私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~   作:かもにゃんこ

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40話まで来ました!中盤くらい、でしょうかね?序盤ではないことは確かですが、話数がどうなるかはまだわかりませんね(;'∀')

さて、演劇「部」として認められた美結たち3人。なかなか活動のハードルも上がる中、今回は活動回ではありますが、練習回ではありません!どんな話か、読んで見てのお楽しみです(^^♪




「嬉しいけどホントにいいの?」

「あ、お疲れ様」

 

「板倉くんこんにちは」

 

私たちの『演劇部』に待望の部室が今日から与えられた。結局あれから書類は簡単に学生課へと通り、私たちの団体は部活動と認められた。

 

そしてその日から部室を使えることに。もちろん、与えられた机と椅子、いくつかのロッカーのみのため、かなり寂しい感じではあるが、自由に使える部屋があるだけでかなりありがたい。

 

部屋に入った彼は私の向かいに机を挟んで座る。

 

「・・・ラノベ?」

 

机の上に置いてある、ブックカバーがしてある本を見てそう言う。

 

「うん。貸してくれたのだよ」

 

「あ、読んでくれてるんだ」

 

「まだ全然読み始めだからネタバレとかはやめてね」

 

「あ、うん。ちょっと色々言おうと思っちゃったから言う前で良かった・・・」

 

ホッとする板倉くん。一応内容は普通に楽しみにしてたのでネタバレされなくて良かった。

 

それからしばらく静かになる2人。無理に話そうとか、そういう空気は特になく、2人で映画を見に行ったあの日から特に関係も変わってない。まあ、色々はあったけども。

 

ちなみに稽古の方は私が当初立てた予定よりもかなり順調。9月に初めに始めてからはや1ヶ月ほど経過、台本の進み具合もかなり良く、またさすが養成所に通ってると言うべきか、裕美子ちゃんの演技にはあまり注文をつけることもないし、板倉くんは板倉くんで私たちの言ったことをしっかり聞いてくれてすぐ治してくれていて、何度も何度も同じことを言う必要があまりない。まあもちろん、治すところは多いことは多いけども。

 

「柴田さん遅いね」

 

授業が終わってから10分以上経過しても来ないからか、板倉くんがそう呟く。

 

「そうだね。連絡は特にないし、もうすぐ来るんじゃないかな?ほら、私たちと違って友達多いからお話とかもするんじゃない?」

 

「あー・・・確かにそうかも知れないね・・・」

 

あ、さっき変わってないって言ったけど、こういう自虐ネタみたいなことを言うことはちょっと多くなったかも。最初の頃は真に受けてたネタも最近はネタだとわかってくれる。まあ、そもそもこう言う話をするのはどうなのかというのは置いていて。

 

そんなことを考えていたらガチャリと部室の扉が開き噂の彼女がやってきた。

 

「お疲れー!ごめんごめん!ちょっと話が盛り上がっちゃって!」

 

まさかの、いや、大方の、というべきか、予想通りの展開になって私と板倉くんは目を合わせうんうんと1つ2つ頷き、私はにやっと笑う。

 

もちろん、それに裕美子ちゃんも反応。

 

「え?ナニナニ?どうかしたの?」

 

「え?あ、うん。今日も裕美子ちゃんは可愛いなあって。うふふ」

 

「いや!ウソでしょ!ハヤトくん、真実を教えてっ!」

 

「え?えーと・・・」

 

「はいはい、ほら、裕美子ちゃんが遅くて時間押しちゃってから始めるよ」

 

私はなんとなく秘密(ってほどのものではないが)を2人で共有したくなり、そんなことを言って場を流した。

 

「あー、ハーイ・・・」

 

こういう時は割りと素直なんだ。まあ一応「形だけは」私が部長だし、部長の言うことは、みたいな?違うか。

 

「じゃみんな揃ったしさあ着替えなきゃね~!」

 

「あ、裕美子ちゃん裕美子ちゃん」

 

私はカバンから運動着を出した裕美子ちゃんを止める。

 

「え?どしたの?」

 

「あ、うん。急遽でアレなんだけど、今日の授業中に思い付いてね、稽古も順調に来てるし今日は稽古以外のことを決めちゃおうかなって思って」

 

「稽古以外のこと?」

 

「高森さんって真面目そうに見えるのに・・・あっ・・・」

 

普通の疑問をした裕美子ちゃんと、そこ突っ込むの?って感じの板倉くん。ついつい思ってたことを言ってしまった感じだと思うけど私も突っ込む。

 

「真面目そうに見えるのに、何かな?ふふふ」

 

「あ、いや・・・」

 

「授業サボってそういうことするんだ~!ってことだよね!」

 

「あ、うん、そう。って!」

 

裕美子ちゃんのツッコミに対し、ついつい反応してしまった感じだね。いや、もはや流れるような感じなので、事前に打ち合わせたくらい自然だった。

 

「あはは、私だってつまらない授業はそんな感じだね。ってそれは置いといてとりあえず進めるね」

 

あんまりこの話題を膨らませると時間ももったいないので。

 

私は2人へ簡単に説明。衣装・舞台装置・小道具等、どうするかを今日決めることを。

 

「まず衣装なんだけど」

 

そう私が言うと、パッと手が上がる。

 

「はい!衣装やります!というかやりたかったです!」

 

元気良く、そう告げたのはもちろん裕美子ちゃん。

 

「え、いいの?確かに助かるけど」

 

「うん!最初からやろうって決めてたし、ぜひぜひやらせて下さいな」

 

「じゃあおまかせしちゃおうかな。さらっとでも今日みんなで考えようと思ってたけど、やってくれるならね」

 

こういうのは本当に助かる。いやまあ、逆に頼りすぎも良くないことは良くないけど。

 

「ねね、なんか決めるにあたってこれだけは!っていうことはある?雰囲気とか色合いとか」

 

「そうだね・・・」

 

言われて思う。一応私なりに考えたことを言っても良かったけどここは・・・。

 

「いや、大丈夫。裕美子ちゃんの好きなようにやってくれればね」

 

せっかくやってくれるって言ってくれたのだから。任せようと思う私。

 

「え?いいの?なんか答えるまでにちょっと間があったけどー」

 

「いいのいいの。少し考えてたこともあったけど、やってくれるならね。あ、もちろんあまりにもかけ離れたのにしちゃったら私だって色々言うよ?」

 

まあ大丈夫だと思うけど、最後にそう笑って付け足した。

 

「うん、了解っ!とりあえず考えがまとまったら見せるね!」

 

「うん、わかった」

 

というわけで衣装は裕美子ちゃんに任せるので、一旦おしまい。次へ、舞台装置へと移る。

 

「前に言ってたステージを作る件だけど・・・」

 

この間暇なときに私は倉庫の方までそれを確認した。で、結果、少しずつ修繕すれば大丈夫そうかなという感じに。

 

「確かにせっかくなら作りたいよね!少し高くなるだけも目線が変わるしねー」

 

「うん、それは私も思う。それで・・・」

 

私はチラッと板倉くんを見る。それを見た裕美子ちゃんも私が彼を見た理由を察したのか、同じく目線を送る。

 

「えっと・・・」

 

「そりゃあね、やっぱり男手がないと作れないからね」

 

「だねー!ほら、ハヤトくんだってちゃんと舞台作ってやりたいでしょ!?」

 

若干、いや、結構強引に言葉で誘導する。ちょっとパワハラっぽい?(笑)

 

「うん、まあ、大丈夫だよ。せっかくならって感じだし」

 

「やったー!」

 

「嬉しいけどホントにいいの?」

 

さっきノリで言ってしまって今更そんなこと言うのはアレかも知れないけど、強引に了解を得たとしたらそれは嫌なので。

 

「いや、むしろこれもさっきの柴田さんみたいに自分から言うべきだったなって思ってるから。力仕事になるって言うのはわかってるし、衣装が柴田さんなら今度は自分が、って・・・」

 

少しも間を開けず、彼はそういつもよりも少しだけ力強く話した。そんな彼にちょっと私は気持ちが入り心がニヤついていくのがわかる。とまあ、そんな気持ちになりつつも、実際彼の本音はちゃんと聞けたわけで、ステージは修繕し作ることが決まった。

 

「あとは背景かな」

 

「背景?っていうと・・?」

 

「うん。さすがに部屋の壁をそのままにしてやるのはちょっとどうかなって思うからさ、普通は例えばパネルとか立てたりするんだけどね」

 

「パネル」と言うのはね、べニア板に色を塗って後ろや上手下手に立ててあたかも別の室内のように見せるもの。中学・高校時代もよく使っていた。

 

「なるほど、そういうのもあるんだねー!」

 

「えっと、それも倉庫にあったりしたり・・・?」

 

「うん。こっちに関しては結構保存状態も良かったからそのまま色を塗れば使えそう、なんだけどね。でもステージも作らないとだし、時間あるかなって思って」

 

さすがにこのパネルにペンキを塗るとなると、授業終わりの夕方~夜にかけてやるのでは、ペンキが乾かない。となると、授業が早く終わる土曜日、または休みの日曜にやらなくてはならない。ただでさえなかなか時間はなさそうなのに、さらに土日に養成所がある裕美子ちゃんを除き、2人で作業しなけらばならないという感じで。

 

私はそれを簡単に2人に伝える。

 

「あ~、確かにそうだね。うーん・・・残念だけど、他にいい方法を探すしかないよね・・・」

 

裕美子ちゃんはおそらく2人だけに負担をかけたくない優しさからそう言ったのだろう。

 

正直、私自身もパネル製作に関してはかなり難しいことだとは思っている。ただ、それに変わる何かも特に思いつかないし、最悪背景なしでやるのも手をうちではないかとも思ってしまっている。

 

ただ、ただ、だ。この3人での活動団体を「演劇部」として認めてくれたからには、そしてそれを継続して活動し、部員もしっかり増やしていきたいと決めた以上、最初から妥協するのは嫌だと思う、負けず嫌いな私が、私の中を多く占めているのも事実だった。




ふう・・・また、またまた、予定通りに1話でこの話終わらかったぜ!(笑)まあでも終わらなかったので、次回は「勇人くん目線」というアイデアも思いつきましたし良しとしましょう。

ちなみに補足になりますが、顧問の先生は、裕美子ちゃんと仲のいい先生に名前だけ貸してくれるということになっております('◇')ゞ
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