私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~   作:かもにゃんこ

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さて2話です(^^)/今のところは順調に続きも書けてます!

前回は1年前の時間で終了しましたが、今回はまたもとの2年生の4月からスタートします!

今話も名前ありのキャラが登場するため、あとがきにて紹介します('ω')ノ


「演劇、やりたいでしょ!?」

私がオシブに入って始めて依頼された舞台音響の仕事は特にミスもなく、予定通り終了した。

今はその帰り道、同じ部活の同級生、「若杉由依(わかすぎゆい)」ちゃんと一緒に帰っている。

 

「ねえねえ」

 

「うん?」

 

「美結から見て今日のあの人たちの演技はどうだったの?」

 

「あ~」

 

由依ちゃんは私が演劇をやっていたことを知っているからかわからないけど、唐突にそんな質問をしてきた。

 

「うーん、大学生の演劇のレベルって私は良くわからないけど、私的には結構凄いって思ったかな。見てて楽しかったし」

 

「へぇ~!私には良くわからなかったけどそうなんだねー」

 

まあ、下手な人は中にはいたけど、余計なこと言うとなんか面倒そうなのでありきたりな答えを言ってみた。

 

彼女はふんふんと頷いた後、ちょっと寂しそうにこう聞いてくる。

 

「やっぱりさ、舞台見ると演劇やりたくなっちゃったりしちゃうのかな?」

 

その質問に対し、私は暫し無言になる。その問いに対し、私はなんと答えれば正解なのか。

 

「うん、まあ、ね。あはは・・・」

 

選んだ答えは、苦笑いで思ってることを言った。やりたいけど諦めているって言う意思表示みたいなものかな。

 

そんな態度の私へどんな答えが返ってくるのかと思っていたら、彼女は笑顔になっている。な、なんだろう・・・?

 

「ねえ美結!」

 

「え?う、うん?」

 

「これ見て」

 

そう言うと由依ちゃんは自分の学科(由依ちゃんは国文学科の専攻)の履修科目が載っている冊子を開き、ある場所に指を差している。

 

「え?何々?」

 

履修科目なんか見せてなんだろうなあ、と思いながらそこを見ると・・・。

 

「古典、演劇・・・?」

 

授業の名前を書いてある通りに読んだ私はポカンとしたまま由依ちゃんの顔を見る。

 

「うん、そう!演劇の授業があるのよ~!」

 

「へぇ・・・って!えええ~!?」

 

理解をした私は、私らしくなく(?)その事実に驚嘆した。

 

・・・っと、いけないいけない。電車の中だった。私は咳払いをし、周りを伺いながら冷静を保ち、彼女へと質問をする。

 

「・・・えっと、なんで演劇の授業があるの?」

 

「ここにも書いてあるけどね、演劇を通して日本の古文や昔の物語を学びましょう、ってことらしいよ」

 

「ふーん・・・」

 

それを聞いてなんとなく納得する。確かに演劇台本にはそういうのもあった気がするし、決して遊び半分でやるものとは違うのだろう。

 

「受けてみれば?」

 

由依ちゃんはそう軽々しく言うけども・・・。

 

「いやいや、私国文学科じゃないし。受けられないでしょ」

 

もっともな返しに彼女はさらりと言ってのける。

 

「いやあ、大学なんて誰がなんの何受けても大丈夫だよ!そりゃあ必修科目だったらバレるかもだけどね」

 

・・・まあ、うん、確かにその通りではあるけど・・・なんかこう、わかるよね?正義の心に引っ掛かるよね?

 

「簡単に言うけどねー・・・それにさ」

 

「うん」

 

「もう先週から前期の授業始まってるよね?」

 

「うん、そうだね。で?」

 

で?じゃないでしょ!もう~!

 

「はあ~・・・なんかなあ・・・」

 

私が呆れていると、由依ちゃんはポンと肩を叩きながら。

 

「演劇、やりたいでしょ!?」

 

脳天まで染み渡るような口調で私にそう言った。

 

結論から言うと、私の欲と彼女の勢いに負け、次の授業にこっそり出てみることになった。というか、一番びっくりしたのが由依ちゃんはその授業を履修してないという・・・(笑)なんか嵌められた気分でした。

 

一通りその話が終わると、由依ちゃんは、あ、そうだ、と何か思い出したように話し出した。

 

「あの人にはまだ会えてないの?」

 

「え?」

 

「美結にとってのあの人と言えばあの人だよー」

 

「あー」

 

言われて思い出すってわけではなく、常に考えていたり。

 

「まあアレか~、その反応じゃ何も進展なしだよね」

 

その通りなんだけど、私の中ではなんとなく蒸し返して欲しくない話題なんだよね。

 

あの倉庫の事件があってしばらくは正直はしゃぎ過ぎた。特に由依ちゃんと去年知り合ってからは自慢話みたいな感じで結構話してたし。で、結果がこれだから今度は私がからかわれる側になったり。最近は話題にもあんまりならなかったから正直ホッとしてたのに。

 

「なんで今それ聞くの」

 

ちょっと不機嫌そうな態度で聞く。

 

「うーん?2年になって少し行動範囲増えたりしたら交遊関係も増えてもしかしたらって思って」

 

「なにそれ!ないない!どっちも増えてないし。というかそもそもなんかあったら嬉しくて私から話してるよ」

 

「ですなあ。聞いた私がバカだったか~!」

 

「もうっ」

 

あれから1年経っても会えないなら正直もう無理かなあ、って思う時も度々ある。学内のどこかで実はすれ違っている可能性もなくはないけど、私は彼の顔ははっきり覚えてるし、見つけたら見逃さないと思う。

 

ただね、良く言う「運命の出会い」とかの類いだったらこんなに会えなくはないはず。だから最近は縁がなかったのかなとも思うようになった。マンガの世界みたいにはうまくいかないなあって。

 

 

× × ×

 

 

翌週、私は由依ちゃんに紹介された演劇の授業へと向かった。

 

ぶっちゃけ講義直前になってやっぱりマズイんじゃあと思い、少し迷ったけど意を決して講義を行う教室へと入った。それに先週いなかったし、そもそも学科違うしで変な目で見られてるのでは?と勝手に思い、なんとなく人目は気になった。

 

講義が始まる2、3分前ではあったけど、学生は20人くらい。割りと少ないんだなあとちょっとがっかり。

 

(「演劇楽しいのになあ・・・」)

 

みんな前の方の席に座っており、本当はあんまり目立ちたくないから後ろに座りたいのを抑えて適当に席に着く。それからちょっとして、私が座った3人掛けの机の右端(私は左端に座っている)の椅子がガタッと動く。

 

別に何もなくても隣に人が座れば気になるのが人間かな、私もなんとなく目線だけでチラッと見る。

 

と、たまたま彼もこちらを見てたみたいでなんとなく目が合う。すると彼は「あの・・・」と私に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声を発する。

 

「えっ?」

 

なぜ彼が「あの」と声をかけてきたのかわからない私はちょっと混乱する。知り合い?会ったことあるんだろうか?

 

わけがわからないけども、とりあえず声をかけてきた意味が気になる私は、思い切って尋ねる。

 

「あの、私だけ忘れてますか・・・?」

 

もしかしたら小学校とかの同級生かも知れないし、向こうは知ってるのにこっちだけ忘れてたら失礼だもの。

 

ただその問いになんとなく居心地悪そうになっている。

 

「あ、まあ、いや・・・」

 

そう言う彼は、困っているというか、どう答えていいかわからない感じだった。そんな彼に私もどうしていいのかわからなくなりそうになったその時。

 

「あ・・・!これで・・・」

 

思い出したかのようにそう言いながらカチャっとかけていた黒ぶちの眼鏡を外した。

 

私はその顔を見て目を丸くし、声にならない声で驚いた。

 

「っ!?」

 

神様、そんなに私をからかうのが好きですか。

 

結論から言うと彼は「あの男の子」だった。




さっそく・・・いや、物語的にはたったの1話ですが、実際は1年間待ってやっと会えた感じだったんですよね、良かった良かった( ;∀;)


・・・登場人物紹介2・・・

若杉由依(わかすぎゆい)

大学2年生。美結と同じく音照創造部所属。

高校時代に付き合っていた彼氏がいたが、生活の違いからすれ違い仕方なく別れた過去がある。

人の相談に乗ったりするのが好きないわゆる姉御肌というやつ。コイバナも大好き。


とりあえず今考えられる範囲ではこんな感じですね(^^♪また追加するかも?
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