「ひゃ─────っ!!あとは下るだけだ!!」
グランドラインに入ったメリー号は現在海を下っていた。
「ここが世界で1番偉大な海・・・・・・行け───っ!!!!」
ルフィは特等席の船首に座り叫んだ。
ブオオオオオオオ!!!!!!
すると遠くの方から何かが鳴く音が聞こえてきた。
「おい、何だ何か聞こえたか?」
「知るか────行け─────!!!!!!」
「風の音じゃない?変わった地形が多いのよきっと」
ゾロが言った。ルフィはゾロの発言をスールしテンションMAXの状態で船首の上で騒いでいた。ナミがゾロの疑問に答えたのだった。
ブオオオオオオオ!!!!!! ブオオオオオオオ!!!!!!
更に謎の音は聞こえてきたのだ。この音は明らかに風の音じゃないのは確かなのだ。たが麦わらの一味は全員それに気づいていなかった。
「・・・・・・ナミ!!風の音なんかじゃない!!アレはクジラだ!!」
だが唯一謎の音の正体に気づいたのは沖田だった。何故なら彼が食べたキメキメの実は食べた人物の五感と身体能力を何十倍にもするからだ。そのお陰で彼の視力は人の何十倍にもなり遥か向こうにある石も見えるようになったのだ。そして彼の目に移ったのはクジラだったのだ。
「まさか・・・こんな所にクジラが居るわけ無いでしょ」
ナミは沖田の発言を信じなかった。何故ならここはグランドラインの入口そんな場所にクジラが居る訳は無いのだ。その為ナミは沖田の発言を信じなかったのだ。
「オイ・・・何だありゃ・・・」
「ナミさん!!前方に山が見えるぜ!!」
「山?そんなハズないわよ!この先の双子岬を超えたら海だらけよ」
ウソップはゴーグルの双眼鏡で沖田と動揺何かを見つけたのだった。サンジはマスト上から山を見つけたとナミに報告した。しかしナミが言うにはこの先には双子岬しか無くそれを超えたら海しかないのだ。その為山なんかある筈はないのだ。
「だがら、クジラだって言ってんだろうが!!というかもう目の前に居るし!!」
「ほ・・・ホントだ!!」
沖田の言う通りナミが前を向くとそこには巨大なクジラが退路を塞いでいたのだった。もしこのままクジラ一直線に進んでしまったらこの船メリー号は大破してしまう可能性があるのだ。
「だから、言ったじゃねぇか!!」
「キレてる場合じゃないだろ、左抜けられるとり舵だ!!」
沖田が少しキレてるいるとゾロが冷静に分析し左に抜けられる事を言った。
「舵折れてるよ!!」
たがグランドラインに入る前サンジとウソップのバカ力により舵は折れてしまったのだ。舵が折れてしまっているならとり舵なんか取れないのだ。
「何とかしろよ、俺も手伝う!!それと沖田お前も来い!!」
「わかったよ!!」
ゾロはそう言い舵ある場所に行き沖田もゾロに続いて行った。
「そうだいい事考えた!!!!」
「何すんのルフィ!!?」
「「「「とり舵っとり舵ィ!!!!」」」」
ルフィが何かを閃いていた時ゾロ,サンジ,ウソップ,沖田が残っている舵でとり舵を取ろうとしているがメリー号は曲がらずクジラに一直線に向かっているのだ。
ドゥン!!!!!!
「「「「「大砲・・・・・・」」」」」
メリー号がクジラにぶつかる寸前ルフィがクジラに大砲を放ったのだった。たが勿論そんなことでメリー号は止まらずそのままクジラに激突し船首が折れてしまった。
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
「!!!?・・・・・・俺の特等席っ!!」
ゾロ,ナミ,ウソップ,サンジ,沖田はクジラに視線を移した。ルフィだけは自分の特等席だった船首が折れてしまいショックを受けていた。
「に・・・逃げろ今の内だァ!!」
「何だ一体どうなったんだ!!?砲撃に気づいてねぇのか!!?それともトロイだけか?」
「普通に考えてあのクジラ頑丈なだけだろ!!」
上からゾロ,ウソップ,沖田の順で言った。
ブオオオオオオオ!!!!!! ブオオオオオオオ!!!!!!
「ぐあァ!!!!耳が痛てぇ!!」
「漕げ!!とにかく漕げ!!こいつから離れるんだ!!」
「早く離れないと鼓膜が持たねぇぞ!!」
ゾロ,サンジ,ウソップ,沖田は必死に船を漕ぎクジラから離れようとしていた。今の位置ではクジラの鳴き声はとてつもなく耳に響くのだ。早くこの場から離れないと鼓膜が破れる可能性があるのだ。4人が必死に船を漕いでいる中ルフィがクジラの目の前に立ったのだ。
「お前、一体俺の特等席に・・・・・・何してくれてんだァ!!?」
ルフィはそう叫びクジラの右目に強烈な一撃を放ったのだった。
「「「「「アホ─────っ!!!!」」」」」
ルフィの行動に一味全員がツッコミを入れた。それもそのはず今までクジラは自分達に気づかなかったのにルフィの一撃でクジラはこっちに気づいてしまったのだから。
「かかって来い!!コノヤロォ!!」
「「てめぇ、もう黙れ!!」」
ルフィがクジラにそう叫んだ。するとゾロと沖田がルフィの後頭部を蹴りながらツッコミを入れた。
グバァッ!!!!
『うわああああああああ!!!!』
「うわあああああ!!」
「ルフィ!!」
クジラはメリー号をエサだと思ったのか大きく口を開けてメリー号を飲み込んでしまった。飲み込まれる時ルフィだけがメリー号から落ちてしまったのだ。ルフィが海に落ちようとしている中メリー号はそのままクジラの口の奥に消えて行ってしまったのだった。