私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~   作:かもにゃんこ

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美結×由依回の後は再び練習回となりますよー(^^)/

練習回も何回も何回もやるとちょっとグダグダになっちゃいますでしょうかねえ?まあ、やりたいシーンは一応全部書く予定ですがね('Д')


「やっちゃった・・・」

「ごめん!遅れちゃった!」

 

「ちょっと高森さん、今何時だと思ってるの?」

 

「え?10時でしょ?2時間くらい遅れたっていいじゃん?」

 

「ごめん、そんな時間にルーズな人とはもう一緒に出来ない、さようなら」

 

「え、ちょ、ま・・・待ってーーーー!!」

 

 

・・・・・・。

 

「うわっ!!」

 

見慣れた天井。あれ、さっきまで板倉くんと一緒にいたはずじゃ・・・。

 

「夢・・・はあ、よかった・・・」

 

夢って絶対あり得ないことが起きてるときも多いのに、なぜか見てるときは妙にリアル感あるよね。本当いつも「夢で良かった」みたいなことも多いし。今日のも夢で良かった。遅刻してそのまま・・・とかあり得ないし。

 

夢で良かったと思い体を起こしふと目覚まし変わりに使っていたスマホを見る。アレ、そう言えば今日は目覚まし鳴ってないような・・・。

 

「あ・・・」

 

起床予定時間を30分過ぎてました・・・。

 

「うわあ・・・」

 

そう言えば思い出す。昨日はずっとネットをいじっていてそのまま寝落ちした気がする。

 

「やっちゃった・・・」

 

・・・じゃなくて!急がないと!!とりあえず立ち上がり、準備をする。

 

「こういうときに・・・」

 

鏡を見る私。なぜかこういう時に限って髪はいつもよりボサボサ・・・正直いつも通りに起きてればシャワーでも浴びて整えたいところではあるが、そんなことをしていたら100%間に合わない。とりあえず簡単に髪を濡らしてドライヤーで整えるしかない。こんなとき思うのは髪は短い方がいいなあ、と思う。でも今は伸ばしたい気分というか年ごろと言うか(笑)

 

「・・・」

 

上の方はなんとなく整ったけども、下に行けば行くほどボサボサ・・・。

 

「仕方ない・・・縛るか・・・」

 

どうせ後で縛るしこのままよりはマシかな。

 

髪を整えた後、再度時計を見る。今出れば4,5分、少しだけ遅れるだけで済みそう。朝ご飯は・・・パンがあったはずだから、それでも適当に持ってって恥ずかしいけど電車の中で食べよう。

 

いつも通りの服に着替え、荷物を持ち外へ出る。

 

「雨、か・・・」

 

玄関にある傘を持ち少し小走りで家を出た。

 

 

× × ×

 

 

「ごめん、遅くなりました・・・」

 

大学に到着した私はもちろん先に来ていた板倉くんに対して胸の前でゴメンのポーズをする。一応まあ、先に遅れることは連絡してたいたけど。

 

「大丈夫、気にしないで」

 

少しの笑顔で板倉くんはそう答える。なんか今はその言葉、凄く気を使ってくれているように感じて、むしろ「遅いよ」とか言って欲しかった気もしないでもない。

 

「あはは、ありがとう」

 

少しうつむいてそう苦笑いで答え、その後はいつも通りトイレに行き着替える。

 

着替え終った私は改めて鏡を見る。

 

「うーん・・・」

 

後ろで縛っているとはいえ、パッと見でもボサボサ感はわかる。正直普段から服装なんて適当なんだから髪なんて、とか思うかも知れないけどね、やっぱり女の子にとって髪は大事。一応まあ、男子の、板倉くんの目もあるし・・・あ、いや、変に意識するのはやめよう。ほら、きっと由依ちゃんだってこんな私を見たら「ちょっと~、女の子なんだから!」みたいなことを言うよ、うん、そうだよ!

 

・・・とまあ、そんなことを思いつつも今更何も出来ないので、そのままトイレを出た。

 

着替え終ったあとはいつものランニング・・・ではなく。

 

「今日は雨だからそのまま教室へ行こう。さすがに外でランニングは出来ないしね」

 

「あ、確かに。じゃあメニューも少し違う感じ?」

 

目的地も決まったので、歩きながら話す。

 

「まあそうだね。ランニング出来ない分、やってみようかなってメニューはあるよ」

 

「そう、なんだ」

 

ピクっと反応、少し不安そう?あ、これは・・・?

 

「もしかして外郎売りみたいなのをビビってたりする?」

 

「あー、まあ、うん。バレちゃってたみたいだね、あはは・・・」

 

「そか。今日のはそういうのじゃないからきっとだいじょ・・・」

 

うぶ、と言おうと思ったけど、言って実際やった後に大丈夫じゃなかったら板倉くんが・・・。

 

「・・・まあ、やってみたらわかるよ」

 

とまあ逃げた。ごめんね板倉くん!

 

 

× × ×

 

 

今日はランニングメニューを飛ばすため、まずラジオ体操、続いて柔軟、筋トレと進む。

 

「じゃあ早速新メニューやろっか」

 

無言で頷く板倉くん。相変わらずびくびくしているのがちょっと面白い。

 

「ええと、一応メニュー名は『スローモーション』というのがついてまして」

 

「スロー・・・モーション?」

 

「うん、そう。その名の通り体をスローで動かす感じで。まあ言葉で伝えるよりも実際やってみるからそれで」

 

「了、解」

 

「じゃあねぇ・・・ここにスッゴく重たい石があるの」

 

私は両手でこれくらいの大きさ、とそれを表す。

 

「うん」

 

「これをの、こう、まず10拍で胸の前まで持ち上げます。そしたら次の10拍で思い切り腕を伸ばして限界まで持ち上げて、で、そのままの位置でまた10拍」

 

「うん、なるほど」

 

「そしたら後は逆。10拍ずつで元に戻す感じ」

 

・・・読んでいる方は言葉だけだといまいちわからないよね?(笑)

 

私が説明したのち、彼も同じような感じで体を動かす。

 

「うん、そんな動きで。で、ここからがポイントなんだけどね、コレはめちゃくちゃ重たいってことになってるじゃん?」

 

「あ、うん」

 

「だからこう、本当に重いものを、自分が持てる限界くらい重いものを持つ感じで、それを10拍かけてゆっくりやるという具合、だね」

 

そう言葉で説明した後実演。歯を食い縛り、体という体、腕、腰、肩、顔、などなど、に力を入れまくり、まるで本当に石を持ち上げてるように。

 

「・・・こういう感じ。ふー、疲れた」

 

言葉だけじゃないからね?本当に疲れるから!

 

「凄い・・・」

 

一通り終わった後、彼はそう呟いた。表情から察するに本当にそう思ってくれているのだろう。

 

「ふふふ、ありがとう。私もまだ衰えてなかったね」

 

誉められてちょっと嬉しいような照れ臭いような気分になる。

 

「じゃあ今度は板倉くんがやってみよう。私が手で10拍ずつ合図するからそれに合わせて。準備いいかな?」

 

「うん、頑張り、ます」

 

「じゃあ、スタート!イチ、二、サン、シ!・・・」

 

 

「・・・ハイ、お疲れ様!」

 

終わると同時にその場で崩れ落ちる。

 

「お疲れ様だね。1回目なのに結構良かったと私は思うよ、うん」

 

これはお世辞じゃなく本当。お世辞っぽく聞こえちゃったら申し訳ないけど。

 

「そ、そうかな?」

 

「うん。見てて楽しかったよ。あんな顔芸も出来るんだね」

 

「え、そんな変な顔だったの?」

 

「あ、いやいや!そうじゃなくて重い石持ってるなあっていうのが表情で伝わった感じかな」

 

普段あまり感情を表に出すタイプじゃないから、正直あそこまで出来たのは驚いた私。

 

「なる、ほど。そっか・・・」

 

ちょっと嬉しそう。まあ、治す部分無いわけじゃないから少しずつ指摘、その後やる目的を説明してなかったのでそれも。

 

「一応目的はなんだけど」

 

「演技するときはさ、モノが何もないときもあるの。えーと、わかりやすく言うとさ、シャドーボクシングとかシャドーピッチングとかの例えでわかるかな?」

 

「あー・・・なるほど」

 

うんうんと頷くところを見るとちょっとわかった感じ?

 

「つまり、その、まるであるかのようにやることが演技をする中で存在する、それの練習って感じ、かな・・・?」

 

「お、そうそう、正解。わかってやるのとではまた違ってくるからね」

 

「はい、わかりました」

 

私の説明は若干わかりにくいかなって言ってて思ったけど、何だかんだ理解してくれて良かった。

 

それから石の上げ下げの他にも分かりやすい、取り組みやすいものをいくつか説明。

 

シャドーピッチングやドアの開け閉め等々・・・説明した後は実演をしながらポイントポイントも同じように説明し板倉くんがやる、というのを行った。

 

「とりあえずはこれくらいで今日はいいかな。他にも色んなのがあったり、これの派生の練習とかもあるけど」

 

「は、はい」

 

そこまでではないが若干疲れてそうだし一度休憩をとる。

 

休憩に入ると珍しく彼から声をかけられた。

 

「高森さんが寝坊なんてどうしたのかなって思って」

 

「あー、まあ、今日のは私が完全に悪いから。あはは・・・」

 

言い訳はしない主義ですから。

 

「結構急いでた、よね?」

 

「え?う、うん」

 

私が悪いのに逆に心配そうな雰囲気に少し焦る。

 

「なんか、その、朝ご飯とかも食べてないんじゃとか、髪とかもその、なんていうか見た目で急いでたのがわかったし・・・僕は別に本当に遅くなるくらい全然大丈夫だったから、ゆっくりでいいよって言えば良かったかな、って・・・」

 

少し言葉を選びながら、慎重にそう話す。私はそんなの悪いよと思いつつも、そんな彼の優しさにちょっと嬉しくなり本音がこぼれる。

 

「なんかそこまで言われちゃうと・・・まあ、うん、シャワーでもゆっくり浴びて朝ご飯もちゃんと食べたかったなあとは思っちゃうかな。あはは。あ、別に何も食べてないわけじゃないけど」

 

なんだろう、完全に私が悪いのに、何故かこう甘えてしまう私がいて自分でも少し驚く。それだけ仲が良くなったということだろうか?

 

「じゃあ次は着く時間言ってくれたらゆっくりで大丈夫だからね」

 

「うん、ありがとう・・・じゃなくて次がないように気をつけます」

 

「あはは」

 

そう話した私たち。何か今までとは立場が逆転したような感じではあったけども、これはこれで悪くないなあと思うと同時に、彼の優しさにあまり寄りかからないようにもしようと思いました。




スローモーションの説明、言葉だけで伝わりましたかね・・・?まあ今回は練習の場面がメインでなく、最初と最後の2人のやりとりがメインですし(震え声)。

最後のやりとりのシーンですが、書き終わった後にちょっとキャラじゃないかなあと思いつつも、勇人くんの優しい(下手な?)ところを表現したかったので採用。

次回は同じ日の続きの予定です(^_^)v
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