私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~ 作:かもにゃんこ
今回は美結目線にて変わりますのでご注意下さい!
デートとかでよく、男がリードしてなんぼ、と言いますが、作者的にはそういうのはちょっと違うかとも思います(笑)まあ、そういうのが好きな人同士で付き合えば・・・あんまり書くと炎上しそうなんでこれくらいにして本編どうぞ(;'∀')
「ここだね」
「そう、だね」
まず1つ目の目的の場所に着いた私たちは、そのお店を見て顔を見合わせた。理由は・・・。
「何か、その、うまく言えないけど・・・」
「あ、うん、なんとなくわかる・・・」
「だよね・・・なんか高級感漂うというか・・・」
そう、見た目からしてなんか私たちは場違いと言うか。ぶっちゃけそういう観点と言うか、値段がどれくらいするとか全然調べてなかったと今更ながら気が付いた。
「でも入るだけならタダだし、入るだけ入ってみようか?」
一応、どんなものかだけでも確認して置きたかったし、そう提案した。
「うん、僕もそんな感じ」
と言うわけで入店・・・。
× × ×
「高すぎだね・・・」
「うん・・・」
入ったはいいものの、やっぱり場違いもいいところ。高級な模造刀しか売っていないお店で、並んだ品物の値段を確認しただけで早々に撤退した来ました。で、結局まずは相場を少し調べてみることに。
「なるほど・・・ほんとに安いのだと2,3千円くらいのもあるんだね」
「さっきのお店がいかに高いか、って感じだよね」
「うん」
「色々な値段が売っているようなところがいいかな、って感じだね」
「そう、だね」
「とりあえず次行ってみようか」
電車を乗り継ぎ、そこの場所からは30分くらい移動したところに次の目的地はある。が・・・。
「閉店してる・・・」
「あー・・・」
肩を落とす私と板倉くん。2つ目もダメでした。
「あとはちょっと遠いけど、ここに行くしかないね」
「うん。でも正直僕としてはそこが一番期待が持てそうかなって最初から思ってた」
「あー、確かに観光地と言うか、外国人の観光客もいっぱいいるし、そういうの売ってそうかも」
「うん」
その場所まではここから1時間半強。ちょっと遠いけども、早めに行動したこともあり時間は十分ある。午前中の集合で良かったとちょっとホッとする。
時間を見ると12時をちょっと過ぎたところであった。
「どうしようか、どこかでお昼でも食べてから移動する?」
時間も時間だったし、私は朝ご飯をそこまで食べてなかったこともあって、普通にお腹は空いていた。
「あ、うん。僕もそんなこと言おうと思っていた」
「そっか。じゃあ決まりだね」
とりあえず駅の方へと向かいながら2人で話す。
「好きな食べ物とかある?」
そう言えばそういう話はまだしてなかったかな。実際食べるわけだし聞いてみた。
「うーん、これと言って好き、っていうものはないかも知れないけど・・・」
「うん」
「外で食べるなら麺類が多いかな・・・」
なんとも言えないというか、質問の答えにはちょっとなってないのでは?とも思ったけど、まあ、うん、いいでしょう。
「そかそか」
「あ、まあ、僕は正直どこでもいいよ。高森さんが好きなところで・・・」
「あー、女の子にそういうの決めさせるんだ」
イジワルがしたくなったとかそういうわけではないのだけども、板倉くんの性格的に予想通りの言葉を聞いてしまった私は、ついついそんなことを言ってみたくなった。もちろん、全然怒ってる感じではなく、笑いながら。
「ええと・・・だ、だよね、あはは・・・」
少し困惑しつつも何か納得の表情の彼。もしかしたら、そう言われるかもと思っていたのかも知れない。そんな姿を見て私もついつい笑う。
「あはは、何それ。最初から言われるって思ってた?」
「あ、うん、まあ。言った後ちょっとヤバいかもって思った」
「思ってたなら言わなきゃよかったのにね」
「でもさ、その、適当にお店入って嫌だったって言うのはまずいし・・・」
私はそれを聞いてちょっと嬉しかった。リードしようとしてくれつつも、私のこと考えてくれたんだと勝手に想像したから。不意ににやけてしまう。
「うふふ・・・」
「・・・?どうしたの?」
「あ、ううん、なんでもないよ。そうだね、私はね」
今日はこの時期にしては割と涼しい方だし、私は・・・。
「ラーメン食べたいかも」
うん、ラーメンいいよね。女の子がラーメン?って思うかも知れないけど、美味しいし、お店によって色々違うし、普通に外食の中ではトップ3に入るかな、って感じ。
「え、ラーメンで、いいの?」
「うん。板倉くんも麺類って言ってたし、大丈夫でしょ?」
「え、う、うん。僕はいいんだけど・・・」
その顔は「女の子ってラーメン食べるの?」って思ってるね。まあ確かに世の中の認識からしたら、食べない印象のが濃いかもね。
「私好きだから、ラーメン。太りたくないからそんなに食べてるわけじゃないけどね。あはは」
「そうなんだ。じゃあ決まりでいいかな」
少し歩き、駅の近くになんとなく良さそうなお店があり、そこに入ることに。ちょっと並んでこともあって少し待ったけど、待ったかいがあったか、凄く美味しいものが食べられた。
「美味しかったね」
「だね」
「板倉くんって結構食べるんだね、細いのに」
「あー、たまに言われるかな。燃費悪いって自覚あるから」
「そうなんだ。あー、でもそれ、太りにくいってことでしょ?羨ましいなあ」
「いや、まあ、どうだろう?それに高森さんだってスタイルいいと思うし・・・」
「へ?」
思わず変な声が出てしまった。いや、だって不意打ち過ぎるでしょ?そんなこと言うような人には見えなかったから・・・。
美結がちょっと戸惑っていると、そんな姿を見ていた勇人も自分が何を言ってしまったが気が付き、恥ずかしさとかで目を逸らし下を向いてしまった。
その、なんだろうこの気持ち。今まで全然意識してなかったようにしてたし、実際そんなに意識してなかったと思う。たった一言、そこまで別になんでもない一言だけでこうも気持ちは動いてしまうんだ。
決して悪いことではないのではあるが、そう感じてしまった自分は今は何か恥ずかしい。
ふう、っと一息つき美結は気持ちを落ち着かせた。とりあえずなんとも言えない空気を脱しないと。
「「あの・・・!」」
何か言おうと振り向いたその瞬間、彼も同じことを考えていたのかも知れない。同じタイミングで言葉を発し向き合ってしまう。
「「あ・・・」」
少しの時間2人は顔を見合わせていたが、不意にお互い笑いがこぼれる。
「ふふ・・・!」
「ふっ・・・あはは・・・」
「なんで笑ってるの!」
「それ僕のセリフなんだけど」
「なんだろうね、わからないかなー」
「だね、あはは」
何か自分でもよくわからないけど、お互い見ていたら何か可笑しくなってしまった。たぶんだけど、なんであんな些細なことで悩んでしまったんだろうって思ったからかな。
「なんかゴメンね、あんまり褒められたこととかなかったから。ちょっとびっくりしちゃっただけ」
「僕こそゴメン。言った後にさ、女子にそういうこと言うものじゃない、って思っちゃって」
「そかそか。全然大丈夫だよ。マイナスのことは言っちゃダメだけど」
うん、そうそう、見た目でも性格でも歳とかでも、褒めたりしてくれるなら女の子は嬉しい生き物だからね。あんまり盛りすぎてもダメだけど(笑)
「あはは・・・気を付けます」
「うんうん」
× × ×
「やっぱりこういうところは色々あるね」
「そうだね」
ちょっと色々あったもの、3つ目の目的地に私たちは到着。予想通りそこは高いものから安いものまで、カッコいいものから華やかなものまで、多種多様の模造刀が揃っていた。
「私はこれがいいかな。見た目もなんか時代に合ってそうだし、値段もちょうどいいし」
私はそう言いながらちょっと試しに振って見る。全然軽いし、振りやすい。
「うん、僕もそれでもいいと思う」
「良かった。板倉くんも試しに振ってみれば?」
そう言い私は彼に渡す。軽く持ち、感触を確かめている。と・・・。
「それ!」
そう言いながら彼は左右上下に模造刀をピュンピュン振る。私はそれを無言で見る。と・・・。
「あ・・・」
今自分が何をやっているのか、不意に気が付くと固まる板倉くん。私はそんな彼の姿を見て笑わずにはいられなかった。
「ふふふ・・・そんなこともするんだね」
私がそう言うと、顔を赤くする板倉くん。なんか可愛いかも。
「いや、これは・・・」
彼の気持ちはなんとなくわかる。こういうの見るとついつい子供心を思い出してしまうというかね。
「大丈夫大丈夫、私も今でもそういうのすることあるし。何とか魔法~!とかさ」
「そ、そっか。あはは・・・」
私のフォローになっているのかよくわからないその一言にホッとしてくれたみたい。正直私としては、子供っぽい一面が見れて幻滅したとかは全然なく、また知らない彼の一面が知れて嬉しかった気持ちが大きかった。
そんなこんなで目的の模造刀、それと新しい彼の一面を手に入れることが出来た1日となりました。
というわけでいい感じになったところで2人の初お出かけ回は終了です(^^)/
ちょいちょい美結ちゃんの乙女チックな部分も出たり、また、勇人くんの子供っぽい部分も出たりとなかなか面白い回に仕上がったかなと作者自身は思いました!作者的には美結ちゃんが言ってた「何とか魔法~!(とか言ったりする)」の部分を想像したら萌えました(笑)自分で書いて何言ってたんだ、って感じですがね(;'∀')