私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~ 作:かもにゃんこ
ちなみに、今までの練習回と違うのは裕美子ちゃんが加わったということです!今までよりも楽しく書けてたら嬉しいですね~!
「2人とも久しぶりだね~!」
「あ、おはよう裕美子ちゃん」
「おはよう」
今日はしばらくバイトで忙しかった裕美子ちゃんが加わる日。今日から改めて私たちの活動がスタートします。
「おはよう!あ~良かった、私のこと2人とも覚えてくれてて!しばらく会ってないから忘れちゃってるかな~?とかちょっと心配しちゃったよー」
「あー、そう言われると『誰?』みたいなこと言った方が良かったのかなー?」
「それネタってわかってるなら大丈夫だけど実際言われたら傷つくなあ~!」
「そんな笑顔で言われてもね、あはは」
「相変わらず美結ちゃんは~!ね、ハヤトくん!」
とまあいつかもそんなことあったなあ、みたいな感じで話を振る裕美子ちゃん。
「え?いや、そんなまた僕にいきなり振らないでよ」
「そうだよ裕美子ちゃん」
「また2人で結託してるし!そういえば私がいない間、2人で結構練習してたの~?」
「うーん、そうだね、それなりにしたかな?」
1か月ちょっとの期間があって、学校に入れない日曜日やお盆、私のオシブの活動がある日以外はやったからだいたい20日くらいはやったかな?
「へえ、なるほどね!じゃあハヤトくんも基礎的なことは結構出来る感じなのかなー?あー、なんか私だけ置いてかれていくなあ」
そんなことを本気なのか冗談なのか、苦笑いで言う裕美子ちゃん。それには板倉くんが答える。
「やったことはやったけど・・・正直全然まだまだっていうか・・・」
「と言ってますがどうなの美結ちゃん?」
「え、私に聞くの?」
いきなり振られてびっくりする私。うーん、ここはどうしよう、あんまり盛って話すのもこれからのことを考えるとよくないけど、かといってはっきり言うのも・・・難しい。
「裕美子ちゃんの実力がどれくらいあるか私よくわからないから置いてかれちゃってるとかそういうのはよくわからないけど」
「うんうん」
「発声とか本当に基礎的な部分は普通に出来るくらいになってって感じ、だよね?」
私もいきなり振る。なんか癖が移った?
「あ、うん」
「・・・まあ後は実際やってみて見て下さいって感じ」
うまくかわした。嘘は言ってないもの。
「そかそか。うん、私も頑張らなきゃなあ!」
「あはは。で、立ち話もなんだしとりあえず教室にでも入ろう」
「あ、今日はいつもの練習じゃないんだ」
いきなり教室へ向かうということで板倉くんからはその疑問が飛ぶ。
「うん。まずはこれからのこと決めなきゃって感じだしね」
とまあそんな感じで雑談をしつつ、私たちは空き教室へと向かった。
「じゃあ早速始めよっか」
適当に席へ座り早速話しを進める。
「えーと、前に話した通り、11月3日の文化祭に向けて1本台本やる、でいいんだよね?」
「だね」
「うん」
「じゃあそれで進めようか、えっとまずは・・・」
「あ、ちょっと」
そこまで話したところで裕美子ちゃんが間に割って入る。
「どうしたの?」
「えっと、後で説明してくれるなら今聞く話じゃないかも知れないけど・・・」
「うん、大丈夫言ってみて」
「こういう感じで話が進んでるってことは文化祭では普通に出来そうって思っていいの?」
もっともな疑問。前話したときはそこは確定してなかったしね。私は答える。
「そう思ってくれて大丈夫だよ。参加団体募集自体は後期授業が始まってからだけど、有志団体で参加できないことは今までないって感じで」
これは学生課のお姉さんに聞いた話。だから本当に大丈夫だと思う。
「へえ、そういうものなんだね~!じゃあ心配ないね」
「あ、でもどこでやれるとかは全然決まってなくて」
文化祭では一応外に即席ではあるがメインステージを作る。また講堂でも色々な部活動が発表等で使う。当然、その2つは最初からスケジュールが埋まっていて使えない。まあ私だってそんなところで出来るなんて最初から思ってないけども。
「なるほどー!となると、どこが使えるんだろ?」
「うん、まだ詳しくは聞いてないけどおそらく談話室だって」
談話室とかその名の通りテーブルとイスがあって文字通り学生がお話するするところ、なんだけど、私たちの大学では防音機能があるため音楽系の活動団体や、もちろん前にあった演劇部もそこを使って舞台をやってたらしい。
「談話室って行ったことないなあ。名前だけって感じ」
「だよね、私もそうだよ」
学部の友達同士で集まる場所ではなくてどっちかというとサークルとかの集まりが多いから縁はないよね。
「本格的に暗幕とか張ったり照明音響使うなら1つだけある広くて天井も高いところでやらなきゃいけないけど・・・そこまでは出来ないから、まあ談話室ならどこでもいいかなって」
「という感じ。長くなったけど裕美子ちゃんの質問にはちゃんと答えました」
「ありがとう!」
と言うわけで改めて話しを進める。
「まずは、なんだけど・・・今回の公演はさ、何を目的にやるかだよね」
「あー、なるほどねー。1回切りの活動で終わらせるか、新しいメンバーを入れるためにやるか、だね」
説明する前に裕美子ちゃんはそう答える。
「うん、その通りだね」
「つまり、どっちの目的でやるかによって、台本選びも変わってくるって感じなのかな?」
板倉くんも裕美子ちゃんの話を聞いたらわかってくれたみたいでそう答える。
「そうだね、その通り。後者だと例えば誰でもでも知っているような物語を台本化したのがいいかなって。演劇のことがそんなにわからなくても物語さえ知ってれば取っ付きやすいし」
「逆に前者はもう私たちがやりたいものをやればいいって感じ。有名な戯曲とかなんでも自由にって感じかな」
2人にもわかるようになるべくゆっくり私は説明。頭の中で噛み砕いてくれたみたいで2人ともうんうんと頷く。が。
「あのー、美結ちゃん」
「えっと、質問かな?」
「うん。美結ちゃんの言うことも私なんとなくわかるけど・・・でも私的には仮に後者の目的だったとしても台本の選定に縛りをいれるのはどうかと思うけど・・・」
裕美子ちゃんは今まで見せたことのないような少し厳しめな表情と口調で私にそう言う。少し怯む私に裕美子ちゃんは続ける。
「本当に興味があって入ってくれるような人だったら、どんな台本の内容でも見に来てくれると思うよ。だって『演劇』に興味があって来てくれるんだから」
「それに、後者の目的を追いすぎて演劇を純粋に見たくて来る人だっているわけだよね?その人たちに満足して帰ってもらいたいし、って感じ」
「あ、もちろん私はこれをきっかけに演劇の活動団体として新たに続けて行きたい前提、後者としての意見だから」
ふーっと一息ついた裕美子ちゃんは言葉は終える。
私はそれを頭の中で整理する。間違ってはいない、とは思う。だけど私は反論する。こればっかりはやっぱり曲げたくない。
「裕美子ちゃんの言うこともわかる。けど私としては後者を選ぶならやっぱりそれは違うと思う」
いきなり対立するのもどうかと思うかも知れないけど、演劇部なんてこんなもの。意見の対立なんて日常茶飯事。最初で妥協なんてしたら絶対最後までうまくいかない。
静かに聞く裕美子ちゃんに私は続ける。
「興味がある人しか演劇をやりたいなんて人がいないのは違うと思う。興味がない人からも少しでも興味を持ってくれて、見に来てくれて・・・最初から視野を狭くしちゃダメだから」
「それにどんな物語の台本だってやっぱり見せ方次第だよ。宣伝の仕方から実際の演技まで、ちゃんとやればみんな満足してくれる」
そして最後に私はだめ押し、というわけでないけど付け足す。
「だてに6年間『演劇部』をやって来てるわけじゃないから。だから自信を持ってこう言えるから」
しっかり、私は裕美子ちゃんの目を見てそう言い放った。
なんでかって?裕美子ちゃんとはちゃんと2人で、いや、もちろん板倉くんも含めて3人が、納得出来るようにちゃんと決めていきたいから。
いきなりの2人の言い合い、びっくりしたかも知れません(^_^;)
今までの裕美子ちゃんとは全然違った・・・いや、前にも少し違う裕美子ちゃんが出てたときはあったような?
美結が「演劇部は意見の対立なんて日常茶飯事」って心の中で言ってましたが、これは完全に作者の意見ですかね。私が知っている限りでは、ということになりますのであるいはそんなこともない演劇部も普通にあるかも知れません。これは作者の意見ですので、美結も「こう思っている」と考えていただければ(^_^)v
では、また!