Deap Ocean   作:ナルミヤ

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えータグにもある通り、青山君はB組となりました。
ごめんね青山君!君のキャラを扱える気がしなかったんだ!

それと今回から今まで投稿したのも含め、簡単なサブタイトルを入れてみました。


No.3 個性把握テスト

 全く先生も無茶苦茶するな。

 初日から除籍者がでたら、保護者やらPTAやらから苦情が殺到するぞ。

 

 まぁ、あの人の場合『見込みが無い奴を除籍して何が悪い。』とか言いそうだが。

 

 

 *

 

 

 『50m走』

 

 

 俺ともう一人の生徒はスタートラインに立つ。

 

「ボ・・・俺は飯田(いいだ) 天哉(てんや)だ。よろしく頼む」

 

「おう、天海 大河だ。よろしく」

 

 お互いに挨拶を交わし俺は後ろに右手を突き出し、飯田はズボンの裾を捲りあげクラウチングスタートの体勢をとる。

 ふくらはぎから筒みたいなのが伸びてるが、アレが"個性"か?

 

『ヨーイ、スタート』

 

 計測するロボットの合図で、俺と飯田は同時にスタートした。

 

 俺は右手から水を思い切り放出して飛んだが、飯田はそれを上回るスピードで走り抜けた。

 

『3秒03!!』

 

『4秒37!!』

 

「だあああクソッ!速いな飯田!」

 

「俺の”個性”『エンジン』はスピードが自慢だからな。そう易々と負けるつもりはないぞ、天海君!」

 

 

 

 *

 

 

『握力』

 

 これは”個性”を使いようがないので、普通に測った。

 記録は60kg。まぁ良い方だろう。

 

 八百万(やおよろず)って子が”個性”で万力を作って、凄い記録出してたな。

 

 それは『握』力って言えるのか?

 

 

 *

 

 

『立ち幅跳び』

 

 

 両手から持続的に水を放出して空を飛んだ。

 100m超えれば満点らしいから後々のことも考え、120mで降りた。

 測定後、相澤先生に『グラウンドを水浸しにするな。』って怒られたため、すぐにグラウンドの水を吸い上げて乾かした。次から気をつけねーと。

 

 

 *

 

 

『反復横跳び』

 

 

 両手で交互に水を出そうかと思ったが、加減が難しいため断念。

 結局普通に測って76回だった。

 

 

 

 *

 

 

『ボール投げ』

 

 二種類の投げ方を試した。

 一回目は、水をビームのように出してボールを押し上げるようにして投げた。

 

 二回目はデモンストレーション時の爆豪に倣って、水を爆発させるように出してその衝撃でボールを飛ばした。

 しかし、二回目で事件は起こった。

 

「・・・・・・天海、どういうつもりだ?」

 

「す、すいません・・・!」

 

 あろうことか相澤先生が思いっきり水を被ってしまった。

 水も滴るいい男、とはならず鬼の形相で睨んできたため、急いで”個性”で乾かした。

 

 結局一回目のほうが記録良かったし、別の評価が下がっちまったかもしれねーな・・・。

 

 俺の後、麗日(うららか)って子が『(むげん)』って記録を出してた。今まで生きてきて『∞』って記録は初めて見たな。

 

 

「しっかし緑谷(みどりや)の奴、大丈夫か?飯田はアイツの”個性”知ってるか?」

 

「俺も詳しくは知らないんだ。入試の時はすごかったんだが・・・」

 

「ったりめーだ、デクは無個性のザコだぞ!」

 

「無個性!?彼が入試時に何をしたか知らんのか!?」

 

「は!?」

 

 飯田と爆豪が言い合いを始めたが、ほっとこう。それよりも気になるのは緑谷のことだ。

 尾白と切島に聞いた話ではアイツが0P敵を倒したらしいが、現状そうは思えない。

 

 仮にアレを倒せるだけの実力があるなら、ここまでの競技で何かしら結果を残せるはずだ。

 にもかかわらず、アイツはまだ"個性"の片鱗さえ見せていない。

 爆豪の言うように無個性だとしても、無個性で合格できる程雄英は甘くないだろう。

 

 そうなると、何か"個性"を使えない理由があるのか?

 

「見ろ、緑谷君が投げるぞ」

 

 緑谷はボールを思い切り振りかぶる。

 

 そして、

 

 

 

 

 

 

 

『46m』

 

 

 

 普通に投げた。

 

 何で使わないんだ?

 

 そう思ったが、緑谷本人が一番驚いているようだ。

 

「な・・・今確かに使おうって・・・」

 

「俺が"個性"を消した」

 

 戸惑う緑谷に相澤先生は歩み寄る。

 しかしその雰囲気は先程とは違い、髪は逆立ち、首回りの布は風に生きているかのように揺れている。

 

「つくづくあの試験は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」

 

「消した・・・!!あのゴーグル・・・そうか・・・・・・!

 

 観ただけで人の"個性"を抹消する"個性"!!

 

 あなたは抹消ヒーロー『イレイザー・ヘッド』!!! 」

 

『イレイザー・ヘッド』。名前は聞いたことがあるな。

 

 確かアングラ系ヒーローだったか。

 

 相澤先生と緑谷は何か話しているようだが、こっちまでは聞こえない。

 

「指導を受けていたようだが」

 

「除籍宣告だろ」

 

「そうだろうな」

 

 先生が"個性"を消したってことは緑谷は間違いなく"個性"を持ってる。だとすれば、使い方の問題なのか。

 

 同じように"個性"を使えばまた消されるだろう。かといって使わくても同じこと。どっちにしろ除籍は免れられないな。

 

 さて、どうするんだ?

 

 

 二投目。意を決したかのように緑谷は振りかぶる。

 モーションはさっきと同じ。

 

 しかしボールを離す瞬間、緑谷の指先が光ったように思えた。

 

 そして、

 

 

 

 

 

 SMASH(スマッシュ)!!!』

 

 

 

 

 緑谷の叫びと轟音と共にボールは青空へと消えていった。

 

 しばらくして結果が出る。記録は、

 

『705.3m』

 

「先生・・・・・・!まだ・・・・・・動けます」

 

「こいつ・・・・・・!」

 

 涙目になり歯を食い縛りながらも笑みを浮かべる緑谷に、相澤先生も笑みを浮かべる。

 

「やっとヒーローらしい記録出したよー」

 

「指が腫れ上がっているぞ。入試の時といい・・・おかしな"個性"だ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・!!!」

 

 麗日や飯田が声を上げる中、爆豪は顎が外れるんじゃないかってぐらいに口を開けていた。

 

 すると、爆豪が"個性"を発動しながら緑谷の元にに突っ込んでいった。

 

「どーいうことだコラ、ワケを言えデクてめぇ!!」

 

「うわああ!!!」

 

 しかし緑谷の元にたどり着く前に、相澤先生から伸びてきた布に動きを封じられ、"個性"も消された。

 

「ったく、何度も"個性"使わすなよ。俺はドライアイなんだ」

 

((("個性"すごいのにもったいない!!)))

 

「時間がもったいない。次準備しろ」

 

 

 

 *

 

 

 

 その後残りの競技は滞りなく進行した。

 

「んじゃ、パパっと結果発表」

 

 そう言って相澤先生は順位を表示する。

 

 俺の順位は・・・・・・5位か。八百万さん1位だけど、あの人何でもありか?持久走に至っては原付出してたぞ。

 

 そして緑谷は…案の定最下位か。ということはいきなり除籍か。

 

「あ、ちなみに除籍は嘘な」

 

 ・・・・・・あ?

 

「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽。」

 

「「「はーーーーーー!!!!??」」」

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない・・・。ちょっと考えればわかりますわ・・・」

 

 う、嘘だろ・・・。

 

 アレは絶対除籍する眼だったろ。それとも、俺が騙されやすいだけか?

 

「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。それと緑谷、リカバリーガール(ばあさん)のとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだ」

 

 緑谷に保健室利用書を渡して相澤先生はどこかへいってしまった。

 

 なんか・・・すごい疲れるなあの先生。ことあるごとに『合理的虚偽だ』とかいってきそうだ。

 

 とりあえず教室もどるか。

 

 

 

 

 

 しかし、やっぱり緑谷ってアノ人に似てるんだよなぁ。

 

 

 *

 

 

 保健室にて───

 

 

 

「チュ~~~」

 

「す・・・すごい、治った。けど・・・なんか・・・疲れが・・・ドッと・・・」

 

 なんか体のエネルギー、一気に持っていかれたみたいだ。入試の時もお世話になったみたいだけど、あの時は気絶してたからなぁ。

 

「私の"個性"は人の治癒力を活性化させるだけ。治癒ってのは体力がいるんだよ。大きなケガが続くと、体力消耗しすぎて逆に死ぬから気をつけな」

 

「逆に死ぬ!!!!」

 

「まぁ私の"個性"に頼り過ぎちゃダメってことさね。早く"個性"をコントロールできるようにするんだよ。」

 

「・・・・・・はい!」

 

 そうだ、今回はなんとかなったけど毎回ケガをしてちゃダメだ。早く『ワン・フォー・オール』を制御できるようにしないと。

 

 リカバリーガールに礼を言って、僕は荷物を取りに行くことにした。

 

「あ~~疲れた」

 

 ぐったりしながらドアを開けると、

 

「よっ」

 

「うわあ!!」

 

 一人の男子生徒が目の前で手を上げて挨拶してきた。

 

「あ、わりぃ。驚かせちまったか?」

 

「ご、ごめん。いきなりだったからつい・・・。えっと、天海君…だったっけ」

 

「おう、天海 大河だ。よろしくな、緑谷(みどりや) 出久(いずく)

 

 もう名前覚えてくれてるんだ。僕だけ覚えてなくて申し訳ないな。

 

「それでどうしたの。天海君もリカバリーガールに?」

 

「いや、俺は緑谷に用があって来たんだ」

 

「僕に?」

 

「まぁ立ち話もなんだし、歩きながらでいいか?」

 

「う、うん」

 

 なんだろう、何か気にさわることでもしちゃったかな。でも、彼とは今日話してなかったしなぁ。

 

 

 

 

「緑谷、入試で0P敵倒したんだって?」

 

「え?う、うん。そうだけど、何でその事を?」

 

「朝、俺と同じでアレを倒した奴がいるって聞いてな。興味沸いたから、こうやって話に来たんだよ」

 

「そうだったんだ。『俺と同じ』ってことは天海君も?」

 

「そうだぜ。といっても機械の中に水を流し込むっていう、ちょっと卑怯な手ェ使っちまったけどな」

 

 全然卑怯じゃないと思うけど、天海君は真正面から倒したかったのかな。

 

「朝聞いた時では疑ってたんだけどな。今日のテスト見て確信したよ。アレだけのパワーなら確かに倒せるな。ところで、緑谷の"個性"って何なんだ?使ったときケガしてたみたいだけど」

 

 僕の"個性"、か。

 

 うーん、さすがに『ワン・フォー・オールです』なんて言えないしなぁ。

 

 

 

「僕の"個性"は増強型みたいなものだよ。超パワーが出せるけど、使うと体が壊れちゃうんだ。」

 

「ふーん・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんかオールマイトに似てるな」

 

「ええ!!?」

 

 なな何でオールマイト⁉

 もしかしてバレてる⁉

 

「そ、その・・・・・・何でそう思ったの・・・?」

 

「いやぁなんていうかこう…溜めて放つ感じっていうのか?それがオールマイトに似てるかなあって思ったんだよ」

 

 ワン・フォー・オールについては気づいてないみたいだけど、これ以上話してるとボロが出そうだ。

 なんとか話題を変えないと!

 

「そ、そうなんだ!そういえば天海君ってテストで水出してたけど、あれが"個性"なの!?」

 

「おう。俺は水を生み出して操ることができるんだ」

 

「そうなんだ。水か。両手から水を出してたけどかっちゃんみたいに掌からだけなのかなそれとも全身からなのかな全身から出せれば死角から襲われても対応しやすいなそもそも水はどこから生み出してるんだろう空気中からそれとも自分の体内からいや体内の水分をそのまま出してたら絶対足りないしやっぱり空気中からかないや何らかの形で増幅できるなら体内の水分でも・・・・・・」

 

「お、おい緑谷。大丈夫か・・・?」

 

 ハッ!?しまった、つい熱中してしまった!

 

「ご、ごめん。"個性"の分析をするのが癖で・・・・・・」

 

「いや、いいんだけど・・・・・・人前ではあんまりしない方がいいと思うぞ?」

 

「そ、そうだね・・・・・・」

 

 話を逸らせたのはいいけど、天海君に大分引かれちゃったよ。

 

「ただ、今の俺の説明だけでそこまで考察できるのは凄いな。素直に尊敬するよ」

 

「そうかな?そう言ってくれると僕も嬉しいよ。」

 

 よかった。印象はそこまで悪くなってなさそうだ。

 

 

 

 *

 

 

 

 その後、教室で荷物を持った僕は玄関を出た後、天海君とヒーローの話で盛り上がっていた。

 

「───それでね、僕の住んでいた町には『デステゴロ』や『シンリンカムイ』に『バックドラフト』、あと最近は『Mt.レディ』も活動を始めたんだ」

 

「マジで!?くっそー、『バックドラフト』が近くで観れるなんて羨ましいぜ!」

 

 話してみてわかったけど天海君もヒーローが好きみたいで、特に自分と"個性"が似てるヒーロー達が好きみたいだ。

 

「ちなみに天海君はどのヒーローが一番好きなの?僕は断然『オールマイト』推しなんだけど。」

 

「俺か?俺は『ギャング・オルカ』が結構好きだなー。敵っぽいけどそれがまたカッコいいんだよな。けどやっぱり俺は・・・・・・」

 

「緑谷君、天海君!」

 

 その時、僕たちをを呼ぶ声がした。後ろを振り返れば飯田君がこちらに向かってきていた。

 

「すまない、話している最中だったか」

 

「いや、俺は別に構わねーよ」

 

「そうか。緑谷君、指は治ったのかい?」

 

「うん、リカバリーガールのおかげで」

 

「それは良かった。しかし今日のテスト、相澤先生にはやられたよ。俺は『これが最高峰!』とか思ってしまった!教師が嘘で鼓舞するとは・・・」

 

「真面目だな飯田は」

 

 本当に。飯田君、最初は怖い人かと思ってたけど天海君が言うとおり真面目なだけなんだな。

 

「おーい!三人ともー、駅まで?待ってー!」

 

 麗日さん!

 

「君は(無限)女子」

 

「おい飯田、その呼び方はどうなんだ?」

 

麗日(うららか)(ちゃ)子です!

 えっと飯田 天哉くんに天海 大河くん、それに緑谷…デク君だよね!」

 

「デク!!?な、何でその呼び方を・・・?」

 

「え?だってテストの時、爆豪って人が『デクてめぇ』って呼んでたから」

 

 ああ、そういうことか。

 

「あの・・・本名は出久で・・・デクはかっちゃんが木偶(でく)の坊だってバカにして・・・」

 

「蔑称か」

 

「随分ひどいのつけられたな」

 

「えーそうなんだ!!ごめん!!」

 

 良かった。誤解は解けたみたいだ。

 

「でも『デク』って・・・『頑張れ!!』って感じで、なんか好きだ私」

 

「デクです」

 

「「緑谷(君)!!」」

 

「浅いぞ!!蔑称なんだろ!?」

 

「そうだよ!そんないい意味でもねーんだし!」

 

 いや、あんな麗かな笑顔で言われたら全然いいよ・・・!

 

 

 

 

 そんな他愛もない話をしながら僕たちは家路についた。

 

 

 出来ないことだらけだし頑張らなきゃいけない。

 

 でも、オールマイト。

 

 

 

 友達が出来たことくらいは喜んでもいいですよね。

 

 

 




そんなわけで今日は緑谷視点を入れてみました。
いやー、自分が考えたキャラだと書きやすいんですが、元々あるキャラって結構大変ですね。

次は対人戦闘訓練です。
コスチュームと組み合わせどうしよう・・・・・・。
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