wt戦闘日誌   作:ゆずポン胡椒

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初戦を勝利に収めたマツムラ。
しかし、マツムラが生きて帰ってこれたのは第6部隊の体長を犠牲の上である。

部隊は解散に追い込まれそうになるが、そこにマツムラあての依頼者がやってくる。


マツムラ戦闘日誌 二冊目 太平洋の雷雲 A

日本。

厳密には、ここは日本ではないが。

〇月○日―――ガダルカナル島。

強い日光とじめじめとした湿気で染み出す汗も、森からでれば潮風がぬぐい取ってくれる。

しかし、予想と違う戦場にマツムラは不安をぬぐうことはできなかった。

 

一か月ほど前、マツムラ個人宛に日本軍からの依頼が届いた。

マツムラを含む多くの傭兵は、ヨーロッパを主な拠点にし活動する為、遠方――太平洋まで出て仕事をするものはあまり多くない。 

 

移動の時間も経費も高くつく。 多くの依頼は依頼人である国が負担してくれるが、それでも効率を考えればあまりよろしくない。

 

依頼者としても近場を拠点にする傭兵に声をかければ負担も少ないだろうに、なぜマツムラに依頼が来たか。 こういったことがあるとなにか裏があるんじゃないかと警戒する者もいる始末だ。

しかし、それでもマツムラだけでなく、遠方の傭兵に依頼を出す国があるのだ。その理由は――――

 

 

日本軍兵士「傭兵軍第6隊マツムラ殿に用が。貴官を日系人とみて頼みがある。」

 

 

そう。彼らは日系人の傭兵を雇うために、ヨーロッパまで出向き、声をかけてくるのだ。

どうも、太平洋側で活動する傭兵は白人が多いらしく、白人の傭兵を雇うにも抵抗があるようで…

 

以前祖父の書斎にある文献で見た物としては、日本という国はとにかく異質で、自らと違う物を拒む傾向が特に強いらしい。 それでいて、自らに近づいてくる物は拒まずに受け入れ、使いやすいように改造する…とかなんとか。

 

マツムラの祖母は日本人であったが、そんなことはなかったと思う。道端で倒れている人がいたら助け、近づいて来るものには用心し、それでいて新しい物には鈍感で昔の道具を好む人間であった。

人間という物の本質とやらにマツムラは興味はないが、国民性はあれど個人の感性まではさほど影響しないのではないのだろうかと思う。

 

 

 

兎にも角にも、傭兵にとっての仕事の依頼ともあれば裏がありそうな仕事であっても無下に断ることはできない。

今の第6隊は隊長も不在で2人のみの隊であり、戦闘もここ最近行っていなかったから、本部から合併もしくは消滅を言い渡されるという風のうわさも聞いていた。

それを危惧してか、もう一人の隊員ビックは、マツムラを置いてヨーロッパの戦場へ仕事に出てしまっていた。

 

今回の日本軍の依頼も例にもれず移動手段や食料などは日本軍が負担してくれるらしいとの事で、私は迷わず依頼を受けた。

彼らが乗ってきた飛行艇に搭乗し、太平洋を――日本を目指した。

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