魔法科高校生の鬼球   作:UKIWA

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プロローグ

 

 

 

 

 俺はあの時理解した。サッカーはこんな俺でも、俺たちでも変えてくれる。彼らの闘争心は熱く、他の忘れ去らてしまうものだった友情、仲間ものを知らせ、自分達を変えてくれた。そして俺達は自分達の自由のために世界を正しく導いていくと決めた。

 今では辛いときもあったあの頃もいい思い出だ。そして今はこうして仲間と共に自分の最後を迎えられる。またもう一度あの時の高揚、胸の高鳴りを味わいたかった。だがもうそれが叶うことはない。後悔はないとは嘘になるが、また生まれ変われるのならまたあの時のようにサッカーを皆で…

 

 

 この年、元王牙学園サッカーチームキャプテンであり、元総理大臣である『バダップ・スリード』は寿命を迎えた。それは人として必然であり、人として誰しも受け入れることになる死を彼は自身で予期していた。彼の魂は何処へ逝くのかそれはこれからの話であり、新たな物語である。

 

「っつ…!!ここは?」

 何故だ?俺は確か病院の一室で…。

 

 「やっとお目覚めかい?少年くん」

 

 少年?俺はそんな年では…ん?体がこれは!?

 

 「驚いたかい?体は君の一番状態がよかった高校生せいぐらいの体にしておいたよ」

 

 体が若返ってるだと?俺達の知る知識ではこんな技術は無かったはず。それに、ここは病院の一室というわけでもなさそうだなそしてこの少年は?

 

 「お前は誰だ!?」

 

「僕かい?僕の名前は神でいいよ。それ以上でもないし、それ以下でもない存在が僕さ」

 

 神?俺が思っているイメージとはかなりかけ離れているが、あの長い髭がついて雲に乗ってるとか

 

 「そのイメージは多分仙人じゃないかな?確かにそういう神はいるにはいるけども、僕はこれでもまだナウい神なんだけどね」

 

 心を読まれたのか、まあ神ならこれぐらい朝飯前ってところなんだろう。まあそれはそれとしてまず今の状況について理解するのが先だ

 

 「神よ、ここはど何だ?どう見ようとも世界にはこんな場所は聞いたこともみたこともない場所だ」

 

 「そうだね、君たちが言うには生と死の境界線ってとこかな。君はこのまま死ぬには惜しい存在なんだよ。だから僕の力で君を別の世界へ転生させようと思う」

 

 転生?平行世界のことは昔の書籍で解明されていたが

 

 「君は魔法には興味があるかい?」

 

 「魔法だと?それは空想のようなものがその世界にはあるのか」

 

 「あるともさ、丁度君たちの時代とも近いからね。その世界で君はある高校に入学してもらう。詳しい説明は君のその耳についている端末に送るよ」

 

 「転生するのはわかった。それなりの準備もあなたがしてくれるのだろう」

 

 「お、飲み込みがはやいねぇ、それと、その世界では君の技は魔法と同じようなものだからそれを理解しておいてね。あと、君の必殺技がでやすいようにこの靴をあげるよ」

 

 「この靴は?」

 

 「向こうの世界で言うCADって言う魔法を出すときに使う端末だよ。君の感覚で魔法式というものが展開される」

 

 なるほど、魔法といってもあくまで科学的なものを使用しなければできないのか

 

 「理解できたかな?それじゃあ転生っとその前に何か一つ君の願いを叶えようと思うのだけど何かあるかい?」

 

 願いか、そうだな強いて言うならば…

 

 「サッカーボール型のそのCADというものをもらいたい」

 

 「了解したよ。それじゃあCADの組み立て方や、魔法式などもろもろのデータを送っておくよ。向こうの家に着き次第見るといいよ」

 

 俺は了解という形でうなずいた。

 

 「あ、そういえば君とはずいじ連絡したいから僕の連絡先もいれておくね。それじゃあ新たな良い人生にならんことを」

 

 神がそう言うと、自分の視界は暗転した。

 

 あの時のことがよみがえる。若いときの記憶、サッカーとの出会い、彼ら円堂カノンたちとの出会い、あんな出会いがまたあるのだろうか、いや出来るだろう。あの時とは違う、もう俺は友という存在がどの世界でもいるのだから

 

 

 

 

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 『おはよー!!あ・さ・だ・よー!!』

 

 「うるさい!!」

 

 久しぶりにひどい目覚めだ。こんな老いぼれをたたき起こすなんて

 

 『君は今の体は高校生でしょうが!』

 

 ああ、そうだったな。確か、あの後視界が暗くなってて、ここは?

 

 『そこはこれから君が暮らす家だよ。お金は机に置いてある通帳に送っておくから金銭面は気にしなくていいよ。あと、CADとかその他諸々は君が作業しやすいようにつくった地下作業室に入れておいたから見てくるといいよ』

 

 「総理大臣の時もここまでの優遇は無かったな。すまない神」

 

 『いいよ、じゃあ問題があったらいつでも連絡してくれよ』

 

 「わかった」

 

 一言で返すと、そのままプツンという音をならし通信が切れた。

 

 さて少しは体を動かすか、俺はそう思いボールと共に外へと出た。

 

 

 

 

 




 次回もどうぞよろしく

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