ダンガンロンパ 〜Another one hope and despair〜   作:killer emperor
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第12話

「チィ!」

 

蓑田は苛立っていた。本来なら江ノ島なんてどうでもよかった。ここで死んでも悲しまないし、皆が死を目撃する事で多少の絶望が見られた筈。あれを助ける理由なんてなに一つない。

 

 

 

じゃあなんで助けた?

 

 

 

 

「あークソ腹立つ。もうこうなったら体動かして忘れるか?それとも葉隠辺りをミンチにして憂さ晴らしでもしてやろうか………。いっそ風呂に入ってリフレッシュすんのもアリっちゃアリか」

 

このまま、風呂に直行しようとした。

 

「どこに行くのかしら?蓑田くん」

 

「どこに行こうが僕の勝手でしょ?………風呂だよ」

 

「その腕で?」

 

「これは唾つけときゃ治る。もういいだろ?じゃあな」

 

 

 

 

 

「………なんで風呂場までついてきてんの?」

 

「貴方に聞きたい事があるからよ」

 

「へぇ〜。それって俺の肉体の事?それとも舞園の事?」

 

「この学園の貴方の言動についてよ」

 

「………あ?」

 

あの時と同じ顔だ。あの見透かしたような顔。最高にキモい顔。

 

「幾らなんでも出来すぎている。舞園さんが外から出なくなったその日に学級裁判の説明。後、3階までのドア解除は有り得ないわ」

 

この女は危険だと蓑田はそう判断した。

 

「……話を続けろ」

 

「貴方はモノクマと契約したのではないかしら?舞園さんを壊す代わりに3階までのドア解除提案した。貴方達の掲げる『黒幕を殺す』目標の為に。そうよね」

 

「はぁ………お前、『超高校級の探偵』とかじゃないの?まるで見透かされてるみたいだ」

 

「…………そうかもしれないわね」

 

「なんか言った?」

 

「いいえ何も」

 

バッチリ聞こえていたが、敢えて聞かなかったことにした。他人の秘密に踏み込むのは野暮というものだ。

 

「それより貴方。江ノ島さんが探していたわよ。顔ぐらい合わしてもいいんじゃないかしら」

 

「えーやだ。何で僕が合わなきゃいけないんだ。話したことも殆どないのに。気まぐれで助けただけだよ?」

 

「助けたなら助けたなりに責任がある筈よ。少なくとも、江ノ島さんのお礼を聞く義務がある」

 

「チッ………わかったよ。気が向いたらな」

 

そう言いつつ、風呂場から抜け出そうとした。

 

 

 

 

「あ!みーつけた!」

 

「………マジかよ」

 

本当は江ノ島を避けて、時間経過で忘れさせようとしたが風呂場から出てきたところで偶然エンカウントしてしまった。今日ばかりは神を呪う。

 

 

「んで何の用?」

 

「いや、その...大丈夫かな?って思ってさ!」

 

「心配しなくても今んとこ痛みとかは無いから、お前がいちいち気にする必要はないよ。つか、元を辿ればモノクマにあの話をさせたの実質僕だし。お前が死にかけたのも僕のせいだし………」

 

「そうじゃないよ。死にかけたのは自業自得だし。あんたが助けてくれたからあたしは生きてる……だからありがとう」

 

左腕に抱きついてきた。

 

「は?えっ、ちょ」

 

その……左腕が色々と当たってるせいでどう対応していいかわからない。 いやむしろこれは胸板と表現した方がいいかもしれない。ギャルらしからぬ筋肉質でなんか素直に喜べなかったが、蓑田は空気を読みその点に関して何も言わなかった。

 

 

 

「......おっぱい無くてごめん」

 

「最後のセリフが残念すぎるわ。考えても口に出さないように努力してたのに……まぁどういたしまして。これで用は済んだか?」

 

「待って!」

 

「んだよ今度は」

 

「あたしのせいで右手怪我したんだから右手の代わりやるって」

 

「別にそんな気にせんでも...」

 

「いーからいーから。あたしが決めた事なんだし」

 

別に2日3日で治るような怪我を見てもらわなくてもいいのだが、女の子と接する機会がないので丁度いいかもしれない。

 

「はぁ……わーったよ。まぁ暫くはよろしくな〝むくちん〟」

 

「うん!

 

 

 

 

 

 

…………へ?」

 

「あん?………すまん今の忘れてくれ、あまりに知り合いに似てたからついそいつの名前呼んじまった。じゃあ改めてよろしくじゅんこちん」

 

「…………うん」

 

なんとも気まずい印象で別れてしまった。だが蓑田の頭にどうも引っかかってしまった。

 

(おかしいな………僕の知り合いにむくちんなんていない筈なのに………

 

 

あいつはなんなんだ、じゅんこちん)

 




蓑田に記憶消去なんて意味なかったんじゃないかなぁ……







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