私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~ 作:かもにゃんこ
最近少し話の進みがゆっくりかなあ、と思いつつも、せっかく演劇のお話なんだしそれなりに内容の説明はしないと思ってますのでまあ、いいかなと(笑)
タイトルのセリフですが、本当これだなあって思いますね。なんでもそうですが、落ち込んでしまうと何かとうまくいかなくなりますものね。切り替えは大事!!って感じです(^^♪
台本改稿を行った翌日、まずはいつも通りの基礎練を行い、いよいよ役の振り分けをすることに。
「じゃあ割り振りなんだけど」
続きを言おうと思ったら、裕美子ちゃんに会話を挟まれる。
「私なんの役やるのかなあ!楽しみ~!ね、ハヤトくん!」
「そうだね、ちょっと緊張するけど」
「だね~!」
そんな感じで2人で盛り上がっているところに私は口を挟む。
「盛り上がってるところ悪いけど・・・役はもうこっちで決めちゃったんだけどね」
「え!そうなの!?」
「うん。さっき続けて言おうと思ったら遮られたから」
「・・・あ~!なるほど!そかそかうんうん」
なんか1人でボケて1人で納得している。見てる分には楽しいけどね。
「で、さっそくその割り振りなんだけど」
私は簡潔に発表をする。
まず主役の2人、「ヘンゼル」役は板倉くん。「グレーテル」役は裕美子ちゃん。
そしてその他、と言っても結局は「両親」と「悪い魔法使い」だけだったけど、その2人が私の配役。ちなみに両親は1人で2役をやる形で決まった。
「へぇ~!美結ちゃんが脇役なんだ!ちょっと意外かも!」
裕美子ちゃんはそう言うが、私は理由を説明。
「だって私が出ずっぱりってセリフも多かったら誰が指導したり、その他見直しとかするのかな?」
すると納得の2人。
「あ~、それはそうかも」
「言われて見れば・・・」
と言うわけで配役は決まり、改稿後の台本を決まった配役で一度読む。それからは今度はキャラクター設定を行うことに。
「裕美子ちゃんはだいたいわかるよね?」
「うん!養成所でもそういうのやってるね~」
「だよね。じゃあ私が板倉くんに説明するから、捕捉があれば」
うん、と頷く彼女。私は簡潔に説明。
「まずもちろん大事なのはそのキャラクターがどんな性格なのかだね。特に今回の物語はかなりざっくりとしたイメージだから余計に大事になると思う」
「はい」
「ただイメージがざっくりだからいきなり性格なんてわからないよね。そこでポイントになるのが、過去に何があったか、将来はどうしたいとか、誰とどんな関係なのか、現代に生きてるとしたらどんなことをするか、または所属するのか」
「そういう外堀から埋めていって真ん中を決める、そんなやり方が今回はいいかなって感じ。なんとなくわかる?」
うーん、と少し考える板倉くん。
「深く考えなくて大丈夫だから。あくまで台本にはないイメージをどんどん膨らませてく感じ」
「イメージ・・・つまり、妄想みたいな感じ、で考えればいいのかな?」
「うんうん。そんな感じでも大丈夫だと思うよ」
あんまり考えちゃっても大変だと思うので、心配にならないようにそこは笑顔で返す。
「という感じだけど、裕美子ちゃんから何かあるかな?」
「言うことなし、だね!私が養成所で言われたこともだいたいそんな感じ」
一応捕捉だけど、あくまでこれは私たちの考え。色々な考えは他にもあると思います。
「じゃあそんな感じでさっそくやってみよっか。私が書き留めていくから、意見がある人はどんどんどうぞ」
私がそういうと裕美子ちゃんから次々と意見が上がる。
「達観してそう!悟り世代みたいな?」
「シスコン兄貴だよね、絶対!あはは!」
「将来は絶対お金に困らない生活をしたいって思ってるかな~」
「今の学校のクラスにいたら割りといいポジションにいそう!」
いいポジションって何?とか思いつつもとりあえず参考にはなるのですべて書き留める。もちろん全部が全部生かすわけじゃないから。
私も意見をいくつか言う。
「頭の回転は早そうかな」
「これからを想定するのが得意そう」
「両親を恨んでるわけじゃないよね」
自分で言いながら書く。頷く2人。そしてまた裕美子ちゃんが意見を言う。
静かに聞いてるのもいいけど、せっかくだから参加して欲しい私は一応声をかける。
「板倉くんはどう?何でもいいよ?裕美子ちゃんみたいにくだらなくてもね」
「ちょっと美結ちゃん一言多いっ!」
私たちのやり取りに苦笑いしつつ、うーん、と考える。
「えーと・・・役に立つかわからないけど・・・」
「うん」
「○○(有名なアニメの題名)で言ったら△△△(それの登場人物)っぽいかなあって」
おお、なるほど、と私は思った。このメンバーならそういう考えも割りとありかなと。もちろん私は○○知ってるし。
「なるほどね。そういうのもアリだね。あ、裕美子ちゃんも知ってるよね?」
書き留めながら聞く私。
「もちろん!オタクならだいたい見てるくら有名だもんね~!私それの□□ちゃん大好き!『守れないものはこの世にありません』ってね~!」
「あ、似てる・・・凄い」
「ありがとう!中の人も大好きだからよく真似してるからねー」
嬉しそうな裕美子ちゃん。確かに私もなかなか似てると思った。
「さすが声優の卵だね」
「いや~!まだ卵でもないよ!種くらいかな~!」
そうは言ってるが嬉しそうではある。誉めたら伸びるタイプかまたは調子に乗るタイプかよく見極めなくてはね。
それからも3人で様々な視点からの意見を言い、だいたい出尽くしたところで簡単にそのキャラクターについてまとめ、演じる板倉くんに確認。
「とりあえずこんな感じの設定だけど、実際演じる板倉くんはなんとなくわかる?」
「わかるかわからないかで言ったら、なんとも言えないけど・・・でも何もない状態で臨むよりも、これだけ土台があれば演じれそうな気はするね」
「うんうん、それならきっと大丈夫」
稽古をする中で自分で感じてくれればなおよしだね。
それから順番にグレーテルから悪い魔法使いまで同じように議論、まとめを繰り返しキャラクター設定は終了。
キャラ設定が決まったところで台本改稿の確認と合わせて読み合わせを行った。
終了後、おのおの感想や気になった点等々。
台本自体もみんなで改稿を行い、矛盾点はその場ですぐに潰していったため、今のところは特に問題なさそう。
雑談みたいな感じで感想を言い合い、少し間が空いたとき板倉くんが少しおそるおそると言った感じで話す。
「あの・・・心配なところというか、なんというか・・・」
「大丈夫だよ、なんでも言ってみて」
彼が心配にならないよう私は笑顔で返す。
「いや、ね、2人とも凄く上手いし、なんか2人と一緒に本当にやっていいのかなって思っちゃって・・・」
「もちろんその、僕だって出来る限りは頑張ろうと思っているし・・・けど、やっぱり出発点が違いすぎて場違いかなっておも・・・」
「板倉くん!」
私は彼の言葉を最後まで聞く前に途中で遮る。
「板倉くんの言ってること凄くわかる。だよね、裕美子ちゃん?」
突然振ったけどまるで待っていたかのように彼女も答える。
「そそ!私だって、そりゃハヤトくんから見たら出来る人に見えるかも知れないけどねー、養成所の中で見たら私なんてホントまだまだ!事務所にスカウトされるくらいのレベルの人なんかと一緒に練習したりするとね、今みたいに思うもの!」
私が同じようなことを言うよりも、裕美子ちゃんが話す内容のが凄く説得力がある。だから私もついつい聞き入る。
「でねー、ガックリしちゃって自信を無くしちゃうでしょ?それこそ今のハヤトくんみたいな感じ。でもそれでガクッと落ち込んじゃったらそこで終わり!じゃん?だからそう言うときは『追い付きたい、追い越したい』って私はいつも思ってるよー!」
裕美子ちゃんがそう力強く彼に言った後、補足じゃあないけれど私も続ける。
「誰でも立場が変わればそういうことは思うってこと。それについてどう考えるかは後は自分次第だけど、きっと裕美子ちゃんが言ってくれたように思えば自分も楽しいと思うかな」
「だねだね!せっかくなら楽しくやりたいよね!」
そんな私たちの話を聞いた板倉くんは首を数度縦に降り、私たちへ答えを言う。
「そう、だよね。なんか深く考えすぎてたかも・・・うん、頑張るよ」
最後には笑顔になってそう話してくれた。私だってそんな彼を見るのは嬉しいから。
「もう大丈夫だね。じゃあ今日は終わり。明日から立ち稽古を始めるからまた頑張ろう」
彼が技術的な部分で不安があるように、私だって色々不安はある。それでも3人で助け合えばなんでも乗り越えていけそうな気がする、そんな気もした。
特に言うこともない普通の演劇回でした(笑)
あ、ちなみに裕美子ちゃんの「養成所の中でのレベル」ですが、それなりのランクには上がってる感じです。もともとセンスはある感じで・・・まあ一応そういう話はいつか物語の中でする予定ではあります(^o^)/
あと1話、演劇練習回が続きます(^^♪