初戦となる任務は、イギリスからの依頼であった。
グラディエーター。 英国の複翼戦闘機である。
我々が今回乗るのは2型で、7.7mm機銃が4門ついているが、運動性能が悪い。
3機のグラディエーターは、英国軍のマークを付けている友軍(…と言っても別基地から来た同業…傭兵なのだが)と合流し、戦地へと向かう。
――戦地上空
分隊長「各機、戦闘に移れるよう気を引き締めろ。 特にマツムラ、お前は初めての実戦だ。気を抜くな」
今回の敵はドイツ軍。私が基礎訓練を受けていた時、基地から十字マークの航空機が飛び立っていた気もするが、我々は傭兵だ。今日の仲間が明日の敵といったことは当たり前であろう。
管制「今回の英軍からのお達しは友軍戦車部隊の防衛だ。 なんでも傭兵じゃなく、正規軍らしいが…」
ビック「とにかく、敵を落とせばいいんだろ?」
管制「そういうことだ 頼んd――」
突如爆音と共に無線が途切れる。
分隊長「散開!」
ビック「クソッ!」
平穏を保っていたエンジンが悲鳴を上げるように空に響く。
ぐるぐると回る視界の中、火を噴きながら落ちていく管制機が見える。
そしてその向こう―― いや、手前か。
その姿は単翼の戦闘機 BF109であった。
友軍機A「敵機視認!…敵はB…(キーン――」
分隊長「敵の武装も7.7㎜だ!怖気づくな!」
操縦桿を握る手は、震えていた。
その振動は操縦桿を通し、機体全体を――私の魂を揺らした。
私は、揺れる機体を必死に旋回へ持ち込む。
分隊長「敵は単翼機だ。そう追尾はできまい!各自旋回しろ!」
そう、追尾はできない。逃れられる。 それが単機なら。
友軍機C「二機目…いや、4機だ!4機近くに来てr(キーン――」
ビック「友軍機からの脱出確認…嘘だろ」
言葉が漏れるのも無理が無い。 必死の旋回の中、空を見ると友軍機が次々と煙を吹きながら落ちていく。
分隊長「完全に上を取られた…!」
16機居た我々も、友軍戦闘機が3機、管制機が一機落ちてしまった。
残るは12機のはずだが、どうも5機ほど見当たらない。落ちてしまったのだろう。
友軍機i「おい、どうするんだ」
友軍機k「このままじゃ狐共に食われるぞ!」
確認できる友軍機は我々合わせて7機。たった4機の敵戦闘機に劣勢。
それもそのはずだろう。
この複翼戦闘機グラディエーターⅡ型は、分類こそ複翼機だが機銃を4門積んでいるおかげで運動性能は大幅に低下している。
敵が奇襲に成功した今、我々ができることはただ凧のように踊り回避することだけなのだが、その回避すらままならないと言えば待つのは死のみである。
まるでそんな我々をあざ笑うかのように、4機のBF109は上空で騒音を響かせている。
分隊長「諦めるな! …おいビック、スモークなんて炊いて何を!?」
友軍機j「あいつ、頭でもイカれたのか?」
ビック「…」
黙々とビックはスモークを炊き、そしてぐるぐると旋回を続ける。格好の的だ。
それに対して、まるで雪の中に飛びつく狐のように――格好の獲物を得た、ハンターのようにBF109が飛びつく。
マツムラ「おい!やめろって言ってるだろ!」
分隊長「…いや、そういうことか」
分隊長の失笑が聞こえた。 そして、ビックを追う目の奥には敵機が二機映る。
―――いや、あれは敵機ではない。 一機は敵機だが、もう一機は――
???「タリホー!!」
BとかCとかの文字はなろうに投稿していたころの名残です
一応ひとまとまりの物を二つつけていることになってはいますが、次話以降は2つ並ぶことはなくなりますのであまり気にしないでください。
wt戦闘日誌 という名前でツイッターやってます。
投稿状況やネタ募集などすると思うのでそちらもよろしくお願いします。