私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~ 作:かもにゃんこ
というかまあ、タイトルで若干ネタバレ臭がありますが・・・(;'∀')
裕美子ちゃんと学生課のお姉さんと話してから数日、期末考査がすべて終わったその日の後、私は由依ちゃんに相談、また、またまた相談?って思うかも知れないけど、由依ちゃんに相談せず物事を決めるのは心配というか、それに逆に彼女も相談されるのは好きみたいだし、普通の会話の一部みたいなイメージ。
先に部員である板倉くんに、とも今回は思ったけど、彼は彼で自分の意見を持って休部を選んだ経緯もあり、私の意見、これからどうすればいいかを決めてからのがいいかなと言う判断。
「久しぶりだねー!」
「そうかな?私はそんな気しないけど」
下らない話とかで連絡を取り合うことも多かったので、そんなに空いた気がしない私。
「オシブに戻る気になった、とか?あははー」
「いや、それだけはないよ」
冗談とわかりそれを、私も冗談で返す。
「あらー、残念だわー!ってまあ冗談もこれくらいにして、ね」
わざとらしく残念そうな顔をしたと思ったら真面目な顔つきに。
「なんか美結、いい顔してるね」
「え?いきなり何?」
いきなりのそんな言葉に驚く私。
「いやね、何か心に決めたことがあるのかなっと会ったとき思ったよ~!」
「あっ・・・!う、うん。そんな感じだよ、ふふ」
何か私の思ってるというか、心の内を見透かしたような由依ちゃんに、私はわあっと笑顔になった。
「当たりだね~!よし、いい話なら聞こうじゃないか!」
悪い話なら聞かないの?とか思いつつ、私は彼女へと話す。
公演の後、入部希望の人は来なかったこと、裕美子ちゃんが抜けて2人になってしまったこと。2人の意見が一致に、休部を決めたこと。そして・・・。
「その裕美子ちゃんと、私たちの活動団体を作るときに、無理矢理部活動にしてくれた学生課のお姉さんの2人と話してね」
「何その無理矢理部活にしてくれたって!?なんかそれのが気になるんだけど~!」
まあ別に時間ないわけじゃないし、私もあれは面白かったので説明。
「・・・そうしたらね、本当に部活にしてくれちゃって」
「いや~、それバレたら処分とかもありそうなのによくやったね~!やっぱり美結の熱意がそうさせたのかな?」
「うーん、それはないと思うかなあ。はっきり言って最初からダメ元で言った部分もあったから私としてはなんでそこまでやってくれるんだろう、って逆に思ったし」
今思えばとんでもないことしてくれたよねって感じだしね。
「なんか理由でもあったの?」
「うん、私たちに後悔して欲しくないっていうのが大きな理由らしくて。まあその話はそんな感じかな」
「ふむふむ、なるほどね~!」
少し脱線してしまったけども私は本題へと戻り、彼女へと伝えた。
「・・・だから、っていうわけじゃあないけどね、隠してた自分の本当の気持ちが浮かんでまたやろうって決めたのは事実で」
全部話し終わった後、由依ちゃんはうんうんと1つ2つ頷きながら私の話を整理している。
「という感じなんだけど・・・」
「えーと」
「うん」
「それ私に相談する必要あった?」
「え?」
「いや、気持ち固まってるやん、ね~?」
「あー・・・」
・・・まあおっしゃる通りではありますが。
「ごめん、なんか私的にはそれだけ言えば由依ちゃんに伝わると思って」
「え?何が何が?」
「いやね、やりたい続けたいっていうのはもう揺るがないし、でもじゃあどうしたらって、2人で何をしなきゃいいのかなってことを相談したくて・・・」
「ああ!それね!いや~、さすがにそこまではわからんかったなあ!あはは」
そう言いながら笑う由依ちゃん。私の考えが甘かったか、いや、うん、なんでもないです(笑)
「で、どうかな?ってまあそんな簡単に・・・」
出ないとは思うけど、と言おうとしたら。
「付き合っちゃえばいいじゃん!」
「・・・はい?」
え、え、え?由依さん?何をおっしゃって。え、何?彼と付き合うとうまくいくの?え、じゃあ告白してオッケー貰えばいいの?
「・・・おーい、美結~?帰ってこーい!」
・・・・・・。
「はっ!」
「ごめん忘れて下さい冗談でも私が悪かったです」
手を机にくっつけてわざとらしく謝る。
「もうっ!いくら由依ちゃんでもそういうのは心臓に悪いよ!」
「いやー、マジでごめん!私的には『もう付き合ってるよ』ってのを期待したんだけどねー!」
「・・・さあて、私もう帰ろかな。後は自分で考えよ」
わざとらしく身支度を始める私。
「ホントすいません美結サマ!」
手を合わせ割りと本気で謝ってっぽい・・・まあ、私もここらへんで終わりにしよう。
「もうっ!いくら由依ちゃんでもさすがにそれは酷いから」
「はい、すいません・・・って相談されてる私が謝るの可笑しくない!?」
「うん、まあ、そう、かも?」
「・・・あははっ!」
「・・・ふふふ」
それからちょっとの時間、二人で笑いあった。
なんか色々あったし、こうやってバカみたいに笑うの久しぶりだった。色々、すーっと辛いこととか抜けていくような。まさか由依ちゃんはこれを狙ったのかな?由依ちゃんならあり得るから怖いね。
「一応まあ、好きは好き。でもそこからはあのときのまま、ってだけ言うね」
「だよね、あはは。何かあったら絶対私に言うもんね~!」
「わかってるじゃん。で、本題に戻るけど・・・」
少し脱線したのをまた戻す。まあ時間ないわけじゃ・・・(以下省略)
「ああ!うん、それねぇ」
由依ちゃんはうーんと腕を組み、考える。
「一応確認だけど、次の新入生が入るタイミングで舞台1本やりたいってこと?」
「いや、それは第二の目標かなあ。とにかくそのタイミングで『演劇部』として私たちの活動団体が存続していて、何かしら活動していることが一番かな」
そうは言うが、まあ、舞台やらずにとなると何を練習する?とか、本当にただただ「あるだけ」とはなるよね。
「そうは言うけど、本当は・・・って感じでしょ?」
私がそう考えていたらケラケラと笑いながら彼女はそう言う。なんていうか、うん、まあ、由依ちゃんだね。
「だね」
「となると美結の相談の答えは『どうやって人を増やせるか』になるわけね」
「まあそう、だね。舞台をやる以外で何か『演劇部』としての活動がしっかり出来る方法がなければそれに尽きるね」
というわけで「それを」達成出来る方法を考える由依ちゃん。もちろん私もだけど。
数分後、由依ちゃんがボソリと呟く。
「もう4月まで授業ないから・・・あ、うん、だよね」
「??」
本当に独り言で、何か1人で納得している。なんだろうと思った直後。
「今まできた人、見学じゃなくてもメールだけでも、何かしらアクションがあった人にもう一回声をかけてみるしかないでしょ!」
そう力を込めて、私をギラっと見てそう言った。
私はその言葉の意味をすぐ理解した。大学の授業がない以上、もちろん他大学からの勧誘も含めて、まっさらな新しい人をそれまでに迎え入れるのは99%不可能。じゃあどうするってなったら元サヤ、って言い方はどうなのかわからないけど、それをどうにかして捕まえるしかない、ってことだ。
「意味わかった?美・・・いや、その顔は・・・」
他に手はない。だから私は瞬時にそれをやることを決めた。
「うん、決まってるよ、私の気持ちは。とにかくやってみるよ。ありがとう由依ちゃん」
× × ×
その日の帰り道。
「寒いねー!」
「私着込んでるから割りと大丈夫かな」
下着は厚手、セーターがっちり、ズボンは完璧防寒素材。うん、色気、ゼロ!
「由依ちゃんはスカートだもんね。私とデートだから?あはは」
「いやあ、私と美結なら性格的にはむしろ美結が彼女ポジでしょ!」
「えー、彼氏のがおしゃれってなんか違くない?あ、あれか、倦怠期のカップルみたいな?あはは」
「彼氏だけ好きまくりで彼女は冷めてるんかっ!」
ナイス突っ込みな由依ちゃん。一緒に演劇やらない彼女~?
「おしゃれと言えばさ、裕美子っておしゃれだよねー!」
「あ、だね」
「やっぱり大きな夢を持ってると見た目にも現れるのかなあ~!」
「あるかもね。あ、そう言えばさ・・・」
私は裕美子ちゃんの話題が出てふと、夢のことを由依ちゃんに尋ねた。
「夢?私?」
「うん。夢っていうと大げさだからさ、こういうところで働きたいとかあるかなって。そういうの全然聞いてなかったし」
裕美子ちゃんは少しだけ考えたあと、教えてくれた。
「ちょっと恥ずかしかったりもするけどさー」
「うん」
「地元の役所の職員とかになれたらなーって思ってる」
「そう、なんだ」
ちょっと意外と言えば意外。まああくまで彼女の印象に対して、だけども。
「ほら、私って誰かのために何かするの凄く好きだからさ。オシブも裏方の仕事だけどすっごく楽しい!それに今日だって美結の相談聞いたりね、そういうのも好きだからさ~!」
そう話す彼女はとても誇らしげに見えた。本当に好きでそう言ってるのだろう。
「そっか、確かにそうかもね。由依ちゃんになら誰でも頼りたくなるもんね」
「あはは、それはそれはありがとう!」
裕美子ちゃんに続き、由依ちゃんも将来の目標を考えていて少し置いてきぼりになった。
対して私はと言えば今はやはり目の前のことで精一杯だ。焦らず考えたいとは言ったけれども、仲のいい2人がしっかり考えていることで、少なからず私の中に焦りが出来たのは間違いない。
またお話がかなり動き出しましたね。果たして2人で考えた作戦は成功するのか次回をお楽しみに(o~-')b
美結と由依のやりとりですが、毎回書いてる側は凄く楽しく書けてます。読んで下さる読者様も楽しんでいただけていたら嬉しいです(^o^)/
演劇に続き、「夢」の話も少しづつ進展していくこれからになりますよ~!