魔法少女リリカルなのはvivid 車椅子の魔導師   作:夜影

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七話

自称“覇王”を名乗る通り魔との戦闘から一夜あけ、翌日

 

僕はノーヴェさんのお姉さんであるスバルさんの家にいる。昨日の戦闘で体力、魔力共に底を尽きてしまったからだ

 

そして……

 

「……」

 

朝食の時間、僕の向かい側に座っている自称“覇王”こと、アインハルト・ストラトスさん。未だに俯いて無言を突き通している

 

「ま、まぁ今は飯食おうぜ?話はそれからでもいいだろ?」

 

「そうですね。今は魔力と体力の回復に専念するとします」

 

こんな状態じゃ、学校にも行けないしね

 

「んじゃ紹介しとくな?青い髪でめっちゃ食ってるのが私の姉貴のスバルだ」

 

「初めまして。アインハルト、クロム。スバル・ナカジマです」

 

ノーヴェさんのお姉さんにしてはホントに似てないよね。天真爛漫って感じな印象を受けるかな

 

「んでそっちのオレンジのロングはスバルの親友で本局執務官の……」

 

「ティアナ・ランスターです」

 

本局執務官。この目で見るのは初めてだ

 

「お前ら二人も保護してくれたのはこの二人だ。感謝しろよ?」

 

「わかってますよ。ありがとうございます。スバルさん、ティアナさん」

 

「ノーヴェの代わりに戦ったって聞いたから、どんなやんちゃ坊主かと思ったら、結構礼儀正しい子じゃない」

 

「だから、昨日だってあらかたは説明しただろ」

 

ノーヴェさんもご苦労様です

 

「でもダメだよ。ノーヴェ。いくら同意の上の喧嘩だからだって、こんなちっちゃい子にひどい事しちゃ」

 

いや、実際、戦った時は大きかったけどね……

 

「こっちだって思いっきりやられてまだ全身痛てぇんだぞ」

 

あの一撃もらってたら、多分それ以上だったよね

 

「でも途中からはクロムは間に入ったから、まだこれで済んだけどよ」

 

「クロムもだよ?女の子に手は上げちゃダメ」

 

「すいません……」

 

≪マスターもいつもは女性に気を使う人なのですが、やっぱり戦闘とかになると……≫

 

元戦闘狂だったからなー。血が騒ぐって言うの?昨日のはそう言う理由じゃないけど……

 

「格闘家相手の連続襲撃犯があなたって言うのは……本当?」

 

「――――はい」

 

「理由、聞いてもいい?」

 

優しく語りかけるティアナさん

 

「大昔のベルカの戦争がこいつの中ではまだ終わってないんだとよ。んで、自分の強さを知りたくて。後はなんだ、聖王と冥王をぶっ飛ばしたいんだったか?」

 

ノーヴェさんがあらかた説明してしまう。まぁところどころ違うところはあると思いますが……

 

「最後のは少し……違います。古きベルカのどの王よりも、覇王のこの身が強くあること。それが証明できればいいだけで」

 

「聖王家や冥王家に恨みあるわけではない?」

 

「はい」

 

「そう。なら良かった」

 

スバルさんの安堵の声……。何故スバルさんが?

 

「スバルはね、その二人と仲良しだから」

 

「そうなの」

 

なるほど、現存の聖王陛下と冥王陛下と仲良しって結構すごいよね?

 

「一応、言っておくけど、聖王の方はお前も知ってるからな?クロム」

 

「え!?僕、聖王陛下と仲良くなった覚えなんて……」

 

≪紅と翠の虹彩異色の瞳。聖王家はその色が代々受け継がれてます。それに、虹色の魔力光。“カイザル・ファルベ”も≫

 

虹色の魔力光……。あれ?どこかで見たような……?

 

「ああ。冷めちゃうから、良かったら食べて?クロムもね」

 

「はい」

 

「あ、いただきます」

 

態々用意してくれたんだし、食べないと失礼だよね

 

「あとで近くの署に行きましょ。被害届は出てないって話だし、もう路上で喧嘩しないって約束してくれたら、すぐに帰れるはずだから」

 

「あの……ティアナ。今回の事については先に手ぇ出したのは、私なんだ」

 

「あら」

 

まぁ一撃で沈めようとして、不意打ちだったからね。確かに今回はノーヴェさんに非はあるけど……

 

「だから私も一緒に行く。喧嘩両成敗ってやつにしてもらう」

 

「両成敗では、僕が入らないですよ?ノーヴェさん」

 

一応、最後に手を出したのは僕だしね

 

「でもお前は……」

 

「どんな理由があろうと、喧嘩をした事に変わりはありません。僕も同罪ですよ」

 

学校は遅刻確定だね。ミルテにどう言い訳しよう……

 

「アインハルトさんもそれでいいかな?」

 

「はい……。ありがとうございます」

 

やっと話してくれた……。昨日の事も謝らなきゃいけないし……

 

 

朝食後、少し時間を挟んで近くの署、湾岸第六警防署に向かった

 

 

「ここまで面倒とはね」

 

≪まぁ仕方ありませんね。喧嘩したんですから≫

 

子供同士の喧嘩とはわけが違うもんね。そら多いし、面倒だよ……

 

この書類……

 

≪ノーヴェ様とストラトス様はもう終わっていますよ?≫

 

「ロンド。少し黙ってて、さっさと終わらせちゃうから」

 

空いていた空欄を全て埋め、局員の人に渡す

 

「はい。確認しました。ではもうこんな事はしないようにして下さいね?」

 

「はい。ご迷惑をおかけしました」

 

一度深々と頭を下げてから、待合用の椅子に方に行く……

 

≪学園の方はどうしますか?≫

 

「遅刻だろうけど、行くよ。今日休んだら、ミルテが増々怖くなる」

 

何も言わずに遅刻してるのに、それに加えて無断欠席なんてやったら、アウトだよ。次の日のミルテに黒い笑顔が張り付いてるよ……

 

「ロンド。待ってる時間で少し調べものをしたいから、データベース、出してくれる?」

 

≪はい。どちらを出しますか?≫

 

「いや、総合の方で出して」

 

データベースって言うのは、学園の図書館の本と無限書庫の本の中から必要な情報を引っ張って来れるプログラム。一応、自作ね

 

モニターが二つ、僕の両手の先に現れる

 

≪キーワードは?≫

 

「古代ベルカ・聖王戦争時代・ベルカの王でお願い」

 

膨大だけど、どうせ時間潰しの調べものだし……

 

≪では表示します≫

 

さらにモニターが五つ増えた。これでも厳選してるから、この数で済んでるんだと思うけどね

 

「ん?クロム、何やってんだ?」

 

あれ?ノーヴェさん。アインハルトさんと話してたんじゃ……

 

「少し調べものです」

 

「調べもの?何の」

 

「古代ベルカについてがほとんどですね」

 

あらかたは諸説とかも読んではいるんだけどね。今回は少し深いとこまで見てるだけ

 

「あーそうか。そろそろ、行くぞ?」

 

「あ、わかりました」

 

≪一応、保存してきます≫

 

モニターを全て閉じる……

 

「お前は学校どうすんだ?」

 

「行きますよ。後が怖いので」

 

「なら、お前の家に一度行かねぇとな」

 

別についてこなくても……

 

「その足でどうする気だ?まだ痛み残ってるんだろ?」

 

「これぐらいなら、大丈夫ですよ」

 

ただ制服が少し着にくくなるだけで……

 

「でもよ」

 

「大丈夫ですよ。アインハルトさんは学校は……」

 

「あいつも行くってよ」

 

だよね。アインハルトさんに限ってそれはないか

 

「んでよ。今日の放課後、あいつに少しスパーやらせるんだけどよ。お前も来てくれないか?」

 

「別にいいですけど、誰とですか?」

 

アインハルトさんとスパー。普通の人だったら、瞬殺だけど

 

「それは来てみてからだ」

 

まぁそれもいいか……

 

「では僕は家に一度戻ります。ついて来なくていいので、アインハルトさんを学校までお願いします」

 

「お前はまた……」

 

ノーヴェさんは呆れたように言う

 

「アインハルト、少し時間食ってもいいか?」

 

「……はい。大丈夫です」

 

アインハルトさんまで巻き込むつもりだよ。この人……

 

「と言うわけだ。行くぞ。クロム」

 

「はぁ……。もう何もいいませんよ……」

 

この人は強引すぎると思うんだけどな。ホントに……

 

 

 

スバルさんとティアナさんまでついてくると言ってきたので、最終的にあの場にいた全員で僕の家に向かう事になっちゃったよ……

 

「このマンションか?」

 

「はい。ここの最上階です」

 

15階建てのマンション。その最上階に住むって結構勇気いるんだよ?

 

洗濯物干す時なんて落ちないかでハラハラドキドキだし……

 

「お前、ここどうやって維持してんだ?」

 

「親戚に学校と家、生活費の援助はしてもらってるんです」

 

せめてもの情けだって言ってたかな?

 

「じゃあ、ここで待ってて下さい」

 

玄関の前でノーヴェさん達を待たせる。流石にこの部屋に入れるわけにもいかないしね

 

≪そうですね~。こんな生活感MAXな部屋、女性には見せられません≫

 

余計な事を言うな。ロンド……

 

僕の部屋は、まぁ片付いてない。服から何から散らかったままなんだよね

 

「週末には掃除しないとね」

 

≪虫が湧かないだけ奇跡ですね≫

 

流石に虫もこんな高いところまでは来ないと思うけど

 

部屋に行き、制服に着替える

 

「もう少し、着やすかったらな」

 

≪マスターを標準で作ってませんからね。それを言うなら、特注で作ってもらえばよかったじゃないですか≫

 

「そこまであっちに迷惑はかけられないよ。だたでさえ、あっちは嫌々支援してくれてるんだからさ」

 

我が儘なんて言える立場に最初からいないよ

 

「よし。これでいいかな」

 

約五分ほどかけて、制服を着る

 

「今日の時間割は……」

 

≪今の時間だと、二時間目ですね。あちらにつくのは三時間目の途中ですね≫

 

良かった。四時間目の魔法学には間に合いそうだね

 

「準備も出来たし、行こうか」

 

≪はい≫

 

部屋を出て、ノーヴェさん達と一緒に学園まで行く……

 

 

 

「んじゃここまでだな」

 

「はい。ありがとうございました」

 

「ありがとうございました」

 

お世話になりっぱなしだったね……

 

「んじゃまた放課後にな」

 

「……はい」

 

ノーヴェさん達が見送る中で僕とアインハルトさんは少々遅い登校をしたのだった……

 

 

「それで?言い訳はあるの?クロムくん」

 

「え、あ、えーと……」

 

遅刻の理由とアインハルトさんが何故一緒だった理由を考えて、ミルテの真っ黒の笑顔に耐えるのに精神力を大幅に削ったのは言うまでもないよ……

 

 

 




七話です

更新が遅くなってしまい、すいません

次はヴィヴィオとアインハルトのスパと再戦まで書きたいと思います

頭から文章を捻り出して書いているので、読み難いと思います。ホントにすいません

ではまた次のお話で……
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