通りだぞ。」

 

「ホントに〜?耳赤いよ?」

 

「赤くても別に俺は普段通りだ。」

 

「ふ〜ん…まぁいいや♪少し休もっか。」

 

そう言って今井さんは渡した紅茶を少し口に含み軽く息を吐く。俺もそれに続く。

 

「今度何か奢るね♪」

 

「ん、…別に良い、こっちが勝手にやっただけだし。」

 

「ならアタシが勝手にしたいだけだから椛が気にしなくていいよ〜。」

 

「…今井さんって稀にお節介とか言われたりしてないか?」

 

「え?ん〜言われた事ないなぁ〜。」

 

「さいですか、今井さんはよく他人に躊躇いなく話しかけられるな。」

 

「そうかな〜?別におかしくないと思うけど…

 

「少なくともこんな奴に話しかけてくる時点で変わってる。」

 

そう言うと彼女は少し驚いた顔で俺を見る。

 

「えぇ…椛ってやっぱり昔から一人だったり…

 

「'やっぱり'って何だやっぱりって、別に友達はいる。この学校に居ないだけの話だ。」

 

「へぇ〜、そう言えば前は何処に行ってたの?」

 

「ここから電車で少し行ったトコにある男子校。」

 

「男子校かぁ〜前に友達に誘われて行った事しかないなぁ…やっぱり羽丘とは違うよね?」

 

「別に雰囲気とかそんな変わらない、ただちょっと男子が減って女子が増えただけ。」

 

「そう言えば椛の友達は皆何処に?」

 

あぁ…この流れは…

 

「皆一緒に都心の方の男子校にな。」

 

「どうして?一緒に行けばよかったのに…」

 

口が固まる。別に黙っても良かった、嘘を吐いたって良かった、はぐらかすのも考えた、だけどそれは少し無理があった。多分、俺の短い人生経験から考えるに彼女は多分この手の話では誤魔化せない気がするのだ。それに…

 

「椛?」

 

なにより彼女の俺を見る心配そうな視線が嘘を吐かせてくれそうにない。他人にあんな目を向けられるとなるとホントにこの先が思いやられるな…

 

軽く深呼吸する。

 

「行きたかった、合格出来たらな。」

 

「そっか…なんかゴメンね。」

 

「気にすんな、俺の問題なんだし。」

 

時計を見ると5時半を回っていた、随分話し込んでいたらしい。いつの間にか寄りかかっていた自分の机から離れて荷物を纏める。

 

「もうそろそろ閉めよう、そろそろ帰らないと怒られる。」

 

「えっ?ホントだ!」

 

彼女も察したのか席を立ち荷物を持つ。

 

「鍵よろしく!アタシは日誌返してくるね〜!」

 

と言って今井さんは教室を勢いよく出て行った。とりあえず壁にかけてある鍵を持って教室を後にした。

 

 

-校舎出入口-

 

昇降口を抜け出入口の重い扉を開けて外に出る。外は少し夜空の色に染まりかけた空が広がり、少し前まで賑やかだった校庭も静まりかえっている。さっきも話したが'夕日はどんな景色も綺麗なものにする'とゆうのはやはり強ち間違いな話ではないと思う。いや、あくまで個人的な意見だけどな。

 

「あ。」

 

そう思いながら校舎を後にすると目の前の見覚えのある…さっきまで一緒にいた人物がいた。

直後あちらも俺に気付き手を振る。

 

「いたいた!遅かったじゃん、なんかあった?」

 

え、遅いの…?別に普通だと思うが…

 

「何もないよ、この短時間で。」

 

「そっか、じゃあ一緒に帰ろ?」

 

「おう。」

 

そう言って歩きだした今井さんの横につく。

少しして、今井さんがふと気付いたように言葉を洩らした。

 

「ねぇ椛。」

 

「?」

 

「アタシは椛の味方だよ。」

 

「はぁ?」

 

いかん、素が出た…とゆうか突然何を言いだすんだコイツ。すると突然今井さんは少し焦ったように次々に言葉を並べ始めた。

 

「い、いや!何でもない!変な事言っちゃったよね?別に気にしなくて良いからっ!」

 

なんだ、そうゆう事か…意外に変なトコで気遣うなコイツ。

 

「あぁ、とゆうか今井さんはそうゆうのを付ける必要はないしな。」

 

「…え?」

 

「今井さんは誰にでも等しく関わるから味方にしか属さないと思うぞ?」

 

「そ、そうなの?」

 

「だから気にしてなくてもいいし、そのままで良いと思う。」

 

「そ、そっか〜皆の味方かぁ…」

 

そう言って今井さんは黙り込んでしまう、まぁ一意見だが本人にも引っかかる所があるのだろう。俺は喋らず真っ直ぐ帰路を進む。

 

「じゃあ椛は一人じゃないね♪」

 

何時もの横断歩道が見えてきた所で彼女はそう言った。

 

「?」

 

「だってアタシは椛の味方でもあるんだよね?」

 

「さぁ、どうだろう。今は判断致しかねる。」

 

「えぇ〜っ!じゃあさっき言った事と矛盾してるじゃん!」

 

「まぁたしかに。」

 

「そこは少し否定してほしいなぁ…」

 

「俺こっちだから、じゃ。」

 

「え、あ、うん。じゃあね〜」

 

彼女が手を振ってくるので軽く振り返して歩みを早める。

 

「椛は一人じゃない」とか、ハナから今井さんが取っ掛かってきただけの話で…あ、屁理屈ですね、はい。

とりあえず「何事も慣れない内はこんな感じだ」と、頭に言い聞かせて歩き続ける。

 

ただ何時もより身体が軽く、ほんの少しだが軽くなった気がした。

良い出会いってこうゆうのを言うんだろうか、いや多分そうなのだろう。

 

…難しいな、友達って。




如何でしたしょうか?

余談ですが自分はこうゆう話結構好きなんすよ。
いざ自分で書くとベタベタになっちゃいますが…w

では次回もよかったらまた見て下さい、ではまた。
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