助け出した女の子がアイドルだった件について   作:暁月 聖人

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では、本編をどうぞ。

 


女の子とお出掛け。あれ?これってデート? 後編

 服屋を後にした俺達は昼を取るため、フードコートへ向かう。

 

 渋谷の手には買った服を入れた袋がある。色々と見てたはずなんだが何故かあの黒いワンピースだけを購入したらしい。

 

 だが、逆に言えば、あの姿をもう一度拝めると言うことだ。ありがたや、ありがたや。

 

「柊木君、何かやましいこと考えてない?」

 

「はっはっはー。そんなまっさかー」

 

 女ってなんでこう鋭いの!?恐ろしい……。

 

 俺達はフードコートを着くと各々昼飯を調達しに行く。

 

 俺は適当にすき○の牛丼にした。安定だね。

 

「……ん?」

 

 今一瞬、紫乃の姿が……気のせいか。ここにいるわけないし。あれだろ、他人の空似。人多いし。

 

 牛丼を持って気にせずに戻ってくると既に渋谷が席を確保してくれており、マ○クのセットを広げていた。

 

「お待たせ。席確保ありがとな」

 

「それくらいいいよ」

 

 俺は席に着くと牛丼を口に運ぶ。

 

「そういえば、柊木君って妹がいるんだよね?」

 

「ああ。写真あるぞ」

 

 俺は携帯で兄妹ツーショット写真を表示して渋谷に見せた。

 

「……義妹?」

 

「その反応をしてくれると思ったよ!俺と紫乃は血の繋がった兄妹だ!」

 

「全然似てないじゃん」

 

 それはあれだよ。遺伝子の割合が全く違うからだよ。

 

「……でも、妹ってことは中学生ってことだよね?」

 

「え?あ、うん。2年生だけど」

 

 渋谷は紫乃をよく見て、顔を下を向ける。そして、また紫乃を見る。

 

 いや、違う。恐らく、紫乃の大きい胸と自分の胸を見比べているのだ。確かに、渋谷は紫乃と比べると小さいが、そこまで気に───

 

「がっ!?いたっ!!」

 

「……小さくて悪かったね」

 

「何もいってないだろ……!!」

 

 突然強く脛を蹴られて涙目になる俺。渋谷は不機嫌になり、そっぽを向いた。

 

「……柊木君は、さ」

 

「くそ、また蹴られた……ん?」

 

「む、胸の大きいは人の方がいい?」

 

 この子は突然何を聞いてるの?顔を赤くして、恥ずかしい思いをしてまで聞きたいことか?

 

「……俺も思春期男子な訳でしてね。そりゃ、大きい方がいいとは思うけど……胸で女の価値ってのは決まらないと思うんだけど……」

 

「へぇー。例えば?」

 

 俺は少し考えるそぶりをとると3本の指を立てて答える。

 

「俺は美人には三大要素があると思う。まず、容姿。所謂、顔だな。次に、体型。これは胸もあるが、足や腰なども入ってくる。んで、最後は性格。どんなに容姿や体型がよくても、性格が最悪なら、近づこうとは思わないからな」

 

 俗に言う残念美人というのがそれに当たる。ほら、この○ばの駄女神とかドMクルセイダーとか爆裂オタクとかボッチの魔法使いとかそうだろ?

 

「……うわぁ」

 

「何で引くんだ!?」

 

「だって、そんな堂々と言うなんて……」

 

 お前が聞いてきたんだろが!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼飯を食べ終えた俺達はフードコートを出ると再びショッピングモールを回る。

 

「次はどこに行く?」

 

「うーん……柊木君は行きたいところある?」

 

 行きたいところ?ってもな……。

 

「特にないんだが……」

 

「遠慮はいらないよ。私ばっかりじゃ申し訳ないし」

 

「……そうだな」

 

 んで、結局行くところと言ったらゲーセンなのである。

 

「渋谷ってゲーセンは?」

 

「行ったことないけど」

 

 だよなぁ。渋谷はこういうところに行くの想像できない。

 

「柊木君はよく行くの?」

 

「ストレス解消で、たまにな」

 

 ストリート○ァイターやらガン○ムVSやらクレーンゲームやら艦○コ○クションアーケード版やら色々とやってた。

 

「まず、なにやる?」

 

 渋谷とゲーセンを回りながら、遊ぶものを選ぶ。

 

「…………」

 

「……あれ?渋谷?」

 

 渋谷が立ち止まっているのを見て、俺も立ち止まった。

 

 渋谷の視線の先には犬のぬいぐるみがある。それも、けっこうでかいやつ。

 

「ほしいのか?」

 

「いや、そういう訳じゃないよ。でも、クレーンゲームってやったことないし、やってみようかな」

 

 やっぱり欲しいじゃんか。何意地張ってるの、この人?

 

「やり方を教えようか?」

 

「うん」

 

 渋谷に軽くクレーンゲームのやり方を教えて、俺は近くで渋谷のプレイを見守ることにした。

 

「……」

 

 1000円注ぎ込んだが失敗。

 

「…………」

 

 3000円注ぎ込んだが失敗。

 

「…………………」

 

 5000円注ぎ込んだが失敗。っておいおい。いくらなんでもかけすぎだろ!どんだけほしいんだよ!

 

 いまの渋谷を見てると“偉い人は言いました。UFOキャッチャーは貯金箱であると”というとあるjkの言葉は本当に的を射てるな。

 

 しかも、毎回失敗するパターンが持ち上げて落ちるばっかだし!同じところばっかり狙ってるし!

 

「渋谷、代われ」

 

「嫌だ」

 

「意地張るな!お前、この調子だと10000円どぶに捨てる羽目になるぞ!」

 

「別にいいよ。私、稼いでるし」

 

「高校生にとって、10000円は大金だっての!えーい、代われや!」

 

 見てられなかった俺は無理矢理代わり、100円を投入する。

 

 ハチ公みたいな座り方をしている犬のぬいぐるみをどう狙って、手に入れるか考え、策を練る。

 

「よし、やるか」

 

 俺は頭の近辺までクレーンを動かして、アームをちょうど首のところを掴ませる。

 

 これはピンポイントでクレーンを止めないと出来ない大技なのだが、こう見えてやりこんでいた俺にとっては朝飯前なものである。

 

「やっしゃ、とれた」

 

 ぬいぐるみをゲットし、ガッツポーズする。それを渋谷に渡そうとするが、渋谷はジト目でこちらを見ていた。

 

「え?何でそんな目を?」

 

「いや、だってさ。そんなあっさりとれたらさ。5000も注ぎ込んだ私がバカみたいじゃん。アドバイスするとか指示するとかあると思うんだけど」

 

 言われてみて気づいた。俺、人の功績をかっさらってるだけじゃん!

 

「えっと、ごめん……」

 

「もういいよ。取っちゃったものは仕方ないしさ」

 

「……あの、受け取ってくれませんか、渋谷お嬢様?」

 

「何でお嬢様?」

 

 いや、そう呼んだ方が機嫌直してくれるかなって。

 

「でも、ありがと。私のためにしてくれたわけだし」

 

 ぬいぐるみを受け取ってお礼を言う渋谷。

 

 俺は何だか照れ臭くなって視線をそらして頬をかく。

 

「柊木君……照れ屋?けっこう照れる確率高いよね?」

 

「照れ屋じゃないです。俺はこういう好意に慣れてないんだよ。精々妹にされるくらいでな」

 

「ふーん」

 

 そのニヤニヤとした顔はなんだ?またからかわれてるのか?

 

「うん。からかってるよ」

 

「だと思ったよちくしょう!」

 

 また心読まれたし!え?女子高生って読心術所持が当たり前なの?

 

 このあとも俺と渋谷は湾岸ミッドナ○トやエアーホッケーなどを楽しんだ。

 

 DDRというダンスゲームで高レベルな曲を難なくこなす渋谷には驚きを隠せなかった。プレイは初めてという話だが……ダンスの経験でもあるのか?いや、まさかな。

 

 俺?ノーマルレベルでてこずってましたけど?それについてとことん渋谷にからかわれて、俺はハードをプレイしてみましたが、惨敗しました。

 

「ほら、そんな落ち込まない。意地張ってハードをプレイしてみて失敗したからって」

 

「うるさいよ」

 

 ニヤニヤとしながら言うんじゃねぇ!何でそんな余裕な笑みを浮かべてるんだよ!あれか?勝者の余裕ってやつか?

 

「はっ!?まさか、クレーンゲームの仕返しか!」

 

 俺の言葉で渋谷は肩を震わすと俺から視線を外した。

 

「図星か?おい、渋谷?」

 

「…………」

 

「そこで黙るなぁ!!」

 

 渋谷は人一倍負けず嫌いだと言うことを知った瞬間だった。




次回は別視点で二人のデートを見ていきます。

誰の視点って?次回のお楽しみ。

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