私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~ 作:かもにゃんこ
始まりは前回のメールの場面を美結目線でお届けします(*'▽')
「おやすみ・・・か・・・」
私はそう呟き、ベットの上に寝転ぶ。お風呂入って寝るとか送ったけども、お風呂はもう入ったしそしてまだ寝ない。要は嘘をついて私からメールを終わりにしたのだ。
終わりにした理由はくだらない。もうどんな話題をすればいいのかわからなくなってしまったから。別に彼の返しが悪いとかそういうことは一切思っていない。こういうことは失礼かもだけど、昼間の感じでは話上手には見えなかったから。
そもそも・・・。
「そもそもねぇ、確かに連絡先は交換したけど、今日の今日に連絡するつもりはなかったからね」
ゴロリと仰向けになり、そんな独り言を言った私。
× × ×
時間は戻り、オシブの活動後の帰り道。
「ねぇ美結~!」
「何由依ちゃん」
「今日帰ったら連絡するの~?」
「え?」
「え?、じゃないよ~!連絡先交換したんでしょ?」
「あ~」
したけど・・・したけど、ね、今日の今日連絡しようと思ってしたわけじゃないし。チャンス逃すと出来なくなりそうだからって感じなだけだったから。
「しなきゃダメなの?みたいな顔してるけど、さっきの話聞いてる感じだと、美結からしなきゃ絶対いつになっても来なそうじゃない?」
「まあ、ね、一理あるんだけど」
「恋愛は攻めなきゃ~!」
「だからね、まだ好きとかそう言うんじゃないから」
何か言われる度にそう逃げる私。決して言い訳でなく本当のことなんだけど、由依ちゃんには言い訳に聞こえるだろう。
「そもそも何送ればいいの?自慢じゃないけど私ほとんど初めてだから」
「ふむふむ!じゃあ私が教えてあげる!」
そう自慢気に話す由依ちゃん。彼氏いたらしいから割りと信じられる。
「そう?」
「おうよ!」
「じゃあ教えて」
まああんまり送るのは乗り気じゃないけど、聞くだけならタダだしね。
「もふん!えーとね、『せっかく連絡先も教えてくれたからメールしたよ~!特に何かあるってわけじゃないけど、ね・・・これから仲良くしてくれたら凄く嬉しいなあ・・・』って感じでいいと思うよ?どう?」
」
私的にはもうちょっと変なことを言ってくるのではと思っていたこともあり、割りとまとも、かなりまともな解答なのにちょっとびっくりした。
「どう~?私の意見は?」
「あ、うん、結構いいと思うかな」
「じゃあこんな感じで送ってみて~?」
話を聞くまでは送る気はあんまりなかったけど、彼女の意見を聞いた私はちょっとその気になる。まあ何を送るかわからなかったってこともあったし。
「うん、まだ決めたわけじゃないけど今は送ってみようかなって」
「うんうん!それが言いと思うよ~!」
ちょっといい気になった由依ちゃんは、この文送ったら次はこれがきっとくるからこう返せばいいよ、で、次は・・・みたいな話もしてくれた。
「本当に?」
「うん!大丈夫大丈夫!頑張って!」
「うん、私頑張るよ」
× × ×
「うまく乗せられちゃった私がダメだったか・・・やっぱりそんな台本通りにうまくはいかないよ由依ちゃん」
最初の返信からもう由依ちゃんの予想とは全然違うのが来てしまった(今思えば彼の性格的にはあってると思う)私は私らしくなく戸惑い、いや、私らしいとからしくなくって何?恋愛なんてほぼ初心者なんだし・・・なんとか言葉を捻り出して送れたはいいものの、誰が受け取っても会話がうまく続けられるような内容ではなかった。で、その返信に対してはお察しの通り。もう話題が見つからず、逃げるように終わりにしてしまった。
「難しいなあ。趣味とかの話題が合えば盛り上がったりするのかなあ」
趣味、ね。聞くのは別に問題ないかも知れないけども、聞くなら私も言わなきゃいけない感じになったときに「オタクです!漫画アニメゲーム大好きです!」とはまだ言いにくい。
「とは言え嘘をつくわけにも・・・あ~・・・何悩んでるんだ私~!落ちつけ私!」
天井を見上げなるべく冷静に考える。
そうだよ。うん、別に焦る必要なんてない。無理に話したっていいことないよね。そうそう、なんかもっと自然に仲良くならきゃ結局いい関係になんて絶対なれないもんね。
ただ、出会いが強烈的過ぎたから仕方ない部分はあるかもとも、改めて思う美結であった。
× × ×
翌週、思ったよりも1週間は早いものであっという間に演劇の授業がやってきた。あの日の翌日からは、なんで私あんなに悩んでたんだろうって思いまたいつもの私に戻れたのが理由かな。
今日はとくにバレちゃうとか思うこともなく、自然に席に着く。時間も前の授業が終わってばかりのこともあって早く、板倉くんはまだいなかった。
と、不意に後ろから声をかけられる。
「こんちにはミユちゃん」
今のところ実質ボッチの私に話しかける人って、と思い後ろを向くと。
「覚えてる?私、ユミコ!」
名前を聞かなくても顔を見た時に思い出す。
「あ、うん、こんにちはユミコちゃん」
彼女の笑顔の挨拶に私も笑顔で返す。
「1週間ぶりだね。ってこの間はちょっと話しただけだったけど」
「あはは、確かにそうだったね」
と、少し話してここで思い出す。そう言えば何か話の途中で終わったような。
そう思った私は思いきって尋ねてみた。
「ねぇユミコちゃん」
「うん?」
「この間さ、なんか私に言おうとして途中で終わらなかった?何を言おうとしてたのかあれからそこそこ気になってさ」
今の今まで忘れてたのでこれはちょっと嘘。これくらい言えば、忘れてても思い出してくれそうな気がするかと思って。
「えーと、なんだったっかなあ・・・?」
「確か外郎売りがどうのとか話した後に」
なかなか思い出せないユミコちゃんにキーワードを言う。
「外郎売り?ああ!」
どうやら思い出したみたい。
「そうそう、外郎売り!あれね、私もね、ちょっとアレかなって思われるかもだけど声優の養成所に通っててね~!」
あんまり詳しく知りはしないけども、確か声優になりたい人が通う学校みたいなところだ。
「へぇー、なんか凄いね」
「えー、そんなことないよ~!私なんてまだ始めたばっかりで。でね、少しでもうまくなれたらって思ってこの授業にも参加してみたのよ」
「あ、ミユちゃんわからないかもだけど、養成所でも演劇やったりしてるんだ。その話を国分学科の友達にしてみたら『2年になったらこんなのあるんだよ。どう?』って紹介されて」
「え!」
まさかの展開に私は驚く。
「え!?突然どうしたの?」
驚いた私にユミコちゃんも驚く。
「あ、ごめんごめん!ここだけの話なんだけどね」
私はユミコちゃんに近づきこそこそっと話す。
「え?何々?」
「私も別学科なの。ユミコちゃんと同じ」
「え!」
私の言葉にさっきの私みたいに驚くユミコちゃん。まあそりゃそうだよね。同じモグリがいるとは思わないもんね。
「だから仲間だね」
ニヤッと笑顔で私はそう言った。同じもの同士うまくやろうってことで。
そんな私の気持ちがわかったのか彼女も応える。
「だね!」
グッと拳を握ってニッと笑顔を向ける。
「「ふふふ・・・」」
お互いに笑い合う。結構アレな感じの笑い方だったので周りからみたらちょっと不気味だったかも。
「あ~、なんか面白い!ねぇねぇ!ミユちゃんはいつから演劇やってたの?」
「中高演劇部で。今はやってないけどね」
「へぇ、凄いね~。ベテランだ!」
「そんなことないよ」
「いやいや!あの外郎売り見たら言い訳出来ないから」
「なにそれ」
今の今(実際は1週間前からだけど)知り合ったばかりとは思えないように仲良くなった私たち。
共通の話題があるだけでこんなに盛り上がる。
「あ、じゃあ、声優目指してるなら好きな声優とかもいるの?」
「うん、いるいる!女性だったら加屋乃藍さんかなー。憧れる!」
「加屋乃さんなら今期は『じょうおうのばいと!』と『ゴリンコロセタ千機』に出てるよね。『じょうおうのばいと!』の香子の演技好きだなあ」
私がアニメの話題を出すとまた一段と目が輝くユミコちゃん。
「ミユちゃんアニメとか見るんだ!大学入って同性のオタって初めて!」
「いやね、みんな隠してるだけで結構いるんじゃないの?」
「あるかもー!」
と、そこまで話してたら残念、始業になってしまった。
「あ、始まっちゃった。じゃあ」
「うん、ありがとう」
ユミコちゃんは友達の元へと戻り、私は前を向く。と、前の席に見知った後ろ姿。ユミコちゃんとの会話でテンションが上がった私は緊張することなく話しかけられた。
「こんにちは」
彼に聞こえるくらいの声でそう話す。気がついた板倉くんも私に少し顔が見えるくらい振り向いて、
「あ、こんにちは」
ちょっと不器用な笑顔を見せる。
「メール、返してくれてありがとう」
「いや、こっちこそありがとう・・・えっと」
何かまだ続きがありそう。黙って聞く私。
「いや、ね、うまく返せなくてごめん」
苦笑いでそう答える板倉くんに私はちょっときた。
「ううん、私だって一緒だったから大丈夫」
そんな会話をしてたら先生が入ってきたのがそこで終わる。
会話自体は短かったけど、メールしたことで話題が出来てして良かったなあと思えた。
ユミコちゃん、再び登場。これは重要なキャラになりそうな・・・?いや、なんでもないです(;'∀')
美結とユミコと会話で出てきたアニメ名や声優、一応元ネタはあります。何とは言いませんがね(笑)