私たちの「舞台」は始まったばかり。~in University~ 作:かもにゃんこ
日本語って難しいですね。
今回は美結目線です(^^)/
3回目(私にとっては2回目だけど)の授業から、なんと台本を使った演劇をやることに。まあ、よくよく考えたら授業自体が10回強しかないので台本1本やるならそれくらいって感じ。
どんな台本を使ってやるかと言うと、原作は「平家物語」をもとにした実際の舞台でも使われてものらしい。それを2種類用意し、どちらかやりたい方を決め、2つにグループ分けして最終的に発表をするという感じ。
先生が大まかなあらすじや、こんな内容であることを生徒に伝えその後グループわけをした。
グループは私の方は10人、もう1つの方は11人と特に調節することなく決まった。ちなみに板倉くんとユミコちゃんは私と同じグループに。これは嬉しい。
席も前後だったので、一緒のグループが決まった板倉くんとちょっと会話。
「知り合いがいて良かったかな」
「あはは、こちらこそよろしく」
「うん、よろしくね」
というわけでそれぞれのグループで集まる。
さっそく、ってわけじゃないけども、私が経験者ということもあり、同じグループになった人から声をかけられる。
「ミユさんがいると心強いね!」
「あはは、そんなことないよ」
「色々よろしく!」
「うん」
「ミユちゃんが一緒で良かった!」
「私も嬉しいよユミコちゃん」
1人だけ対応が違うけど、まあ気にしない。
とそんな私たちの環の中に先生が来る。
「じゃあこちらのグループはミユさんが先生役ってことでよろしいですね。それならば私はあちらのグループの指導に専念出来ますからね。あちらのグループにはミユさんみたいな経験者はいないですから」
「え、あの、は、はい」
半ば強引にそんなことを言われちょっと戸惑う私。でもちょっと嬉しくもあったかな。
私の了解を得ると、先生は人数分の冊子を配る。台本だね。
「ではこちらが台本と、それからその続きの古文です。みなさんに回してください」
「あ、はい・・・って、あの」
私は先生の言葉に対し質問を投げかける。
「今台本の続きの古文とおっしゃっていましたよね?」
私の質問に対し、あくまで冷静な対応。
「それについてはあちらのグループも一緒ですので、今から簡単に説明をしようと思っていました」
「あ、わかりました」
私はもらった冊子をペラペラとめくる。確かに前半部分はちゃんとした台本、で中途半端なところから古文になっていた。これってもしかして・・・。
「はい、ちょっと聞いてください」
私語をしていた教室が静かになる。
「みなさん今私が渡した台本を見てください」
おのおのがそれを見る。
「はい、途中までは台本形式になっていると思いますが、途中からは古典文章そのままとなっております。ですので、それはみなさんの方で台本形式の文にして下さい」
私の予想は当たる。確かにこれはあくまでも古典文学の授業。そういうのがあっても普通かなと思える。私国文学科じゃないけど。
「誰が書くとか、どんな文章にするとかは各グループで決めて下さい。もちろんわからないことや疑問に思ったことがあれば何でも聞いていただいて構いません。説明は以上ですが、この時点で何か質問等ありますか」
一応私もちょっと考える。いくら経験者とは言え、別に古典とか古文には詳しくない。とここで質問が飛ぶ。
「あの」
「はい、どうぞ」
「私たちのグループは11人ですが、11人全員が出れるように台本も書かなければいけない感じでしょうか?もしそうなった場合、少し登場人物も少ない場合はあるのではないですか?」
その質問に対し、先生は用意してました、とばかりに答える。
「そのあたりもみなさんですべて考えていただいて構いません。全員出なくてもいいです。例えば台本を書く人はや、演出をする人はそれに専念していただいても」
「大きく物語を変えないのであれば、登場人物を増やしたり、もちろん元の台本の方も好きなようにアレンジしててもいいですよ。全部お任せします」
なるほど。あくまで自分たちで自由に考えていいというスタイル。もちろん自由度が大きい場合はそれなりにリスクも大きかったり、それがやりにくい人もいると思うけど私は大歓迎だ。
「その他質問はありますか?」
とりあえずは今のところみんなないような感じ。
「それでは始めましょう」
先生がそう言うと、私たちのグループはみんなで目を合わせる。たぶんみんながみんな、どうすれば?と考えているのだろう。
ちょっと躊躇したけども、ここは経験者である私が発言しなきゃと思い。いやまあ、授業を履修してないけど。
「あの、とりあえず今やらなきゃいけないことを確認しよう」
私がそうみんなに問いかけると、その中でユミコちゃんが答えてくれた。
「私もそう思う!まず先にやらないとマズイことを確認しよう」
私に続いてユミコちゃんがそういうとみんな少しずつだけど相づちをしてくれる。
私も今まずやるべきことを考える。まずは・・・私はパッと控えめに手を上げて発言する。
「まずは台本の続きを書く人と演出を決めなきゃかな」
「うん、そうだね」
「その通りだな」
「よし、決めよう!」
みんな私の意見に賛成してくれる。
「じゃあまずは・・・」
途中、先生も交えながらの数十分の議論の末、台本を書く人と演出が決まった。
台本は私・・・ではなくちゃんと古文に詳しい国文学科の男子二人が挙手をして、名乗りを上げてくれた。名前はヒロマサとショウ。まあ2人だけだとやっぱり不安らしいいんでちょいちょい私も助けるけど。
演出は・・・今度こそ私。まあこれについては先生からもああいう感じで言われたし、挙手してやると言った。
ただ、私が何もかも全部決めてしまうのもつまらないかなと思い、一つ提案をしてみた。
「あの、ちょっと聞きたいことあるけどいいかな?」
「私が全部決めてしまってもいいけどさ、ちょっと提案があって」
まさかの発言だったのだろう。ちょっとみんな不思議な顔をする。
「まずはこうしたらいいんじゃない?っていうのを場面場面で演技する人が決めて、とりあえずそれでやる」
「それで何か問題、立ち位置とか矛盾点とかがあるなら私の方から指摘する感じ。みんなある程度は自由にやってこそ演劇は楽しいと思うからね」
シーンとちょっと静かになる一同。えーと、そんなに難しいこと言ったつもりはなかったけど・・・。
「・・・えと」
そんな中、ユミコちゃんが言葉を発してくれる。
「つまり、その、まずは好きに、自分が思った通りに演技しちゃっていいってことだよね?」
その通り!
「うん、そう、そんな感じ」
「あ、良かった正解でー!ミユちゃんちょっと説明が硬いからみんなわかんなかったんだよ~!」
えへへ、と笑いながらそう言うユミコちゃん。あ、これは彼女なりに気を使ってるのかも。
「もう、ユミコちゃんたら。硬いのはちょっと気にしてるの!」
言葉とは真逆に、とびきりの笑顔でそう返す私。
私がそういうと場がなんとなく和み、みんなにも笑みがこぼれる。
私自身の性格なので仕方ない部分はあると思うけど、やっぱり集団をまとめたり引っ張るには硬い性格よりも明るく柔軟性があった方がいいかなと。
今は作った自分かも知れないけども、いつかはそんな感じ変われたら。
「とりあえずみんなもわかったかな?」
再度確認するとみんな頷いてくれる。
「よし、決まりだね!次はどうしようか?」
というところで終業のチャイムが鳴ってしまった。なんかいい感じだっただけにちょっと残念だったけどこればっかりは仕方ないよね。
「また来週~」
「よろしく~!」
「頑張ろうねー!」
気がつけばこの数十分でみんな仲良くなっている。これからうまくやっていけそう。もちろん同じ学科で同じ学年同士の人もいると思うけどね。
本文では書かなかったことですが、一応補足的な感じです。
グループごとに配られた台本ですが、「台本になっている部分」と「古文の部分」の割合は、85:15くらいです。そんなに長くはないですってことで、一応。